皆さんは、「岳南電車」という鉄道をご存知でしょうか?
自分は普段は知の冒険を行っていて、日本全国の色々なことを調べているわけですが、この鉄道に関しては、知り合いとの雑談の際に教えてもらった鉄道です。
静岡県の富士市を走るマイナーな鉄道ではありますが、この路線は夜景で廃線の危機を脱したなどの様々な物語が秘められているのです!
今回の記事は、この岳南電車に関しての様々な事をぶちまけたいと思います!
本記事のポイント
・岳南電車は静岡県の富士市周辺を走るローカル線
・日本夜景遺産にも認定され、夜景列車など様々なイベントを行っている
・元々は石炭などの物資を輸送するところから始まった歴史がある
見出し
岳南電車はどんな鉄道?
まずは、「岳南電車ってどんな鉄道なんすか?」と思う人がほとんどだと思うので、簡単な説明から入っていくことにしましょう!
岳南電車はどこを走る?
岳南電車は、「静岡県富士市」を走ります!富士山の南側であり、静岡県でいうと伊豆半島の西側(沼津市の西側)になりますね!
吉原駅から出発したとすると、一瞬西側へ移動した後、方向転換して東側に向かって走るという結構へんてこりんな路線の形をしていますな!
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岳南電車の大まかな説明
▲岳南電車の路線図
駅は全部で10駅で距離は9.2km。全駅の所要時間は、約20分間という鉄道の中ではかなり短い路線になりますな!列車は日中では30分に1本という間隔で走り、その車両は基本1両編成。基本的には、富士市にある工場地帯を走る感じになります。
しかし、現状は非常に厳しい状態なのです。昭和60年代から赤字が続く状態で、平成24年から公的支援を受けることになったという。
全ての駅から富士山が見える
そんな岳南電車の特徴としては、静岡県のシンボルである富士山がすべての駅から見えるという!とは言っても、全貌が見えるというわけではなく特定の箇所から富士山がなんとか見えるという感じの駅もあります!
▲全駅に描かれている「富士山ビュースポット」
そんなことから、すべての駅にはこのような「富士山ビュースポット」と言われる印が書かれています。富士山の絵はおおまかで、靴の絵がやけにリアルなのがツボ( ^ω^ )
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鉄道本体では日本初の日本夜景遺産に!
この路線はそこまで光量はないものの、昔懐かしい車窓からの夜景が楽しめるということで日本夜景遺産に認定されました。
▲吉原駅の待合室にある「日本夜景遺産認定書」
吉原駅の待合室には、日本夜景遺産に認定証が展示してあります。岳南鉄道では現在でも多くのイベントを行っておりますが、夜景に関しては「鉄道夜景電車」「工場夜景電車」というイベントを行っているそうな。
岳南電車がそのように多くのイベントを行えるのは、地元の協力があるからなんだそうな。一時は貨物列車が廃止され、旅客輸送のみとなり廃線の危機もあった岳南鉄道ですが、夜景をいかしたイベントだけでなく、「ワイン列車」「スイーツ列車」等のイベントを行う列車となっているようです!
というのも、「全ての駅から富士山が見える」という謳い文句があるなど観光資源にもいかせるということを地元の方も気づいたからということが根底にあるようです。
夜景列車に乗ってきた!
今回の記事を書くにあたって、実際に岳南電車に乗ってきましたぜ!ただ、乗ると言っても今回乗ってきたのは「夜景列車」という特別仕様の列車なのです!ちなみに、私が乗ったのは9月24日運航日の列車です。
ということで、その夜景列車の全貌を以下で紹介していきまっせ!
風情あるレトロな空間
出発は吉原駅。この吉原駅は「東海道線」と「岳南電車」が通る駅であります。東海道線の駅はすぐわかるのに、岳南電車の吉原駅は探すのにやたら時間かかりました。。
▲岳南鉄道の始発駅である「吉原駅」
こちらが、岳南鉄道の端っこに位置する吉原駅。人気がまるでないこの感覚は、どこの地方の駅でも感じる感覚です。都心の駅であればデジタルサイネージなどの液晶パネルがありまくりな状態となっていますが、そんな時代が進んでいる様子もなく、テクノロジーの進化だとか言われているご時世であっても、こういう駅に来ると時が止まった感覚がするんですね。。
駅には、待合室がありました。電車は基本30分間隔ということで、立ちっぱだと辛いってことなんですかね!
中は、このように様々なものが貼られまくっていました。
また、駅にはサインも!飲食店ならまだしも、駅にサイン色紙があるのは珍しい。
▲券売機はなく、駅員さんから直接買うスタイル
ほんで、切符を買うわけですが岳南鉄道には自動券売機がないようです。そのため駅員さんから直接買うというスタイル。買うときは気づかなかったが、今どき駅員さんから普通乗車券の切符を買う経験はなかなか無いですよね!
▲今現在では結構珍しい「硬券」の切符
岳南鉄道の切符は厚紙の昔風?の切符。後で調べたら、これは硬券(こうけん)という切符なんだそうです!自動改札機に通すのではなく、駅員さんが 改札鋏(かいさつきょう)でパチンと切ってくれるのですよ!昔おもちゃか何かでこんな切符を持っていたことがありますが、リアルな乗車券では初めてかもしれん!
岳南鉄道はグッズも豊富だ!ボールペンや手ぬぐい。極めつけはトイレットペーパーだ!!トイレットペーパーは鉄道のグッズとしては謎ですが、どんな経緯で生まれたんだ??
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夜景列車出発!!
▲今回乗車した夜景列車の車両
吉原駅に列車が到着しました。2両編成であり、先頭車両はそのままになりますが後方車両は照明が消されて夜景列車仕様の車両となります。車両はレトロ感満載で地方でしか走っていないような感じ(⌒-⌒)
運賃箱がありました!どうやら今は使われていないようですが、かつて使われていたものがそのまま残っている感じなのでしょうか。と思っていたら、これ現在も普通に使っているようです( ;∀;)
後方の車両にはこんなカラーコーンが!かなりアナログな作りでペーパーはコンピュータで作り、それをカラーコーンに貼り付けたというもの。
本日は土曜の夜。乗客は家に帰る人なのがメインと思われますが、やはり閑散としている。地元民にとってこの夜景列車というのはどんな印象なのでしょうかね?
と思っていたのですが、残念ながら関心を示すという感じではなさそうでした(⌒-⌒; )
そして照明OFF!後方車両が夜景列車に変貌を遂げた!
電車がライトを消しながら走るというのは、そうそう体験できる話ではない!照明がOFFのまま、乗客は車窓の夜景に目を凝らしつつ、ついに夜景列車が出発した。
▲照明を消しながら走るというなかなか珍しい光景
そしてこの列車はただ照明OFF状態で走るわけではないのです。関係者の方がマイクで解説をしてくれながら進むのです。夜景列車というイベントではあるものの、席に空席ができている状態でお客さんはまばらという感じでした。
走行中には、添乗員さんがアンケート用紙を配ることも!今後岳南鉄道のイベントを企画するにあたり参考にするためであろう。
ということで、私も僭越ながらアンケートを書かせていただきました!
全部で10人もいないアットホームな空間。。と思いきや、お互い会話をすることもなく静まり返った車内。なんとも不思議な空間だ。。
工場夜景を駆け抜ける!
列車はひたすら工場夜景を駆け抜けていく。速度は一般の電車に比べると結構遅い速度で、時速でいうと40km/hくらいではないかと感じました。
▲夜景遺産に認定されているが、光量はまばら
日本夜景遺産に認定されたとは言っても、広大な夜景が見れるというわけではないのが岳南電車の夜景です!ここの夜景は、光量が少ないながらもレトロな工場夜景がポツポツ観れるというもの。ただ光量が多く明るいだけが夜景ではないということなんでしょうな!
窓の外側からの夜景。完全に街から外れた田舎町という雰囲気。街灯が少ない街の中を、2両編成の地方路線が走る様は風情感じる雰囲気でした!
とはいえ、今回は写真だけでなく動画も撮ったのでこっちを見ていただくとより夜景列車の雰囲気がわかるのではないかと思います(^ ^)
終点に到着し、ひと休憩
終点の岳南江尾(がくなんえのお)駅に着き、折り返しの前にしばしの休憩。駅の周辺は非常に閑散としており、静寂な空気の中神々しく光る駅が何とも言えない雰囲気に。これが、この列車が日本夜景遺産に登録された由縁でしょうか。
▲折り返し待ちの間に解説をしてくれた
今回の夜景列車に乗ったメンバーは10人に満たない人数であったこともあり、かなりアットホームなイベントとなりました。列車が折り返し運転をするまでの間、関係者の方から様々なことを解説していただきました。
駅には黒板が。本来は駅長からの連絡事項を伝える目的なのだろうか?
▲旧漢字が使われている珍しい駅
岳南電車の方から教えていただいた一つがこれ、折り返し駅の「岳南江尾駅」の駅舎に使われている漢字に注目していただきたい!「江」と「駅」の漢字には旧漢字が使われているというんですね!旧漢字が使われている駅は非常に珍しいんですって!
ちなみに、解説していただいたときは夜でこれらの漢字を写真に収めることができなかったため翌日の昼に撮りに来たというのはここだけの話!
電車でまさかのじゃんけん大会
▲岳南電車のグッズをめぐったジャンケン大会
電車が折り返し、ここからスタート地点の吉原駅に戻るのですが、なんとその際には電車の中でジャンケン大会が行われることに!勝ち残った1名の方には、岳南鉄道のオリジナル商品が当たるとのこと!
最後は2名に絞られ直接対決に!最後は奥の方が見事勝ち残り商品をゲットいたしました。ちなみに、私は初戦では痛いという残念な結果でした。。相変わらず、運がない・・。
そしてスタート地点であった吉原駅に到着。短い時間ではありましたが普段電車に乗るだけでは体験できない経験ができたこともあり、皆さん大満足だったようでした。
イベントだった割に人数が少数であったためまだまだ世に伝わりきっていないというのが率直な感想ですが、もっと多くの方にこの夜景列車の存在が伝わればな〜と思い吉原駅を後にしたのでした。
続きはこちら!岳南電車に秘められた歴史を紐解きます!
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