かつて砂利鉄道と呼ばれた「相模線」その歴史と今を徹底調査した!

↑更新・取材裏情報はTwitterにて(^ ^)
今回の記事は、神奈川県のローカル路線である「相模線」に関するお話です。相模線って皆さんご存知です??
神奈川県を走っているJRの路線ですが、神奈川県民でも知っていても乗ったことはないという人が恐らく多いこの路線。それだけマイナーな路線ということなので、だからこそ記事にして色々紹介しようというのが私の魂胆なのでございます!!
ではそんなマイナー路線である相模線を以下でトコトン紹介していきまっせー!!
本記事のポイント

・相模線は、かつては相模川の砂利を運ぶために敷かれた鉄道だった
・相模線のテーマカラーは相模川の水をイメージして作られた
・単線であったり駅舎が簡素だったりと、地方路線感は満載!

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相模線について

では、まずは相模線ってどんな路線なのかという事をこの項目内で説明していきましょう!

相模線はどこを走る?

相模線
マイナー路線である相模線は一体どこを走っているのか?マイナーというだけあって横浜や川崎の方向とは無関係で、茅ケ崎市の茅ヶ崎駅から相模原市の橋本駅までの33.3kmを走っています。
相模線以外の路線も通っている駅は茅ヶ崎駅、海老名駅、厚木駅、橋本駅のわずか4駅。。特に目立った観光地もないため、利用する方は地元住民くらいなんでしょうか。。。しかし、橋本駅は2027年に開通するリニア中央新幹線の停車駅になる予定のため、その効果があるのではないかとの期待もできるのです!!

相模線の駅について

相模線はどのような駅を通るのか、全部で18駅を通るわけですが乗り換えできる駅も4駅ということで名前を聞いたことがない駅がほとんどであると思いますが以下で紹介します!
相模線
有名なのは、茅ヶ崎駅、海老名駅、厚木駅、橋本駅くらいでしょうね!それ以外の9駅は終日無人駅で、さらに3駅は一時無人駅でもありますから。。半分が終日無人駅ということで、ローカル線というだけありますな!

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相模線の歴史

相模線の歴史は1917年に遡ります。現在はJRの管轄となっている相模線ですが、創設したのはJRではなく相模鉄道でありました。そして、この相模線は創設した際には旅客輸送が主目的ではなかったのです。
相模線
相模線は、神奈川県を代表する河川である相模川に沿ってレールが敷かれています。それは、この相模線は相模川の砂利を運ぶことを目的として作られたからです。
相模線
▲相模線が運んでいたのは相模川の砂利
砂利を何で運ぶ必要があるのかというと、当時はコンクリートを作る際には砂利は必要不可欠だったんだうです。このように河川の砂利を運ぶ鉄道のことを”砂利鉄道”と呼んでいたそうです。砂利鉄道は、相模線以外では多摩川の砂利を運んでいた南武線や武蔵五日市線などもそうだったようです。
しかし、相模線の経営は赤字が続く状態に。そもそも、現在では相模線沿いに住宅地が建つようになってはいますが、砂利を運んでいたころはこの周囲に住宅はほとんどなかった状態。そのため、旅客輸送の需要もほとんどなかったと思われます。
相模線
相模線と相鉄線は相模鉄道、神中鉄道、東急電鉄、JRが複雑に絡んでくる話になるので図にまとめました!相模線は元々相模鉄道が創設し、現在の相鉄線は神中鉄道が創設しました。
その後、相模鉄道と神中鉄道は東急横浜電鉄(現:東急電鉄)の傘下になり、その後相模鉄道と神中鉄道が吸収合併します。しかし、その後1941年に始まった太平洋戦争の影響を受け、国は東海道線と中央線を結んでいる相模線を、相模鉄道から引き取りました。

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相模線に乗ってみた

相模線
▲リニアモーターカーの停車駅候補「橋本駅」
記事を書くにあたり、もちろん相模線に乗りに行くことにしました。相模線は以前に何度か乗ったことはあるので初めてではないんですがね!(^^)!
私は、1年浪人した経験があるのですがその時受けた北里大学に行くときには、原当麻駅から丹沢の山々を眺めつつ歩いた覚えがあったりするんですよ!いや~懐かしい。
相模線に乗るためにとりあえず端っこである橋本駅に到着。ここから茅ケ崎方面に進んでいきます!
相模線
ホームに到着。相模線は大体1時間に3本近く運行されており、常に4両編成のようです。
相模線
相模線の車両はこちらです。私は鉄道マニアレベルではないので、車両に関しては特に語れるネタはありません(笑)
しかし、このラインカラーに関してはネタがあり、この水色はかつて砂利を運んでいた相模川の水の色からきているそうです。
相模線
そしてドアはボタンを押して開閉するスタイル。これがあるかないかでローカル線か否かを分ける大きな判断材料だと私は勝手に思っております。
相模線
もちろん、車内にも降りる際に扉を開けるボタンがついています。ボタンを押すことを知っていないと、降りる際にドアに立ちっぱになり開かないドアの前に立ち尽くす瞬間を見られるので気をつけましょうね( ;∀;)
相模線
▲ひたすら単線になっている相模線
そして相模線の大きな特徴であるのがこの単線。神奈川県の電車だと大抵は複線化されていますが、この相模線は駅ですれ違うために分かれることを除くと、駅間を走っている際はずっと単線になります。
調べると、沿線の人口は増加しているため経営が比較的よくなっていることから複線化を望んでいる方は多いようです。そして、「相模線複線化等促進期成同盟会」という会まで結成されているほど。しかし、複線化するには工事をするだけでなく用地の問題もあるのでなかなかすぐにはうまくいかないような気もします・・。
相模線
こちらは、相武台下駅なのですが相模線は単線のため上りと下りがどこかですれ違う必要があります。これを列車交換行き違いというんだそうです。
相模線
こちらは相武台下駅からの風景ですが、相模線の駅からは田んぼや丹沢山地が見れる開けた景色が見れる駅が多々あります。首都圏ではなかなか見られない景色であり、心が解放されて癒されまっせ!!

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相模線沿いを巡る

相模線に乗るためにとりあえず端っこである橋本駅に到着。ここから茅ケ崎方面に進んでいきます!

ほとんど高架化されていない

相模線
相模線はほぼ高架化されていません。そのため、線路の向こう側へ行きたい場合は踏切や歩道橋を設置しなくてはいけません。上の写真の歩道橋は橋本 – 南橋本間にある歩道橋ですが、歩く側はわたるのにちょっと大変( ;∀;)
相模線
都内では環状七号線などで、道路とクロスする際にこのように下をくぐるトンネルを作っている場合がありますが、相模線と道路がクロスしている場合にこのように道路を下に掘っています。
相模線
ただし、写真のような高架化されていない場所が多く、その場合は踏切になります。といっても、さすがに主要道路は先ほどのように下にくぐらせるなどの策をとっているので比較的交通量が少ない道路にですけどね!
相模線
先ほどは「ほぼ高架化されていない」と書きましたが、高架化されているのはこの上溝駅くらいのようです。上溝駅は元々はこのような立派に高架化されていたわけではなく、今の姿になったのは2001年4月のことなんだそうです。
相模線
今回の取材では何度も踏切をまたいだため、通過待ちをすることもありましたわ。

レトロな駅舎が多い

相模線
地方のローカル線と言うだけあって、駅舎はこじんまりとした最低限の物が多いです。
宮山駅は近くにある寒川神社の最寄り駅となっています。というのも、この駅は寒川神社や地元住民の声によってできた請願駅なんだそうです。請願駅として日本で初めて誕生した駅は東京にある東小金井駅であり、その他には神奈川県の東戸塚駅などなど多数存在します。
宮山駅の隣には寒川駅がありますが、寒川神社の最寄は宮山駅とちょっとややこしい( ;∀;)
相模線
こちらは社家駅(しゃけえき)。魚介類の鮭とは全く関係ないですが、駅名の割にはうまそうに聞こえる駅です(笑)
社家駅が開業したのは1926年7月15日ということで大正時代からある駅なんですね。
相模線
こちらは倉見駅。この駅は1926年4月に開業した駅で、駅舎は当時のままなんだそうです。そのため、現存する駅舎の中で倉見駅の駅舎が相模線の中で一番古い駅舎のようです。
倉見駅は駅舎だけでなくホーム、倉庫などすべてが鉄筋コンクリート造りとのこと。関東大震災直後ということもあって、強固な作りを意識するようになったということからコンクリートが使われたそうです。

その他の相模線の駅を紹介

相模線に関して色々紹介してきましたが、ここからは色々な駅を紹介していきます。目立った観光地もない相模線ですが、各々の駅についていろいろ調べてみるとやはり各々の駅にそれぞれの物語があるようです。

3度改名した上溝駅

相模線
先ほど、唯一高架化されていると書いた上溝駅。この駅の特徴はそれだけではなく、駅名が3回変わっているということです!その流れとしては、相模横山駅→本上溝駅→上溝駅となったそうな。

違和感のある駅舎の門沢橋駅

相模線
門沢橋駅なんかは駅舎というか何というかといった建物(笑)
相模線
駅の改札はこのような引き戸になっております、お店か?と突っ込みたくなるような駅舎ですた。

駅の外にホームベンチがある相武台下駅

相模線
続いては相武台下駅。ここは駅舎は非常に綺麗なもののここも終日無人駅と簡素な雰囲気。駅舎を見ると綺麗な駅に見えますが、ホームに立つと周囲は田んぼが広がり丹沢山地が見える広大な景色となっているのですよ!
相模線
相武台下駅の一番の突っ込みどころはここか?なぜか駅舎の外に駅のホームによくあるベンチが置いてあるのです。何で??

駅舎がない簡素な入谷駅

相模線
18ある相模線の駅の中で一番衝撃的だったのが入谷駅でした。何で衝撃的かというと、なんたって駅舎もないし周囲があまりにも閑散としていたのでね・・・。ここは川(溝?)を渡るための橋なのですが、ここが入谷駅の入り口です(笑)
相模線
そんで、これが入谷駅。駅舎がないためホームがむき出し状態に・・。そして駅前には無数のチャリンコが。ここ入谷駅は終日無人駅ですが、ここまで閑散とした風景はかなりびっくらこきました( ゚Д゚)
相模線
入場と出場はこちらの機械にかざす形になります。この機械と田んぼのツーショットがとれるのは神奈川県ではここだけか?
相模線
駅からは雄大な丹沢山地が見えます!真ん中より少し左に見える山は大山で、昔は霊山として崇められていた山。山頂からは超絶な夜景が見れるということで知の冒険でも紹介しています!

従業員を扱う駅だった北茅ヶ崎駅

相模線
現在は北茅ヶ崎駅という名称ですが、元々は日東駅という名称だったそうです。1940年に開業した駅であり、日東製鋼所の工場関係者しか利用できない駅だったとのこと。その後、相模線が戦争下で国有化された際に北茅ヶ崎駅に改名。
現在も駅の隣には工場が佇んでおります。しかし、現在この工場は日東製鋼所ではなく東邦チタニウムというチタンを扱う工場になっております!!

おわりに

ちょっと長い記事になりましたが、いかがだったでしょうか??
マイナーな路線ではあるものの、発掘すると色々な物語が出てくるものです。神奈川県のマイナー路線だと、相模線の他には鶴見線や御殿場線もあり、こちらも記事を書いていますのでご覧になってみてください!!

参考文献

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