24年に及ぶ大工事!世界一の海底トンネルを学ぶ、青函トンネル記念館

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執念の大工事!24年にも及ぶ工事を経て完成した青函トンネルの歴史を追い求めます!!

24年もの歳月をかけて作られた青函トンネル。
北海道と本州を結び、世界一長い海底トンネルとなった背景にはどんな物語があったのか。
青函トンネル記念館を紹介しながら、その物語についても触れたいと思います。

取材当日は、風が吹き荒れ雨も吹き荒れる天気!!

これが、青森県の竜飛岬に位置する「青函トンネル記念館」!
朝の8:40の開館に合わせて到着したこともあり、まだ人はまばらでした。

ここが、入り口になります。
そして、この記念館の一番の見所は、「青函トンネルの作業坑の体験」です。
実際に、地下140mまで下り、実際の青函トンネルの作業坑を見学することができるのです。
地下140mまでは1日に数便出る車両に乗り込み下る形になります

作業坑への第1便は9:00出発!
平日の朝8時台にも関わらず、意外に人は多かったです!!
みんな私と同じく、夏休みとかなのでしょうか??

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このオレンジ色の車両に乗って地下へ潜っていきます!!

もともとはこの状態!
車両が、地下140mにある作業坑へ降りる際は、この扉が開くのです!!

ガガガガガガガガッ・・・・・・

こんな感じで扉が開きます!
圧巻!!

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そして、地下140mの作業抗へと進みます!
斜度が何度かわかりませんが、結構な斜度の状態で地下へ突き進みます。
この、臨場感は半端ない!
他では体験ができない貴重な経験だと思います!
ということで、口で説明するより動画の方が伝わりやすいと思ったので、動画撮りました!

目的の駅に到着しました!
しかし、レールはまだ先へと続いています!!
気になる(笑)

ここは「体験坑道駅」という駅名がついているようです!!

車両を下りて、坑道内を進む一同!

坑道内には、大量の自転車が!
確かに、チャリあった方が便利だと思います!!
では、ここから青函トンネルについて、作業坑を紹介していきながら説明していきたいと思います。

構想から半世紀、着工から24年もの大工事を経て、世界一長い海底トンネルが誕生!!

青函トンネルは、地図で示すと、矢印の場所を通っています!
もちろん海底です。
青函トンネルは1946年に地質調査を開始、1964年に北海道側の斜坑掘削を開始し、1988年に津軽海峡線が開業しました!
構想から半世紀、着工から24年もの大工事を経て、世界一長い海底トンネルが誕生したのです!!
 ~青函トンネル工事の歩み~
1946年 4月 地質調査開始
1954年 9月 青函連絡船・洞爺湖丸事件
1964年 3月 日本鉄道建設公団発足
1964年 5月 北海道側斜坑掘削開始
1966年 3月 本州側斜坑掘削開始
1983年 1月 先進導坑貫通
1985年 3月 本坑貫通
1986年 9月 トンネル内軌道締結
1987年 10月 訓練運転開始
1988年 3月 津軽海峡線開業
1988年 7月 青函トンネル記念館オープン

青函トンネルを断面にしてみてみましょう!!
トンネルの長さ:53.85km
レールの長さ:52.57km
働いた人数:延べ1,370万人
火薬の量:2,860t(隅田川花火大会20,000発×数百回)
2015/08/22現在は、津軽海峡線は廃止されてしまい、「竜飛海底駅」「吉岡海底駅」は閉鎖されてしまいました!
そして、北海道新幹線開通の準備が進められています!

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見学できるのは「作業坑」という場所!
青函トンネルは、実際に鉄道が通る「本坑」以外に、工事を進めるにあたって「作業抗」「先進導坑」「連絡携抗」のトンネルも必要でした!
本坑:列車が通れる本トンネル。複線式、また将来新幹線が通れるように設計してあります。
先進導坑:本坑、作業抗の工事に先行して地質、湧水状況などの調査を行うパイロットトンネル。
また、施工技術を開発して、本坑、作業港に反映させることも大きな役割でした。
改行時は、排水、換気のために使用されています。
作業抗:本坑と平行に掘られ、約600mおきに連絡携坑を設けて、本坑工事を推進するための工事用通路の役割を果たしました。
開業時は、排水、換気及び坑内の保守用通路として使用されています。

 この青函トンネル。
冬の体感温度は-20℃にもなる過酷な場所で、掘削作業は3交代制で続けられました。
作業中の事故により、34名の殉職者がいたということも忘れてはいけない事実です!

さっきの車両には、作業員さんも一緒に乗っていました(笑)
これから仕事なのですね!
お疲れ様です。

作業坑には、なぜか水槽がありました(笑)

先ほど少し紹介しましたが、青函トンネルのレールは、乗り心地や省電力化の為、トンネルの全長にほぼ近い52.57km間をすべて溶接したスーパーロングレールとしました。

こちらは、トンネル掘削に使用された「さく岩機」。
この錆び具合が歴史を物語っていますね!!

周囲の岩には補強用として、セメントが注入されました!
一番左が注入用のセメント。
真ん中が、セメントが早く固まるようにセメントミルクに混ぜる薬品である水ガラス。
右が、水ガラスと注入用セメントを混ぜ合わせたもの。

度重なる、トンネル内の大出水!!

トンネル工事は本坑工事の前に、まず調査用のトンネルを掘ることから始めました。
斜坑工事の最中。1,223m地点で大きな断層にぶつかり、出水事故に見舞われました。
この事故の結果から本トンネルは計画より東側に移して、条件の悪い地層を避けることになりました。
また、1974年12月5日、竜飛作業抗の3,690m地点で出水事故が起き、毎分6トンもの湧水でトンネルが水没。
それで直進のルートを断念し、迂回することで工事が再開されたのはほぼ半年後でした。

青函トンネル工事においての最大の出水事故は1976年5月6日、吉岡作業抗4586mで発生しました!
毎分85トンで押し寄せる水をせき止めるために、全力を挙げて防水堤を作っても破られ、作業坑は3kmにわたって浸水。
あわや水没かと思われましたが、やむなく水を本トンネルに流し、必死の排水作業を行いました。

最大の難関!F10断層、強力な土圧!

北海道側、吉岡の海底には青函トンネル最大の難関である「F10断層」があります。
軟弱でしかも膨張性がある地質のため、掘るごとにトンネルに強い地圧がかかり、削岩機のロットがはさまってしまうのです。
このため、掘削作業を人力掘りに換えたり、圧力で折れ曲がった支えの鉄柱を立て直すなどの作業の繰り返しで、なんと1kmの掘削に5年もかかったんだそうです。
以上のような大工事を経て、無事に青函トンネル本坑の貫通に成功したのです。
24年もの年月をかけて厳しい環境の中工事は成功したわけですが、貫通した時の感動は計り知れないものだったんでしょうね!!

トンネル内にはこんなランプが一定間隔で付いてありました!!
緊急時に、点灯するんでしょうか?

作業抗の体験時には、記念館の係りの方が案内をしていただきながら、坑道内を進む形になります。

ここの壁が、体験場所の奥地ににあります。
この先には、実際に鉄道が通っていた本坑があります。
現在、本坑は北海道新幹線の開通準備をしていることもあり立ち入り禁止となっています。
 あの扉は、本坑での緊急時の際に開くそうです。
本坑で万が一の事態になった際、こちらの作業坑へ避難してきて、先ほど我々が乗ってきた車両に乗って地上へ避難をする流れになるようです!!

トンネル上部には、このように黒い管が2本、白い管が1本通っています!
黒い管は、排水用、白い管は海水を鱒の養殖用に使うためのものとなっています!!
そして、我々は先ほどの車両に乗り込み地上へと帰還いたしました!!

作業坑の後は、記念館に入ります!!

中はこんな感じ!!

写真の中にある大きな円は、実物大の青函トンネルの本坑。
今見てきた作業坑に比べたらかなりの大きさです。

館内では、作業坑で学んだことの復習や、色々な作業に使われた実物のものが展示されていました。
しかし、この博物館は今まで行った色々な所に比べ非常にインパクトの残る場所でした!!
場所は非常に遠い場所にありますが、一度は訪れた方がいい本当にオススメスポットです。

最後に、記念館の裏には慰霊碑が。
この慰霊碑は、青函トンネルの事故で亡くなった34名の殉職者を祀った碑です。
日本にある、青函トンネル、東海道新幹線、黒部ダムなどの様々なインフラは、先人たちの努力と、犠牲によって成り立っているのですね!
高度経済成長期に、日本が豊かな国になるために先人が努力してきたことを忘れないためにも、このようなことを忘れずにいることが大事なんだと思いました!!

参考文献

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詳細・地図

住所 青森県東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜99
営業時間 8:40~17:00
開館期間 4月25日~11月10日
12月1日~3月31日(※体験坑道は休止)
入館料 記念館入館料:大人400円、小人200円
体験坑道乗車券:大人1,000円、小人500円
特別セット料金(記念館入館料+体験坑道乗車券):大人1,300円、小人650円
駐車場 無料
電話番号 0174-38-2301
アクセス JR三厩駅前より外ヶ浜町循環バス龍飛行き乗車(所要時間27分)、青函トンネル記念館下車。
リンク http://seikan-tunnel-museum.jp/
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