50年以上続くスナックに突撃!

そして、いつものように街歩きをしたあとはスナックに入って聞き込み調査ですね!いつもはその周辺でより歴史が長いお店を探して入るんですが、どの店が古いのかがよくわからない。。
ところがどっこい、そう思って十五番街をウロウロしていたらバッタリ出会った古老に話しかけられ背景を伝えると「うちは今の場所で43年やってるよ!お店も結構古い感じの雰囲気でね」という言葉をいただき、早速そのお店に入っていくことにしました!

それが、上の写真の「スナック いくよ」というお店!

いざ、入店!
お~~~、いかにも昔の昭和な雰囲気ですな。賑やかだった時代はカウンターもソファーもお客さんが押し寄せたんだろうな~。
席に着く前にちょろっと昔話を教えてくれて、昔は東電とかNTTの方とか、駅前にあった会社の方々が押し寄せていたそうです。開店していた頃は朝まで営業していて、出勤する前にコーラとかを飲みに寄ってくるお客さんもいたんですって。
まぁ~いくら大らかな時代だったとはいえ、酒飲んだ後に出勤はまずいわな(笑)
今は朝まで営業してたってお客さんは来ないので、十五番街のお店で朝までやってる店はないとのこと。
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そして席に着くと、いつものように昔の住宅地図を見ていただきながら沼津の街の歴史を伺うことに!

マスター「あ~懐かしいね、昔のこの辺のお店全部知ってるよ!」
そう言って地図を食い入るように見つめていたマスターですが、「店内が暗い!」ということで店の奥から電気スタンドを持ち込んできました(笑)

そして「ちょっと字が小さくて見えずらいな~」ということで虫眼鏡を通しながら地図をじっと見つめるマスターww
じっくり地図を一通り見ていただいた後、このお店である「スナック いくよ」や十五番街の歴史について教えてくれました!
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このいくよというお店、今の場所では開店から43年経っているそうですが、もっと前は、今は無き京極街の飲み屋の建物(「旧:いくよ」の場祖)で営業をしていたとのこと。
上の地図では現在のいくよのお店の場所(「現:いくよ」と示している場所)に”桃”って文字が見えるかと思いますが、ここは桃山という流しさんのお店だったそうです。まだカラオケが普及していなかったころ、ここにいた流しさんが十五番街のいろんな飲み屋にギターを抱えてやって来たそうです。

そして十五番街全体はこんな感じですかね。
静岡県立図書館でコピーしてきた1968年の地図に色々つけ足したものです!
賑やかだった昭和の時代、この一画にあったお店はほとんどが飲み屋。そして十五番街の入り口には二箇所にゲートもあったようです。
今は一か所になっている京極街も、昔は三つほど飲み屋の建物が存在していたそうです。その三つとも、土地の所有者はお隣に書いてある山田木工場の方だとか。
ただ南側の二つは建物も古く、数年前にぶっ壊して駐車場になっています。

それがここですね。沼津駅からすぐの場所ということで立地的にはかなり良い場所だとは思うんですが、この辺は駐車場が多いですね~~。デベロッパーの方々とかが食いつきそうな場所な気はしますが。。
屋台が軒を連ねた昭和の沼津

十五番街について簡単に教えていただいたあとは、沼津駅周辺の思い出話についても!
マスター「沼津はね~、昔はあっちこっちに屋台があったの。この鈴木餡子屋の一画にはね、土地を貸して屋台がいっぱいあったの。花火の時なんかは賑やかだったな~。」
沼津駅の南側には、十五番街に限らず南側のいろんな場所に飲み屋や屋台があっただったそうです。

引用元『1968年 沼津明細地図』
マスター「そういえばね、ここは”一番街”って言われていて、飲み屋が多かったんだよ!」
そう言ってマスターが地図に印をつけてくれましたが、駅の南側には「×番街」と言われた場所が色んなところにあったそうです。今回取材している十五番街の”十五”って何だ??と思っていたんですが、この辺に点在していた「×番街」 のうちの一つだったんですかね~?

あと、沼津には昔遊郭があり、明治時代も芸者がいたそうですがそれは駅の南側の本町と言われる辺り。
沼津の辺りは上の地図のように旧東海道が通っていまして、青いエリアが本町ですね。宿場町の沼津宿もこの辺だったようなので、昔は町の中心がこっち側だったんですね。そんで北側に駅が出来たことで、徐々に町の中心が北に移って行ったって感じだと思われます。
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焼きそばを食べながら店内を探索

昔話はそのくらいでひと段落。
するとママが「何か食べる?焼きそばでも作ろうか?」と言って焼きそばを作ってくれました。とても家庭的な味で、もうほんと家でご飯食べているような感覚ww

ちなみに飲み物はコーラ(笑)
そもそも酒が激弱ってのもあるんですが、今日は車で来ているのでね。。
しかし、コーラに焼きそばってバーミヤンかよ(笑)

焼きそばを食いながらもちょっと店内の写真を撮らせていただくことに!
知の冒険を始めていろんな場所のスナックに行ってますが、こういう昭和な雰囲気って本当に落ち着きますわ!!

昔は会社の上司に連れられてくる若い人もいたようですが、今はそんな人いないっすからね。。こういう昔からのスナックって昔からの常連さんが来続けてくれるからお店を開けているような感じ。
それに、今の時代は老後不安社会なので平日の夜に飲みに行って金を使うという余裕のある人も減っているでしょうし。

このテーブル席なんかも、キャバクラのアフターで来たお客さんとかいたんじゃないっすか??

そしてお店の奥には超たくさんのカセットテープが!!
これ、ご主人がバスの運転手をしているということもあって、運転中に聞くためにコレクションしていたんですって!
前川清、森進一、藤あや子などなど、今の若い人にはほとんど馴染みない方々なんじゃないかな~。


私は32歳でギリギリ昭和に生まれた人間ですが、最近の曲よりは昭和歌謡曲が好きなので、ちあきなおみ、河島英五、青江三奈なんかは好きなアーティストだったりします。
青江三奈さんなんかは、『伊勢佐木町ブルース』『長崎ブルース』など街の唄を歌ってきているので、伊勢佐木町では今でも街の歴史を調べていると名前が挙がったりするくらいですからね~。

そして帰り際に、マスターから「せっかくだから何か歌って行ったら?サービスするよ!」ということなので、私のカラオケの十八番(おはこ)である河島英五『時代おくれ』を唄って帰りました。
さらに、ご主人から名刺をいただいてLINE交換までしちゃいました(笑)
「また近く寄ったら連絡してよ!」
最後にそう言っていただき、お店を後にすることに。本当にフレンドリーなお店だったぜ~!
親切なお母さんが営むスナック

もう一店舗、別日にお邪魔しました!
こちらも十五番街にある「翡翠」というスナック!

早速入ってみましょ~~!

店内はこんな感じ。
このお店はママが一人で切り盛りしていて、お客さんとしては警察の方が常連さんとして多く訪れるとのこと。
お母さんは十五番街で40年近くこのお店を続けていて、昔は30人くらい入る広さの場所で女の子も雇っていたそうです。ただそういう時代ではなくなってきたということで、10年前に今の場所に越してきたという。
今でも、ゴルフなどの団体さんが来るときだけ臨時で女の子を呼んでいるらしい。

お母さんが「何か食べる?」というので、チャーハンを作ってもらいました。先ほどの焼きそばにしろ、普通に家でご飯食べてる感じ(笑)

お母さんは三人の息子を育てるために、ずっとこのお店を続けて来たそうです。数十年前であればこういう飲み屋でもお客がたくさん入ったからこそ、三人の子供を育てきることが出来たそうです。
昔は役所関係の方なんかも多く、彼らはボーナスが入る半年ごとの支払い。ツケで成り立っていたんですね。
とはいえ、周辺のお店ともいざこざがあり、深夜にいつものように営業していたら近くのお店が「あのお店、0時を過ぎてるのに営業してますよ!」と警察に通報されたことも。
いわゆる、他のお店のやっかみってやつです。。
1時間30分くらいお邪魔したと思いますが、沼津の歴史というかお母さんの人生だとかそんな話でいつの間にか時間が経ってしまったという感じでした。。
おわりに

という感じで、沼津十五番街の調査は終了~!
んで、せっかくなので十五番街を取材した後に沼津駅周辺を散策したんですが、沼津って実は駅の北側の方がめちゃんこ飲み屋があるんですね。。
そんで「××小路」みたいな飲み屋街も、ちらほら見られて、この辺の歴史も気になってしまいましたよ( ;∀;)
ということで、そのうちここの歴史も調べてみたいもんですな!
以上、沼津十五番街でした~!!
参考文献
詳細・地図
住所 | 静岡県沼津市大手町1丁目2−7 |
---|---|
駐車場 | なし(近くにコインパーキング多数) |
アクセス | JR沼津駅から徒歩5分 |