こんにちわ!
今回紹介するのは、沖縄県にある中村家住宅という場所です。沖縄県のスポットは知の冒険では1ヶ所しか紹介しておらず、めちゃくちゃ手薄となってるんですよね。。
んで、中村家住宅というのは沖縄の伝統的な様式が詰まった貴重な建物。一体どんな建物で、どんな特徴なあるのか、以下で紹介しますね~~(*´▽`*)
よそでは見られない特徴だらけの建物!
沖縄県にある博物館的な施設というと、太平洋戦争の沖縄戦に関する場所が多かったりするんですが、今回紹介するのは18世紀中ごろ、つまり200年以上も前に建てられたとされている歴史的な建物に関するスポットっす!
場所はココ。那覇空港からレンタカーをかっ飛ばして40分ほどの北中城村という場所にあるんですが、あまり聞きなれない地名ですわ。
沖縄は人生で4回くらいしか行ったことないこともあり、知らない場所が多くてまだまだ開拓しなくちゃいけないっすね。。

レンタカーをかっ飛ばして中村家住宅に到着。
まずは受付を済ますわけですが、その受付の建物も見応えある建物でした。ここは中村家住宅の正面にたまたまあった建物で、確かここも元々は民家だった的な話を受付の方がしてくれた気がしますが、詳細は忘れてしまいました。。( ;∀;)

そして、こちらが今回紹介する中村家住宅!!
この外観を見ただけでも、まさに本州などにはない沖縄ならではの建物だとわかるかと思います(´▽`*)
外壁のいかつい石垣によって敷地が囲まれており、直進すると”ヒンプ”と呼ばれる目隠しのためのもう一つの壁があって直進だけでは建物にたどりつけず、曲がりながら入らないといけない造りになっています。
これは、沖縄の魔物は角を曲がるのが苦手であり、直進似て入ってこないようにする魔よけの意味があるんですって!
というように、この建物には今ではほぼ見ることが出来ない沖縄の伝統的な様式がたくさん詰まった住宅なんですよ!!

まだ建物には入らず、外の説明が続きます。。(´▽`*)
住宅は石垣や土盛りで敷地は囲まれ、その上に防風林が植えられています。沖縄には夏頃になるとウザイくらい台風が上陸するので、沖縄で家を建てるとなると”いかにして台風から家を守るか”という点が大事であり、そうした作りを先人から引き継いでいるわけです。

その防風林として一躍買っていたのが”フクギ”という木!
フクギ(福木)は外来種の10~20mの高木で葉が厚く、並べて植栽すると緑の壁のようになります。それゆえ、沖縄では防風林・防潮林の役割を果たすそうです。
現代の住宅は木造ではなくコンクリート製のものも多く、家単体の耐久性や設備が整っていますよね。なので、外壁とか防風林とかそういったものを活用する必要がないため、こうした伝統的な造りは失われつつありますが、先人たちが暮らしを維持するためにどのような工夫をしているのか。
そうした先人たちの知恵が、この建物に詰まっているわけですな~~。

んで、外壁の中に入るとまた外壁が現れます。これは外から屋敷の中を見通せなくするための”ヒンプン”という目隠し塀。中国の塀風門(ピンフォンメン)からきている様で、”悪鬼の進入を防ぐ門”に由来します。

外壁の石垣、その内側にあるヒンプンの中に入ると、琉球石灰岩が敷き詰められた中庭、そして沖縄特有の瓦屋根の木造住宅が現れます。
しかし、写真を見てわかりますかね?私が訪問したときは雨が降りまくり状態だったんですが、傘さしながら撮影するのマジでしんどかったです( ;∀;)

そんな家本体の周囲を見渡すと、屋根の庇(ひさし)が大きく出ているのがわかります。写真でも伝わりますでしょうか?
これは、沖縄は気温が高いため日射しから日陰を作るための工夫で、雨端(あまはじ)と呼ばれています。

そんな雨端は、耐湿性がありシロアリに強いチャーギ(イヌマキ)という木の柱によって支えられています。
では、ここからようやく館内へ!!
木の造りを存分に堪能できる館内

中はこんな感じになってます。木と畳で構成された、本当に癒される空間ですよね!
んで、中村家住宅の建物の配置が大きな特徴で、風水によって東西南北の配置を校正しています。
例えば、風水的には南東が一番いい場所であり、反対側の北西が最も嫌われていることから、南東には客間であるアシャギ(離れ)があり、北西にはフール(豚小屋&便所)があるみたいな。

そして、二番座の部屋には神棚も見られます!
色合いとか、ちょっと本州とは造りが違うように見える。

この部屋は板の間で、台所であるかまどとつながってます。
木と畳の部屋というだけあって居心地がいいわけですが、それは後でも書いた通気性というのも大きな要因だと思います。風通しが良い造りのため、家の中があまり暑くないんですよね!

こちらは離れ。床の間と、菖蒲が描かれた掛け軸が美しいですね。

あと、館内には中村家所有の生活用品も残されています。
この掛け時計は、SEIKOの前身であるSEIKOSHA(精工舎)時代のものっすね!

あと、このタンスが美しすぎてビックリ。メッチャ高そう・・

あとはこうした壺的なものとかもありました。


館内には解説的なものもほとんどなく、中村家の方が実際に生活していたままの状態を綺麗に維持管理しているように思いました。
空気を動かす様々な仕組み
あと、中村家住宅を見ていて面白いのは、風の流れを意識した作りになっているという点です!
今でこそ、クソ暑い夏の時期であっても、扇風機をブン回すかクーラーをつければ快適に生活が出来るわけですが、昔はそうはいきませんよね。特に、沖縄となると暑さは鬼門ですので、通気性を意識しない建物を建てると家がサウナ状態になってしまう。。
それゆえ、通気性を意識した風通しの良い作りをすることで快適な生活を送っていたようで、中村家住宅を観察してみると、そうした工夫が所々に見えるわけです!!

その一つが、屋根に備え付けられた細長い孔(あな)っす(写真の屋根の奥に写ってます)。沖縄の方言でクウキミー(空気抜)と言い空気が出たり入ったりすることを指していて、夏になると天井に暑い空気がどんどん溜まっていくのを、この孔から排出していくという仕組みです。

さっきの写真だとどれだかわかんなかったかと思いますが、これっス!

あと、屋根の話でいうと中村家住宅の屋根には丸瓦と平瓦という二種類の瓦を用いて作られています。
そして赤色を呈しているのも大きな特徴ですが、これは県内南部で取れる土を使っているため。県内南部の年度は乾燥すると白くなり、水分を含むと黒くなる。そして焼くと独特の赤色となる特徴があります。
この瓦は吸水率も高いことから、蒸発によって屋根からたくさんの熱が放出される(瓦に含まれる水分が多いため、蒸発していく水分・熱量も多くなる)ため、これも中村家住宅の涼しさの要因にもなっているんですって!

瓦屋根の次は、かまどがある台所についても説明を!
このかまどは他の部屋とは異なった造りが見られるんですが、、

それは、この吹き抜けとなっている天井!!
梯子によって屋根裏に登ることもでき、この屋根裏は倉庫として使われていたみたいです。
かまどを煮炊きして生じた熱や煙は吹き抜けの天井へと上昇。そして天井を駆け巡ったあと、空気孔から抜けていくというわけです。熱や煙が天井を駆け巡るのは、水分を含んだ屋根瓦を乾かせる役割も果たします。
造りの一つ一つに意味があり、先人たちが築いた知恵の凄さに驚かされます。
牛、馬、羊、豚もいた!?
という感じで建物を紹介しているわけですが、この家にはたくさんの動物もいたようでした!!

牛小屋があったり、、

羊がいた小屋も残ってました。

あと、こちらはたぶんですが馬小屋。

そして、ここが豚小屋。先ほど、この家は風水をもとに設計されていて北西の方向が最も嫌われている的な話をしましたが、その北西に位置するのがココ。
豚小屋だけでなく便所もあります。
そしてこの豚小屋には興味深い造りが見られましてですね、、

それが仕切りの壁に空けられた穴!!
この豚小屋は仕切りによって三つのエリアに分かれているんですが、これが何を意味しているかというのが気になるわけですよ。

ハッキリとした答えが何かの資料に残されているというわけではないのですが、受付の方がおっしゃるには、大きさの違う穴をあけて、子ブタたちだけが通れるための孔をあけているということ!
子ブタの分のエサを親ブタが食べれないようにするために、手前のエリアは子ブタだけが入れるようにしているというわけです。
なるほどーー。
おわりに
はい、以上になります!
今回の記事は、今までにない沖縄の伝統的な木造住宅のスポットを紹介させていただきました。今までこのブログでも色んな歴史ある建物を紹介してきたものの、今回紹介した中村家住宅は初めて見る特徴も多く、大変興味深いスポットでした!!

まだまだ沖縄も紹介したいスポットがたくさんありますからね。この辺の民俗資料館とかも紹介していきたいので、しばしお待ちいただければと思います<m(__)m>
ではでは、また次の記事でお会いしましょ~~
参考文献
詳細・地図
住所 | 沖縄県中頭郡北中城村大城106 |
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入館料 | 大人400円、中学生・高校生300円、小学生200円 |
開館時間 | 09:00~17:00 ※最終入場16:40 |
開館日 | 月・火・金・土・日 |
駐車場 | 無料 |
電話番号 | 098-935-3500 |
アクセス | 沖縄自動車道・北中城ICから車で10分ほど |
リンク | https://www.nakamurahouse.jp/ |