日本の原風景!京都「かやぶきの里」には昔の風景が残っていた!

↑更新・取材裏情報はTwitterにて(^ ^)
日本の古都「京都」。京都市内は幾つものお寺があり、風情ある景観も多くの場所で見られます。ところが、京都はそれだけではないんですね。京都市から北に行った場所にある「南丹市美山町」には、かやぶきの里というスポットがあるのです!
皆さんご存知でした?偉そうに言ってますが、私も最近知ったばかりなんですけどね・・。ということで、今回はこの「かやぶきの里」に焦点を当て、スポットに関するうんちくや訪問記を紹介していきたいと思います。
本記事のポイント

・京都にあり、日本の原風景を垣間見ることができる
・かやぶき屋根はススキで作られ、定期的に取り替え作業が行われる
・様々な問題を抱えており、特に「後継者問題」が深刻

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かやぶきの里はどこにある?

かやぶきの里
かやぶきの里は、住所で言うと「京都府南丹市美山町」という場所にあります。と言われても、場所がわかる人はそうはいませんよね・・ (⌒-⌒; )
地図で言うと、京都府の中心部分でしょうか?福井県の県境にわりと近い場所ですな!

そもそもかやぶきの里とは?

場所がわかったところで、そもそも「かやぶきの里って何だ?」という方もいると思うので軽く説明いたします。
かやぶきの里
▲茅葺屋根の家が建ち並ぶ「かやぶきの里」
かやぶきの里は、京都府南丹市美山町に位置し茅葺屋根(かやぶきやね)の家が多く残る場所です。1992年に全国で36番目となる国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されてもいます。
東京なんてもちろん、今の時代に日本中でも中々見ることが出来ない茅葺屋根がこれだけ密集している光景は、昔の時代にタイムスリップしたかのような、心安らぐ光景であります。

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かやぶきの里周辺について

かやぶきの里
かやぶきの里周辺の地図を拡大するとこんな感じです。かやぶき屋根の建物が密集する場所の他に、里山整備地やかや場があります。かやぶき屋根のかやは、現地調達をしているようで、その採取場所は何箇所かある「かや場」なんだそうです。
近くには美山川という川も流れております。この川は、1949年にへスター台風が襲来した際や、1953年に襲来した台風13号の際に度々氾濫した川でもあるのです。

かやぶきの建物について

風情がある建物というのはわかったが、ではそのかやぶき屋根の建物について色々知識をつけていきましょう!

いつの建物なのか?

かやぶきの里
かやぶきの里にある建物は多くは江戸時代に建てられたものだという。その作りは、北山型と言われているそうです。ん?なんすか、北山型って?って感じだと思うので、頑張って説明しまっせ!

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屋根の仕組みについて

まず、屋根の材料は何なのかというところですが、「ススキ」なんだそうです。
かやぶきの里
▲大量のススキで作られた「かやぶき屋根」
かやぶき屋根というから「かや」なのではと思うかもしれませんが、かや(茅)とは「屋根を葺く草の総称」であり、かやという植物は無いんですって!
かやぶきの里
▲屋根のてっぺんにある5つの×の「千木」
屋根の棟の部分にある、ばってんの形をした5つのものは「千木(ちぎ)」というもの。その千木の上に乗っている長い 棒は「馬乗り」or「雪割り」というそうです。茅を抑えて、水が入らないようにしているんだとか。

屋根の葺き替え

この屋根は、定期的にメンテナンスをする必要があるようですだ。そう、葺き替え(ふきかえ)である。
かやぶきの里
▲苔で傷んでいる箇所から屋根を変える
葺き替えは、苔が生えた痛みがきつい場所から行うんだとか。屋根のもちは20年くらいのようなので、その度に葺き替えをしなくてはいけないようです。もちろん、日曜大工的なノリではこんなのはできない。そのため、葺き替え職人という職人がいて、行うようですよ!
4面全てを葺き替えるには、600〜800万円くらいかかるんだとか。昔は、葺き替え職人を中心にして家の人や仲間も一緒にしていたんだそうです。そりゃ、今の首都圏の様に、隣に誰が住んでいるか知らないなんてことにはならんわな(⌒-⌒; )

かやぶきの里の歴史

かやぶきの里
それでは、かやぶきの歴史に関してここから説明していきましょう!

重要伝統的建造物群保存地区に選定

かやぶきの里
ここは、1992年に全国で36番目となる国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。そして、保存地区の選定を受けた後は、観光の分野にも力を注ぎ、「農業体験宿泊棟の開設」「修学旅行生の受け入れ」「冬に観光客を呼び込む取り組み」を実施しだした。

観光地化に向けた努力

1990年以降になると、経済や社会状況の変化の中で、生活意識や価値観が大きく変わってきた。主には環境問題への関心やふるさと回帰の現象ですね。そういう意識が社会に芽生えていき、行政や議会も過疎の町を活性化することや、個性ある町づくりをしようという思いが強まってきたので。
そこで、ここ美山町では府と町が1億円近くを折半して、町づくりの事業が進んでいったようです。内容としては、「かやの確保」「増えてきている来訪者のための食事ができる場所」「資料館の解放」などなど。
また、村にはトイレも設置されるようになりました。元々は、4箇所しかトイレは設置されていなく、そのため観光バスが来た際はトイレに行列ができたこともあったという。そして、2004年10月から必要最小限かつ景観にも配慮したトイレが設置されるようになった。
かやぶきの里
▲1983年に拡張された巨大駐車場
また、村では駐車場も拡張されました。来訪者が増加し、元々の駐車場が満杯になり路上駐車が列を成すこともあったという。現在の駐車場は1983年の基盤整備の際、多くの所有者の協力によって村が取得したという。
この集落が保存地区に指定された際は、「どれぐらいの人が来てくれるのか」と、不安混じりのスタートだったようです。というのも、ここは特別な名所や文化財があるわけでもない場所。しかし、訪れる人は「日本の故郷が体験できる」「気持ちが安らぐ」という。
そう、この村には日本の農村の原風景があるのです。

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かやぶきの里を訪れた

かやぶきの里
記事を書く上でもちろん私も訪れました!私が訪れたのはGW真っ只中の時期。時間は夕方ごろで程よく心地いいい気温の中で、やはりとても癒される空間でした。できれば、ここの民宿で1泊していければとも思ったんですが、今回は時間の関係でできませんでした。
では、今回訪問した訪問記を簡単に以下で紹介していきまっす!

美山民族資料館

かやぶきの里
▲当時の暮らしの様子が学べる資料館
かやぶきの里には、資料館があります。昔ここでくらいしていた方々が使用していた農機具、生活道具など約200点以上が展示されています。
しかしここ、実は2000年5月20日の未明に、火災によって消失していたのです。住民等の機敏な対応のおかげで、周囲の家まで燃え移ることはなかったようでそれがせめてもの救い。その後、再建への声が寄せられ、無事2002年10月16日に再建竣工となりました。この建物は集落内でも一、二を争う古さだったという。
なお、火災の原因は不明のままなんだそうです。
かやぶきの里
では、早速館内に入ることに。中はやはり風情があり、癒される空間でした。
かやぶきの里
入り口すぐにある広間の中心には囲炉裏が!
かやぶきの里
説明にあった通り、生活用品や農機具などが多数展示してありました。機械化が進んだ現代だからこそ、昔の人がどんな知恵を絞って生活をしていたかがわかるような気がします。
じっくり見る時間がなくて、あまり詳しく観察出来なかったのが悔やまれる・・。
かやぶきの里
こちらは風呂だという。現代だとボタン一つでお湯が沸き、追い炊き機能だってついているわけですがそんなものはもちろん無い。足を延ばすこともできないしな〜。
かやぶきの里
2Fにあがると、かやぶき屋根の裏側が確認できます。表から見ると風情があり綺麗に見えますが、裏側を見るとその工夫や技術が垣間見れるようっす!

火災から守る放水銃

かやぶきの里
▲火災の際に放水するための「放水銃」
かやぶきの里にはこんなものが作られております。これは「放水銃」というもの。これが何かというと、これは1995年におきた阪神淡路大震災をきっかけに、7年間で総事業費7億円を要して整備されたもの。
かやぶき民家を火災から守るとともに、年2回の一斉放水点検は多くの観光客が訪れる風物詩にもなっています。現在放水銃は保存地区内に62基設置されているようですよ。

その他に見つけたもの

かやぶきの里
かやぶきの里は、花も綺麗。写真中央で咲いている花は何かちょっとわからないんですがね(⌒-⌒; )
かやぶき屋根と花のコラボレーションは風情ありまくりで非常に美しい景色だ!
かやぶきの里
神社もありました。しかもこの神社の名前は「鎌倉神社」という名前。私の実家があるのが鎌倉なだけに何か愛着が湧いた!
かやぶきの里
お土産やさんも覗いてみました!
かやぶきの里
▲おみやげ屋さんに売っていた昔の遊具
こんなものがありました。コマや竹とんぼ、剣玉などなどの遊具だ!私は1987年生まれ。思春期が90年代だったため、ミニ四駆やハイパーヨーヨーや初代ポケモン世代なわけですが、竹とんぼとかもそれなりに遊んだ記憶があります。
コマはそんなに遊ばなかった気がする。。。
かやぶきの里
レトルトカレーが豊富だ!「鹿カレー」「猪カレー」「美山牛乳カレー」と3種類。以前、東京の足立区にある「カレーランド」を訪れてからレトルトカレーに関心が強い私。

かやぶきの里の今後

かやぶきの里
ただ、かやぶきの里には多くの問題も残っています。「後継者問題」「空き家問題」「観光客の増加対策」「観光客の受け入れ体制の拡充」「事務局体制の強化」「財政基盤の強化」などなどがあるよう。
特に高齢化が深刻で、この村に住む住人は2012年で65歳の方が過半数となりました。そう、つまり”限界集落”になったということなんです。

おわりに

かやぶきの里
日本の農村の原風景が残るかやぶきの里。しかし、そんな農村にも様々な問題があるのですね。知の冒険では全国の知られざるスポットを多く紹介していますが、私が訪れた後閉じてしまったスポット・店もポツポツ見られています。
時代が進み、スポットや風景は変わっていくものだと思いますが、かやぶきの里も多くの問題を抱えつつも今後もこの風景を守り続けていただきたいと思っております。

参考文献

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詳細・地図

住所 京都府南丹市美山町北揚石21−1
駐車場 無料
アクセス 国道162号を車で行く形になります。
リンク http://www.kayabukinosato.com/
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※ほぼ毎日つぶやき中
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