山谷のドヤ街を考える~日本三大ドヤ街

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日本には「日本三大ドヤ街」と言われる3つのドヤ街があります。それは大阪西成にある「西成のドヤ街」、横浜の寿町にある「西成のドヤ街」、東京都台東区にある「山谷のドヤ街」です。
今までは西成と寿町のドヤ街に関して記事を書いてきましたが、今回は3つめとなる山谷のドヤ街に関する記事です。知の冒険を続けていき、本当に衝撃だったこのドヤ街という街の存在。その存在を多くの方に知っていただきたく書いてきたこの記事ですが、いよいよ3つ目最後となります。
この記事以外にも、ネットには多くのドヤ街の記事がありますが、今の日本にもこのような街が存在しているということを知るきっかけになっていただければと思います。伝えたいことが多く、結構長い記事になってますが頑張って読みきってくださいね(^ ^;)

山谷のドヤ街はどこにある?

山谷のドヤ街

山谷のドヤ街はどこにあるのかというと、上の地図の場所にあります。
最寄駅はJRの南千住や日比谷線の三ノ輪橋駅となります。現在”山谷”という地名は無いようで、住所でいうと「東京都台東区日本堤」となります。

山谷のドヤ街

山谷の周辺は、東京の中でもかなりコアなエリアとなっています。
少し西側に行くと、駅前にホテル街が垣間見える鶯谷駅前の異界があり、山谷のすぐ隣には日本最大のソープ街である吉原があるのです。

ドヤ街とはどんな街か?

ドヤ街とは、激安な簡易宿泊所が立ち並ぶ街のことを言います。”ドヤ”とは宿を逆さに読んだ名称。日本にあるドヤ街では大阪にある西成(あいりん地区)、横浜にある寿町、東京の山谷の3箇所は、日本三大ドヤ街とも言われる。
大阪、横浜、東京という日本を代表する大都市にあるという共通点があるように、これらのドヤ街は高度経済成長時、多くの建造物を作るにあたって必要な労働者が一斉に集まり、景気が傾くとともに仕事を失った方達が残って今の街を形成しているようです。
どのドヤ街も高齢化が進むようになり、日雇労働を求める方だけでなく年金で暮らしている方も多いよう。昼間っから路肩で酒を飲んだり、路肩で寝っ転がっている光景は日常茶飯事。世界中の国の中では平和と言われる日本でも、色々と考えさせられる街なのです。

山谷のドヤ街の歴史とは?

東京の街は、江戸幕府の徳川家康によって栄えていくことになっている。その後、次第に大都会と化す江戸に多くの人口が流入するようになる。
明治時代には、上野から溢れた方が住み着くようになった他、関東大震災や東京大空襲を経て職を求めた人が集まる街になってきた。そして高度経済成長期を迎えた時には、労働者の街として認知された山谷。しかし、労働者の労働環境は大変劣悪であり、山谷騒動という暴動を何度も繰り返すことになる。
岡林信康という歌手の歌に「山谷ブルース」という歌がある。まさに、山谷で働く労働者に焦点を当てた歌。この歌詞に「おれたちがいなくなりゃ、ビルも道路もできやしない」というニュアンスの歌詞がある。
今の大都市東京は、過酷な労働環境の中働き抜いた山谷の方々の功績もあることを、我々は忘れてはいけないようだ。

山谷を歩く

この記事を書くべく、何度も山谷を訪れました。昼もそうですし、夜の様子も観察してきました。

山谷のドヤ街

山谷からは、東京スカイツリーの姿も確認できる。この日本最大級の貧困街から日本最大の建造物が見下ろしている様は何か気になる。大阪の西成からはあべのハルカスが見え、横浜の寿町からは横浜ランドマークタワーが見える。
ドヤ街と巨大建造物には、切っても切れない何かがあるのだろうか。

山谷労働センター

山谷のドヤ街

こちらは、山谷労働センター。この周辺でも、おっちゃんが寝ていたり、地べたに座って酒を飲んでいる光景を見ることもよくある。
1965年に作られたこの建物は、職業安定所という役割や娯楽室を設けておっちゃんたちの憩いの場という役割も果たしているようだ。

多数の簡易宿泊所

山谷のドヤ街

ドヤ街の”ドヤ”とは、簡易宿泊所の宿を逆に読んだもの。西成や寿町と同様に、山谷でも簡易宿泊所といわれる激安の宿が多く連ねている。

山谷のドヤ街

山谷のドヤ街

料金は大抵が2,000円近く。漫画喫茶のナイトパックと同じくらいの値段ですな。

山谷のドヤ街

なぜか料金は、2,200円くらいの宿が多い。1日単位で宿泊代を取る場所もあれば、月極の場所も時折見かける。

哀愁漂う「いろは会商店街」

山谷のドヤ街

山谷には、シンボルともなっている両店街があるのです。それがこの「いろは会商店街」。屋根が付いており、人通りも少なくものすごい哀愁が漂う商店街となっております。

山谷のドヤ街

商店街の中はこんな感じだ。本当に人はほとんどいない状態。。本日は3連休の中日ではあるのですが、その休みの日にわざわざこの商店街に来る方はいないようだ。
私がさらっと見た感じでは、営業している店は本当に7,8軒くらいに感じた。商店街は無音というわけではなく、ヒーリング的なBGMが流れていた。こんな休日の真昼間に人がほとんどいない 商店街でそんなのが流れる問題から、非常に感傷的になってしまった。

山谷のドヤ街

路肩では、昼でも寝っ転がっていたり酒を飲んでいる方も見られた。完全にホームレスの方に占拠された商店街となっているようだ。シャッター商店街になるのもそりゃそうだわ。ここに来る人は少なくなるだろうし、お店だってつぶれた店の後にわざわざこの商店街で出店しようとは思わないでしょうから。

山谷のドヤ街

ドヤ街内にある玉姫公園

山谷のエリアには公園があります。その名は「玉姫公園」。
だが、その公園はそこらの公園とは一味も二味も違うのです。そんな公園の様子を以下で紹介していきます。

山谷のドヤ街

公園内はこのようにホームレスの方々のテント村になっている。西成のドヤ街では大抵の方が年金暮らしをしている状態と聞いたことがあるがここはどうなのか?

山谷のドヤ街

すべり台には洗濯物が干されていた。。寿町でもガードレールに干している光景を見たことがありますが。。ちなみに本日の天気は雨。ここに干してもなかなか乾かないのではないだろうか( ;∀;)

山谷のドヤ街

そんな公園内にはおっちゃん達がたくさんいました。何をしているのかというと、将棋を楽しんでいる模様。パラパラと小雨が降っているにもかかわらずそんなのには全く動じずに将棋を楽しんでおりました。
何かほのぼのとした、平和な光景のように思えた。

山谷のドヤ街

だが、公園の周辺はとにかく汚い。自分が周辺住民だったら本当に嫌気がさすと思うほど汚い。おっちゃん達がそのまま捨てたからこうなったのか、これはひどい・・。

山谷のドヤ街

その近くではこんな光景が。もはやここがゴミ捨て場なのかよくわからない状態に。不法投棄の看板があるにもかかわらず無法地帯になっていた。

山谷のドヤ街

先ほどのテント村から公園の反対側に回ってみる。
ここでも、おっちゃん達が何人かいるようだ。

山谷のドヤ街

公園の周辺には色々なおっちゃんがいる。今日は雨ということもあり、傘をさしながら捨てられた漫画を読んでいる者、将棋をしている者、ハトに餌をやっている者、公園で野球をしている様子を見つめる者。

山谷のドヤ街

おっちゃんの背中が、何か哀愁を感じてならない。。

最近はバックパッカーも多い

山谷のドヤ街

ドヤ街ということで、日雇い労働者がうろついているイメージがある山谷であるが、その雰囲気も少しづつ変わっているようだ。街を歩くと気づくのだが、おっちゃん達だけでなくバックパッカーの外国人の方も多く見かける。
外国人観光客がここに来るようになったのは、2002年の日韓ワールドカップがきっかけなのだという。日本で宿泊料を安く抑えられるということで外国人の方に知られるようになり、そこから海外のガイドブックなどにも載るようになった様。
料金が安いというだけでなく、山谷は人気観光地である浅草エリアからも近いということで立地の面も人気になった要因の一つのようだ。

山谷のドヤ街

所々には、外国人向けの情報センターのような施設も見受けられます。

山谷のドヤ街

山谷には、ゲストハウスもあります。こちらは「東京バックパッカーズ」というゲストハウス。

山谷のドヤ街

山谷のドヤ街

安宿とは違ったこのような低価格なホテルも山谷ではよく見かけます。西成にも超格安ホテルというのは存在しており、私も1泊3,000円くらいで泊まったことがあります。私ら以外お客さんは皆韓国人だったのはなぜなのか?

毎度お馴染みデフレ自販機

山谷のドヤ街

今まで訪れたドヤ街には必ずと言っていいほどある「デフレ自販機」。基本は120円~160円くらいで売っているジュースですが、ドヤ街では100円を切ることもよくあり、西成では50円以下で売っていることもあるのです。なので、上の写真のように100円で売っているというのは当たり前の額であるのです。
しかし、山谷では100円より安いジュースはなかなか見られない。中には、「80円」と自販機には記載しているが、ラインナップを見ると100円ジュースしか売っていないという巧妙な詐欺自販機も見られた!!

山谷のドヤ街

一通り散策はしたものの、発見したのは2台ほど。こちらは90円自販機。

山谷のドヤ街

90円で売っていたのはこちらの2つのコーヒー。この100円と90円の値段設定がどのように決まっているかが気になります!

山谷のドヤ街

そしてこちらが最安値と思われる80円自販機。「新商品が入りました」という記載があるものの、真新しそうなジュースは見当たらない(笑)

山谷のドヤ街

この80円のメロンクリームソーダとBRENSというコーヒーが最安値でした。そんで、このメロンクリームソーダはお店ではあんまり見ない安っぽそうな感じに見える。。
西成や寿町の方が安い自販機は多かったように思い、ここはそこまで極端なデフレ現象にはなっていないようだ!

山谷のドヤ街

また、こんな珍しい自販機も見られた。栄養ドリンクオンリーの自販機だ。しかし、この自販機はそんな安くはなく、定価の10円引き程度だ。
なんでここに栄養ドリンクオンリーの自販機が置いてあるのか?謎である。

ドヤ街の象徴「マンモス交番」

山谷のドヤ街

こちらは、日本堤交番。マンモス交番という愛称がついている通り、交番とは言えないほどの大きさであります。この4F建ての交番は1960年にできた交番(当時は3F建てのよう)であり、当時は周囲に高い建物がなかったことから、労働者によって「マンモス交番」と言われるようになったという。
元々は「山谷交番」と”山谷”の文字が付いていたのですが、2008年に日本堤交番という名前に変わったようです。

山谷のドヤ街

山谷では山谷騒動といわれる暴動が何度も起こっており、その暴動から山谷が全国的に知られるようになったのだとか。第一次山谷騒動といわれる事件は1959年の8月に起こっており、翌年1月には第二次山谷騒動がおこった。この時は投石をする者もいて、この後にマンモス交番が建てられたという。
西成の交番のように巨大な柵は無いようですが、右側の入り口には小さな柵が設けられていますな( ;∀;)

セブンイレブン世界本店

山谷のドヤ街

泪橋の交差点の角にあるセブンイレブン。実はここは昔は日本でも有名な立ち飲み屋「世界本店」という店がある場所だったのです。世界本店の焼酎は、山谷の労働者達に飛ぶように売れたようだ!

山谷のドヤ街

今も、セブンイレブンの扉には「世界本店」という名前が残されている。世界本店は残念ながら1999年2月に閉店してしまい、生まれ変わったセブンイレブンは山谷のおっちゃん達だけではなく、最近訪れるようになった外国人旅行客もすっかり世話になっているようだ!

あしたのジョーの舞台でもある

山谷のドヤ街

街がアニメの舞台ともなれば、それを利用して町おこしをしたりと観光客が多く訪れるネタになる。ここ山谷は、日本人ならほとんどが知っている「あしたのジョー」の舞台となっている場所なのだ。

山谷のドヤ街

いろは会商店街には、至る所でジョーを見かけることができる。設定としては、この近くにある泪橋交差点付近に丹下段平のジムがあるという設定だったような。

山谷のドヤ街

しかし、いろは会商店街はホームレスに占拠されほとんどの店がシャーターをおろしている商店街。町おこしどころか、凄まじい哀愁が漂う感じになっている。

その他に山谷にある色々なもの

山谷のドヤ街

ドヤ街にはパチンコ屋も問題になっている。大阪の西成では、毎月生活保護の受給日にはパチンコ屋の行列ができるという。国の税金で賄われている生活保護費をパチンコに使ってもいいのかというのは、確かに問題だと思う。
そんなパチンコ屋は、山谷には見かけられない。上の写真で、入り口に青いシャッターが下り白い壁ができている建物は、最近までパチンコ屋だったようだ。
山谷のエリアにはなくても、ちょっと歩くとパチンコ屋はあるためこのエリアでも全く問題になっていないようにも思うのだがどうなのだろうか。。。

山谷のドヤ街

とにかく街は汚い。ところどころでゴミが捨てられている他、街中で立ち小便をする者も普通に見かけます。時折異臭がすることもあり、他の街では見かけられない光景がここには広がっているのです。

山谷のドヤ街

山谷では、テレフォンカードも売っているようだ。しかも30度で300円。スマートフォンが普及した現代であるが、ドヤ街在住のおっちゃんたちはもちろんスマホは持っていないだろう。

山谷のドヤ街

コインランドリーとコインロッカーもドヤ街ではよく見かける。

山谷のドヤ街

自販機と同様に、コインロッカーも安い。駅だと300円~500円くらいするものですが、ここは100円。ドヤ街に住む家のないおっちゃん達にとって、荷物を持ち歩き続けるのは困難なのでコインロッカーがあると貴重品をしまうのに便利ということなんでしょうね。
中には、月極のコインロッカーもあるのですぞ!しかし、駅前でもないのに町中にいきなりコインロッカーが出現するのは今考えたら不思議だ!

山谷のドヤ街

また、いろは会商店街のすぐそばには「きぬ川」という食堂がある。ここ、昔は名の知れた食堂というわけではなかったものの、名作漫画である「孤独のグルメ」の記念すべき第1話で取り上げられることになり、有名になったという。

山谷のドヤ街

道路では、おっちゃん達が何かしていました。ちょっと観察してみると、コイントスゲームをしているようでした。道路に書かれている「止まれ」の停止線に向かって投げるゲームだ!暇つぶしのために自然と編み出したゲームなのだろうか。

山谷のドヤ街

ドヤ街では昼間っから路肩で横になっておる者、路肩で本を読んでいる者、路肩で座り込み酒を飲んでいる者など日常では見られない光景を多々目にする。中には、体が不自由で車椅子で移動する方も見受けられた。
山谷ではないが、寿町を歩いている際は転倒し頭から血を流した方や転倒して立ち上がれなくなり救急車が駆けつけるという光景を目にした。街を歩いているだけで、本当に胸が痛くなる光景を目にすることがあるのです。西成では、冬に凍死してしまう方もいるということだが、山谷はどうなのか?

山谷のドヤ街

 今日は休日ということもあり、ドヤ街に住んでいる方は仕事がないのだろう。昼間っからコンビニで酒や弁当を購入して、ドヤに戻る光景を目にする。ドヤで暮らしつつも、未来に何を思うのだろうか・・。

山谷のドヤ街

そんな山谷にも名店といわれるお店がある。いろは会商店街からすぐの場所に建つ風情ある建物で「いせや本店」というてんぷらの老舗だ。写真を撮った時間はお昼時とはいえ、かなりの行列だ!
“いせや”は漢字で”伊勢屋”と書くようだ。歴史は非常に古く、創業127年という超老舗のてんぷらやなのです。ここは吉原遊郭唯一の出入り口であった吉原大門の近くにあったことから、吉原に訪れるお客様で大いに賑わったとか!

夜の山谷

山谷のドヤ街

夜の山谷はどんな感じなのか?夜はというと東京といっても居酒屋が営業しているわけでもないため、ほぼ人はいなくシーンと静まり返っています。

山谷のドヤ街

ただ、商店街には壁に沿って寝ている方が多々見られます。毛布を敷いて寝る方、ビニールシートで作った即席の家で寝るもの、ビニール傘で周囲を囲って寝るものなど様々。私が訪れたときは夏であったためまだ大丈夫ですが、冬の間はどうしているのか。
ここは何度か夜に訪れてはいますが、一度ここに暮らしているであろう老婆に声をかけられた。「お兄さんたばこ持ってない?」と突然声をかけられたのです。「すみません、持っていないんです」と返答したんものの、何か様子がおかしい・・。
一人語を何やらつぶやいており、いくら返答しても会話が成立しない。ただ、最後はなぜか「ありがとう」とお礼を言われて私はその方を後にした。よくわからなかったが、情緒不安定だったように思う。あの老婆は、今もいるのだろうか。。。

山谷のドヤ街

山谷のドヤ街

昼間は多くの方が歩き回っている道も、夜はほとんど人は見かけない。路肩に止められた自転車が目に付き、そして少し臭いにおいがとことなく漂うような感じだ。

山谷のドヤ街

まだ暖かい時期だから安心して見られますが、冬だったらリアルに凍死します。酔いつぶれたのか疲れ果てたのか。。

おわりに

ドヤ街という存在を知るようになってから、もう何度訪れたことだろうか。日本という平和な国で、この光景は本当に衝撃の一言だった。自分の生活がいかに恵まれていたかを思い知らされた街でもあった。
今後、2020年に行われる東京オリンピック。この街はオリンピックによって変化をするのだろうか。また、この光景は今後の日本の未来を映し出しているのか。この街を歩いていると、とても他人事には感じられない。。

参考文献

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詳細・地図

住所 東京都台東区日本堤2丁目
アクセス JR南千住駅から徒歩7分
リンク https://ja.wikipedia.org/wiki/山谷_(東京都)

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