こんちわっす!
日本中の知られざる場所を発掘して調査・取材するブログ『知の冒険』。
今回紹介するのは、山梨県甲府市にある『六曜館珈琲店』という喫茶店です。この喫茶店、山梨県の中でも隠れた人気の喫茶店の様で、骨董品が並び、そしていわゆる昭和レトロな雰囲気満載のお店なんですよね!
昼間はお母さんが一人で切り盛りしていてですね、今回はこのお店の歴史を聞くために開店直後に突撃してじっくり話を聞いてきたので、その辺を以下で紹介しようと思います(*´▽`*)
見出し
ツタだらけで異様すぎる外観・・
いや~山梨県は結構な数のスポットをこのブログで紹介してきましたが、探すとまだまだあるんですよね。まぁあとは私が神奈川県に住んでるので、山梨県は来やすいってのがあるんですけどね!!
山梨県の中心部と言えば甲府市なわけですが、甲府駅から歩いてすぐの場所には、昭和レトロな雰囲気のお店が好きな方であれば訪れて損はないお店がありましてですね、、、
その建物がコレ!!
凄くないっすかwwポケモンのモンジャラみたい(笑)
もうツタに覆われまくっていて、存在感というか違和感半端ない建物になってますが、この建物にその喫茶店があるんですよね。見てもわかるように建物の大部分は「萬集閣」という旅館なんですが、上の写真の建物の左側に喫茶店が併設されているというわけです。
なんか建物というか、ジブリに出て来るような巨大生物に見えるのは私だけ・・?
ココが入り口ネ!
中の様子が見えないので、スナックみたいに扉を開けるのにちょびっと勇気いりますが、ここは長年のうちにたくさんのスナックを訪問した経験を生かして、突撃やーーーー!!!
店内はこんな感じで、カウンター四席にテーブルが四つ。こじんまりとした広さではありますが、店内にはランプやステンドグラスなどがあることでレトロな雰囲気を醸し出しております。
ここは9:00開店で、開店直後に突撃したということもありお客さんは誰もいませんでした。というか、取材するためにあえてそうした時間帯を狙ったんですけどね(;・∀・)
んで、ここは喫茶店ということもありコーヒーやパフェがるわけですが、せっかくの山梨県ということで「信玄公パフェ」を注文。
ちなみに、今回私がこのお店を訪問するのは二回目。半年くらい前に一度訪問したことはあったんですが、その時は土曜日のお昼ということもありお客さんが結構いてお母さんに話を聞くことが出来なかったんですよね。。
その時は、上の写真の一語パフェを食いちらかしましたわい!
今回は、そのリベンジということで朝っぱらに訪問したというわけです!
骨董好きのご主人が作ったレトロ空間
ということで、パフェを食いながらお母さんにお店のことをいろいろ聞いたわけですが、まずは店内の雰囲気から紹介することにしますか!
まず、お店の中でもやたらと目立つのがこちらの灯り。色もカラフルだし、デザインが昔の洋風な雰囲気を醸し出していて、見てるだけで楽しいっすわ!
壁側にはこうしたランプも展示されているんですが、お店にあるこうした骨董品は、お母さんの旦那さんであるご主人さんが集めたもの。
お爺さんとお父さんが骨董市をやっていたことを見たことから骨董に興味を持ったそうで、現在ご主人さんはこの喫茶店にはおらず、ここからちょっとだけ離れた場所で骨董屋さんをやってるそうです。
そっちのお店に行くと、こうした骨董品がうじゃうじゃあるんでしょうか??
あと、カウンターにはこ~んなタイルが埋め込まれているんですが、これはご主人さんが東京にまで買いに行ったほどのお気に入りぶりとのこと。
お母さんも、「このタイル綺麗でしょ!」と言ってました(*´▽`*)
うん、確かに良い感じ!!
あと、壁側には大きなステンドグラスが二つありまして、、、
この犬に抱き着く少年?のものと、、
すんげぇカラフルな川沿いに立つ家をモチーフにしたものがありました。
あとは古い電話もありましてですね、これは甲府と北海道の旭川で試験的に使われていたというダイヤル式の電話。「甲型ダイヤル電話機」というらしい。
さらには、今でも古い中華料理屋やスナックなどで見かけるピンク色の公衆電話もありましたわ。
同じ山梨県で言えば、前回の記事でもある北杜市にある「ドライブイン やまびこ」にもありました!
「ドライブイン やまびこ」は、前回記事で取り上げたので、よかったらこちらの記事も読んでみて下さいネ~~(*´▽`*)
あとはこうしたアンティーク調の時計もあったりね。
あと、レトロじゃないっすけど片岡鶴太郎の絵もありました。
片岡鶴太郎って最近テレビやメディアで全く見なくなりましたよね。草津温泉に彼の美術館あって一回くらい行ってみようと思いつつも一回も行けてないんだよな~とか思ったり(*´▽`*)
入り口にあるマッチが萌えポイント
あと、ここはどうしても見てほしいというのがマッチですね!
入って右側にこんなガラスケースがあるんですけども、めっちゃたくさんのマッチ、あとはいくつかの昔のパンフレットが並べられているんですよ。これもご主人さんが集めたものみたいなんですけど、見るだけでも本当に面白いんですわ!
ここに並んでいるのは、山梨県周辺にあったいろんなお店のマッチとのこと。
旅館「萬集閣」のマッチもありますね!
そして、この六曜館で昔用意していたマッチもこうして展示してあったんですが、デザインメッチャ良くないっすか!
こういうのって、当たり前にあるその時は何の価値もないと思っていても、時代が経って希少価値が出てくると「あの時捨てずに集めときゃヨカッタ~」ってなるもんですよね。
常連さんがいなくなり閉店の危機にも
という感じで館内の様子を一通り紹介したわけですが、続いてはお店の歴史について!
昔ながらの雰囲気ということで、長く営業を続いてるように思うわけですが、このお店が営業を始めたのは今から50年ほど前のこと。もっというと、同じ建物でもある旅館はさらに古くからあるんだそうです。
この建物はお母さんとご主人夫婦のもので旅館も喫茶店もオーナーになるわけですが、以前は少し離れた場所でもう一つ旅館をやっていたそうです。
もともとはご主人のお父さんがトラック業、旅館業、映画館の運営などをマルチに行っていたそうで、映画館では、松島トモ子とか小鳩くるみが来て催し物をしたこともあったとかとか。
そんな昔話をお母さんから聞いていたら、常連さんが来店。ナスやラディッシュ、柿をお母さんに差し入れしに来たようです。東京ではあまり見られない、地方ならでわの光景ですね!
しかもその常連さんはサラリーマンを定年で辞めた後、やることがないからと小さい畑で野菜やなどを育てているそうなんですが、なんとこのお店に48年間も通う筋金入りの常連さんとのこと。
少し常連さんと会話した後は、甲府にまつわる歴史も少し話したりしました。
「甲府は空襲で焼けて岡島デパートと松菱百貨店が残った」「昔からの人と空襲の後に建てた人がいたんだけど、今は居酒屋がたくさん入るようになって、昔からの人は皆出て行っちゃったのよね。昔の方が色々楽しかったわよ。」とかそんなことをお母さんは語ってくれました。
あとは、山梨独特の無尽の話とかとか。
お母さん:「無尽はね、最初は南アルプス市にある何とかっていう神社があってね、お金がない人がそこに借りに行ったの。その神社に行くと、いつも神社で貸してくれるのね。それが借りるんだったら、みんなで出し合って順番に受け取っていこうっていう文化になったみたいよ。
甲府ではね、飲み会もそうだし、お昼に月一回で集まる食事会なんかも、皆で出し合って順番に全部のお金を受け取る無尽のシステムだったりね。」
ググってみると、南アルプス市にある「穂見神社」という神社がそれに当てはまるようですが、もっと深く調べてみると面白そうな発見がありそうですわ!!
そんな雑談をしてはいたものの、この喫茶店も一時は閉めるか否かを検討した時期があったそうです。
このお店は、当初からお母さんがお店に立っていたわけではなく、別の方がお店に立って切り盛りしていたそうです(ご主人さんとお母さんがオーナーで、別の方が雇われてお店に立っていたという背景ね!) 。ただ、その方が自分のお店を開きたいということで辞めることに。。
その方が六曜館珈琲店の近くにお店を出すとなると、今まで来ていた常連さんもその新しいお店に行っちゃうから、六曜館は常連がいなくなって営業は厳しくなる。。とはいえ、ご主人さんはせっかく自分が好きで続けてきたお店だから閉めるのは反対。それで、お母さんがお店に立つことになったものの、コーヒーだけだと厳しそうだからということでランチも始めたそうです。
なるほど、、そんな背景があったんですね。そもそも50年もお店を続けてるって本当にすごいことです。今こうしてお店に行ってお母さんと話せているのも、そうした危機を乗り越えたからなわけですな。
幻の餃子を再現しているぞ!
お店の歴史を簡単に紹介したわけですが、最後に伺ったのがお店で出している餃子の件!!
「喫茶店=餃子」ってどうも結び付きにくいわけですけども、ここは餃子も人気のメニューなんですよね。
私:「どうして喫茶店で餃子を出してるんですか?」
お母さん:「餃子はね、昔甲府に『スマロ』っていう凄くおいしい餃子屋さんがあったのね。なんだけど、二代目の方が早くに亡くなっちゃったの」。台湾だとかどこかから引き揚げてきた方みたいなんだけど。」
私:「そんな店があったんですね!」
お母さん:「お店がなくなったあとにね、『あの時、あの餃子美味しかったね~』って話になってね。そして探してみたら九州の方に『スマロ』って店があるもんだから、私の娘とか何人かでそのお店に行ったの。
でもレシピがないということで、自分たちで作っては試食を繰り返して完成させたのよ。」
私:「そんな物語があったんですか!!」
お母さん:「そうなの。その『スマロ』に卸してた肉屋さんとかが食べても、最初は全然違うって言われてね。 結構試行錯誤したのよ」
そんな中、新型コロナウイルス騒ぎになってお店もお客さんの来店数が激減。。そこで急遽餃子のテイクアウトを始めたら注文が殺到して兆しが見えたそうです。
外にこうした張り紙がありましたが、これにはそうした背景があったんですね!
ちなみに、餃子は17:30から。今回は朝の訪問で餃子は食べれなかったので、次回は夜に訪問して食ってみたいっすわ!!
あの、秋元康が作詞しに来た!
そんな六曜館珈琲店には、多くの有名人がやってきたそうです。
お母さん:「つい最近は、このあいだ亡くなっちゃったけど人間国宝にもなった柳家小三治さんが来たね。一緒に写真を撮ったりもしたの。あとは谷村新司。南アルプス市でコンサートをやったか何かでこっちの方に来てね、コンサートの最中に『六曜館珈琲店ってお店に行きまして』なんて言ってたみたいよ。」
さらには、レミオロメンの藤巻さん、あとは路線旅っていう番組でも、田中要次さんっていう俳優さんと羽田圭介さん、AKBの女の子が来て撮影したこともあったとか。
ただ、その中でも一番びっくりしたのが、おニャン子倶楽部やAKBをプロデュースした秋元康が来店したという話!
お母さん:「秋元康はね、林真理子と何かイベントがあってコッチの方に来たみたいなんだけど、日曜日だったから休みの日だったのよ。だけど『ちょっとここのお店を貸してくれませんかね、どうしてもこの静かな空間で作詞をしたくて』って言われて開けたのよ。」
秋元さんは、お店の隅にあるこの席で作詞をし続けていたそうです。
作詞とかそういったクリエイティブな仕事をするには、どういう場所で作業するかってのは大事なんでしょうね。まぁクリエイティブな仕事に限らないとは思いますけどね。
おわりに
そんなこんなで、結局二時間くらいお母さんと話したでしょうか。
お店のことだけじゃなく、甲府の歴史だったり、後は私の身の上話的な雑談にまで話が発展して妙に長くなってしまったんですけどね(;・∀・)
ここは日曜日が定休日。土曜日は結構お客さんも多く忙しいとのことですので、平日に来れればゆっくりしたりお母さんと雑談をしたりも出来る可能性が高いです。
昭和レトロとかそういう空間が好きで、そういう写真をインスタに載せたいとかそういった方々にはうってつけの場所じゃないっすかね!
では今回はこの辺で~~!
参考文献
詳細・地図
住所 | 山梨県甲府市丸の内2丁目15−15 |
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営業時間 | 09:00〜22:00 |
定休日 | 毎週日曜日 |
駐車場 | なし |
電話番号 | 055-222-6404 |
アクセス | JR甲府駅から徒歩5分 |