こんにちわ!
今回は静岡県伊東市にある「伊東東郷記念館」という、なかなかにマニアックなスポットを紹介します。”東郷”と名がついているように、ここは東郷平八郎に関するスポットなんですが、ただのスポットではなくて彼が実際に使っていた元別荘になります。
しかも、建物は当時のままですし、東郷元帥直筆の扁額など本物の展示が多く残されているケッコー貴重な施設なんですよ(´▽`*)
ということで、記念館がどんな場所なのか。
以下で紹介しますね~~
見出し
小さな路地にひっそり佇む元別荘
ということで、今回紹介するスポットは静岡県の伊東市にあるわけですが、知の冒険を始めて伊東へは4回くらいは足を運んでいるとは思います!!
昭和レトロ好きにはおなじみのハトヤホテルにも以前泊まりに行ったり、、
元旅館で、今は博物館として館内を堪能することが出来る東海館にも訪問しました。
そうしたレトロなスポット、あとは猪戸(ししど)というエリアは歓楽街でレトロな街並みを見ることが出来たりと、私にとってはめっちゃ堪能できる町なんですよね!!
そうした中心地から少し奥に入った路地は”東郷小路”と呼ばれ、その一角には日露戦争で日本を勝利へと導いた、東郷平八郎の別荘だった建物がひっそりと佇んでます。
ココが今回のターゲッツなんですが、JR伊東駅やメインの観光エリアから少し離れていることや開館が日曜日のみということもあってか、お客さんはまばら。。
でも、混んでてゴミゴミしてるよりこうした落ち着いた場所の方がゆっくり館内を鑑賞できるので、少ない方が私は嬉すぃー。
ここは1929(昭和4)年、夫人の療養と老後の静養のために建築された木造平屋の住宅。
東郷平八郎は昭和8年まで使用し、その後は海軍の休養施設になっています。元々は明治45年にここの土地を購入してはいたものの、いろいろ忙しくてすぐに建てられなかったみたいです。
戦後はブリジストンの石橋財団が維持保全し、社員の保養施設に。そのときは、東郷平八郎一家に仕えた田辺富さんの長女が管理人を務めていたそうです。
館内に入るや否や、早速東郷さんがお出むかえ。
90年間、時が止まったままの記念館
そしてここはスタッフの方が常駐していて、館内を案内していただきながら東郷平八郎やこの建物の歴史について親切丁寧に解説してくれます♪
私が訪問した時も、40分近く色々話を聞かせていただき大満足でしたー(´▽`*)
そんな東郷記念館は、畳や机などほとんどが竣工当時のままのものが残されています。東郷さんはこの畳の上を歩き、今ある机も東郷さんが使ったものってことですね。
館内は90年以上も前の建物とは感じないほど綺麗に維持されていますが、それは、あとでも出てきますがブリジストン創業者である石橋正二郎氏のおかげでもあるんですよ♪
この別荘は、東郷さんが80歳の時に建てたもので、亡くなるまでの5年間の間にちょくちょくここに足を運んだそうですが、ここは外も静かですし、温暖で温泉も湧く場所ということもあって別荘にはベストな場所ですな~~。
では、ここで館内の様子や展示物をいろいろ紹介したいと思います♪
まずこちらは、東郷家に代々伝わっている本物の兜。
東郷家は五人兄弟(東郷平八郎は四男)だったんですが、三男は西南戦争、五男は戊辰戦争が原因で亡くなり、生き残ったのが東郷元帥のみだったことから、彼にこの兜が託されたそうです。
こちらの22もの戦艦模型は、千葉県旭市に住んでいた模型師・宮内晴美さんの作品。
全て日露戦争時の連合艦隊の模型なんですが、宮内さんは3.11、東日本大震災で津波によって亡くなってしまったそうです。地震後は二階に避難したものの、免許証を一階に忘れたとのことで一階に下りたときに津波の被害に遭ったそうです。。
ただ、これらの模型は奇跡的に流されることなく残り、奥さんによって渋谷区にある東郷神社に奉納されたもの。ただ、東郷神社に置いておくよりもしかるべき場所で皆に見てもらった方がいいということで、この記念館に展示されているそうです。
こちらは東郷平八郎が乗船した戦艦「三笠」の模型で、艦上に掲げられた大将旗などの細部にわたってリアルに再現されてますね!
いまでも、ときどき奥さんがメンテナンスのため訪れるそうですヨ。
東郷元帥の肉声がこだまする廊下
廊下には、東郷さんの等身大パネルがあります。
そのパネルの上には、明治38年に連合艦隊の解散式で話された文章が記されています。
これは同じ海軍軍人である秋山真之(あきやま・さねゆき)とともに考えたもの。文章長くて読むのしんどいと思うので内容をざっとまとめると、、
「本日で連合艦隊は解散するものの、また何かあったときにすぐ出陣できる準備をしておくように」
とのことです。
この文章の最後にも「勝って兜の緒を締めよ」と書いてありますもんね!
そして、パネルの足元には再生機が置いてまして、東郷さんの肉声を聞くことが出来ます!!
これは、昭和8年、家で具合が悪くて寝ているときにコロムビアレコードの方が来て、この文章を読み上げてほしいということで録音した音声。声を聞くと、かわいいお爺ちゃんみたいでした!
ブリジストンと東郷平八郎
奥にあるこちらの部屋は昭和7年に増築しており、ここで東郷さんは友達が来ると趣味の囲碁を楽しんだりしていました。しかしこの部屋も、90年前のままとは思えないほど綺麗ですよね。
そもそも、この東郷記念館は風呂場をのぞいてほぼ竣工当時のまま維持されていますが、それはブリジストンを創業した石橋正二郎さんのおかげでした。
石橋正二郎は東郷平八郎を大変尊敬しており、自分の子供をここに連れてきては、東郷さんに人生の生き方を話していただいたなどの親交があったそうです。それゆえ、東郷が亡くなったあと、「私がこの別荘を買い取ります」と申し出たんですね!
そして東郷さんのことを尊敬していただけに、「その代わり、釘一本、東郷さんがいたときのままの状態で残したい!」と言ったんですね。
こうした建物は維持管理のために費用もかかりますし、そうした問題で取り壊れるケースが大半。
この松川の周辺は温泉も出ることから、若槻礼次郎元首相の別荘などたくさんの別荘があったそうですが、今残ってるのは東郷さんの別荘だけ。石橋さんがたまたまここを買い取って、それを東郷神社が継いでくれているからこそ奇跡的に昔のままの状態で残ってるんですね(´▽`*)
そしてこの部屋にある囲碁セットはただの囲碁ではなく、五・一五事件で亡くなった元首相・犬養毅から送られた本物。東郷さんはこの囲碁を使って遊んでいたそうで、それがそのまま置かれてるのにビックらこきましたよ。
それだけ貴重なものだと、誰か盗むやつがいるんじゃないかと思ってしまいましたが、スタッフの方曰く「数が少なくなってるんですよね。。」とのことでした( ;∀;)
マジで、盗むのやめてあげて。。
館内には、上の写真の様な東郷元帥直筆(本物)の書も残されています。こちらは儒教の教書から引用した言葉なんですが、漢字だけでどういう意味かわかんなかった。。
こちらは、キッチン。
肉じゃがは舞鶴と呉が発祥説を奪い合ってるみたいですが、どっちが本当なんスかね?
タイル張りの浴槽に温泉が湧く
館内を一周して、最後に見たのが風呂場。
先ほどから館内は竣工時のままという話をしていますが、風呂場だけは狩野川台風でぶっ壊れてしまったことから改修を加えています♨
風呂場はこんな感じで、まさに昔の風呂場って感じ。
湯船はタイル張りとなっていて、浴槽は空っぽの状態にはなってるんですが温泉は今も引かれていて脱衣所にあるスイッチを押すと温泉を流すことが出来るんすよ♨
ほらね♨♨
ちゃんと温泉分析票も掲示されてましてですね、ここで湧く松川温泉は「ナトリウム-塩化物泉」だそうです。せっかく温泉がまだ出ることですし、温泉に浸かりたかったわ( ;∀;)
ちなみに東郷さん、ここに別荘をもつ前は、同じ伊東の猪戸(ここから近くにある飲み屋が多いエリア)にあった東京館(今のラフォーレ伊東の前身)という温泉施設の温泉がお気に入りだったそうです。
ラフォーレ伊東に今もある温泉大浴場「健身湯」は、東郷が大変お気に入りだった温泉であり、”健身湯”という名称は東郷によって名付けられました♨
ここは宿泊だけでなく日帰り温泉も出来るので、気になった方はぜひ足を運んでみて下さいね♪
というわたしも、ここは行けてないので入りに行きたいんですよね。。( ;∀;)
おわりに
はい、以上になります!
東郷平八郎に関する施設としては、横須賀にある戦艦三笠、あとは舞鶴にもがあったりするんですが、ここはなかなかにマニアックな場所だとは思います。でも、人が少ない分凄く落ち着いた雰囲気ですし、スタッフの方も凄くフレンドリーですのでいい休日を過ごすにはピッタリの場所だと思いますよ!
あと、博物館マニアである私としては伊東出身の医師であり小説家でもある木下杢太郎の記念館も紹介したく、ココも訪問済みですのでどこかのタイミングで記事にしたいと思います。
ではでは、また次の記事でお会いしましょ~~
参考文献
詳細・地図
住所 | 静岡県伊東市渚町3−8 |
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入館料 | 200円 ※中学生以下は無料 |
開館時間 | 10:00~16:00(4月~9月) 10:00~15:00(10月~3月) |
開館日 | 日曜日のみ |
駐車場 | 無料 |
電話番号 | 0557-37-3550 |
アクセス | JR伊東駅から徒歩15分ほど |
リンク | http://ito-guide.on.arena.ne.jp/tougoukaikan.html |