京都府にある「伊根の舟屋」はここでしか見られない貴重な街並みだ!

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今回は、京都に残る非常に珍しい街並みのお話です。それは「伊根の舟屋」といわれ、海沿いに建てられた家屋から直接船の出入りができるという構造となっており、そんな舟屋が多数並んでいる街があるのです。
そんな伊根の舟屋を訪れたことや、歴史などを紹介していきたいと思います!
本記事のポイント

・伊根には、船でそのまま住居に入れる舟屋群が立ち並ぶ
・遊覧船があり、船の中にはカモメ用のえびせんがある
・山がちな地形ということで、舟屋は必然的に2階建てになっていった

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伊根の舟屋とは?

伊根の舟屋
▲海沿いに並ぶ伊根の舟屋群
この舟屋集落は、海沿いに沿って家屋が並んでおり、海側には船の格納庫があり山側には生活の場所として用いられる母屋が立地しています。
この光景が歴史的や文化的に価値あるものとして評価され、2004年7月に重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けました。200軒以上もの家屋が並ぶ様は壮観で観光地として人気がある一方、高齢化や空き家の問題など今後この光景を維持していくにあたり課題も多いようです。

場所はどこなのか?

伊根の舟屋
伊根の舟屋群は、京都府与謝郡伊根町という場所にあります。丹後半島の先にあり、日本三景の一つである”天橋立”の近くにあるんですね。
アクセスは結構悪く、公共交通機関ではなかなか行くのが難しい場所ですな!
伊根の舟屋
ちなみに、伊根の舟屋群の場所を拡大するとこんな感じです。黒線で描いた場所辺りに、舟屋群が建っている形になっているんですよ〜。

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遊覧船に乗ってみた

伊根の舟屋
私も頑張って一人車を走らせながらここまでやってきました!とにかく遠い(笑)マジで(笑)
まあそんなボヤキはさておき、せっかく神奈川県からはるばる来たので遊覧船に乗ることにしました。
伊根の舟屋
その遊覧船がこちら!
伊根の舟屋
この辺の海は本当にきれいでした。写真のちょっと右側に魚が見えるのが分かりますでしょうか?神奈川辺りの海を見てばかりいる私にとっては、本当にきれいに感じましたよ!!
伊根の舟屋
▲船に売られているえびせん
船に乗って?マークがついたのがこちら(笑)いきなり「かっぱえびせん」が大量においてあるではありあませんか!値段は100円。遊覧船に乗っている間、このえびせんでも食いながら風景を楽しむのだと本気で思っていました(笑)
伊根の舟屋
ちゃんとえびせん袋を入れるゴミ箱まで完備されています。ゴミは分別!
伊根の舟屋
▲えびせんを求めてくるカモメ達
まあ正解はこれですな!カモメがかなりの数飛んでおります。もう船の近くを飛び回ると「人間という動物はえさを撒いてくれるもの」ということがインプットされているようです(笑)
私は写真を撮るのに必死でえびせんを買ってカモメに餌づけをしている時間はありませんでした・・。ちょっと残念。。

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伊根の舟屋
遊覧船は9:00~16:30の間を30分感覚で運行しています。繁忙期は15分ごととのこと。運転手は大変そうだ!
伊根の舟屋
伊根の舟屋
漁をしている方が見えました。と思ったら、ボートの上で釣りをしているようです。伊根町では色々な漁が行われており、イワシ類、アジ、ブリ、そしてアワビやサザエなど本当に多くの海鮮物がとれるそうです!
伊根の舟屋
遊覧船からは舟屋は確認できるものの、近くまでは寄りません。この写真は、普通に陸地から撮った写真です(笑)

伊根の舟屋の歴史

ここで、舟屋の歴史に関してをぶっ込んでいこうと思います!ここの舟屋は日本でも非常に珍しい光景でもあり、そこにどんな歴史が詰まっているかを調べました!
簡単にですが、紹介していきますよ。

戦前の舟屋群

伊根の舟屋
▲もともとここに道路はなかった・・
現在は家屋の山側には道路が通っておりますが、昔は道が無かったんだそうです。つまり、海岸線沿いにある舟小屋は昔は海上の船を使うことこそが舟屋に出入りできる唯一の手段だったようです。
ただ、これらの舟屋が一体いつから出現したかは歴史的には解明されていないようです。1Fは漁船が入れる出入り口となっており、2Fは漁具を収納するなどの倉庫的な役割をしており非常に簡素な作りであったという。
伊根の舟屋
家屋の配置は上図の様な感じだったそうです。海側に舟屋が並び、その背後である山側に母屋が建っている感じ。母屋は、舟屋と迫りくる山のギリギリの隙間に建っているような感じですね!
伊根の舟屋
先ほどの写真だとこんな感じ。右側が海で左側が山になるので、道路を挟み右側に建っているのが舟屋で、山側に建っているのが母屋です。その後、大正4年、昭和7,13,15年の大火や昭和6年の道路拡張工事などにより舟屋の建て替えが相次いで行われることになるのです。
第二次世界大戦前、つまり戦前の頃まではこれらの舟屋はあくまで漁業用の建物であって居住用の空間ではなかったのだとか。

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戦後に居住機能が備わる

伊根の舟屋
 1950年頃は、大型定置網漁業の漁獲量が急増したことから、漁協の収益が増加しました。この好景気を受けて、舟屋の建築が盛んにおこなわれ、さらに居住空間が拡大したのだという。
伊根の舟屋
▲地理的要因で2階建てになっている
2階建てになったのは、この伊根の地理的要因が関係しているという。先ほども説明したように、この地区は平野部が少なく、海のすぐそこに崖が迫っている地形となっています。そのため、居住空間を拡大するためには、横ではなく上にその空間を作らなくてはいけないので必然的に2階建てになるのです。
伊根の舟屋
その後も舟屋の数は増えていく。舟屋の2階部分は家族の居住空間だけでなく、一部の舟屋では宿泊機能を併せ持つようになりました。今もいくつかの舟屋では民宿として営業しているようです。
私も時間がなくて今回の訪問では泊まれませんでしたが、次回訪問した際は宿泊してみたいと思いまっせ(^^)

 舟屋周辺をうろついてみた

伊根の舟屋
ある一軒の建物は家ではなくこんな感じになってました!建物の中には、飲食店のものもあるようです。この建物は1Fは解放スペースになっており、2Fがお店になっていました。トイレを借りたくて寄ったのですがね。。
伊根の舟屋
建物の中にはいくつか昔の写真が展示していました。いつの何をしている写真かわからないですが、船で囲って漁をしているように見えます。
写真の中の舟屋も1階建ての物が多いように見えますが・・。
伊根の舟屋
伊根には「伊根小学校」という小学校があります。校舎には「日本一の給食でたくましい伊根っ子」という幕が張られています。
何かと思って調べてみると、この言葉は伊根小学校のスローガンのようなのです。「地産地消」の給食を目指しており、テレビにも取り上げられたこともあるという!

舟と船の違い

と、ここでちょっとした漢字のうんちくを!今回紹介した「伊根の舟屋」では、”舟”という漢字を使ってきましたが、一般的によく使う”船”という漢字とはどのような違いがあるんですかね?記事を書いていてそんな疑問が浮かんでしまったので、ちょっとお付き合いください(^^;)
もともと”舟”という漢字は、丸太をくり抜いた丸木ぶねの形がそのまま文字になったようです。
ちなみに、ふねという漢字は「舟」「船」「艇」「舩」などなど大量に出てきます・・。
これらの違いは何かというと、単純に大きさのようです。
“ふね”の漢字の意味

舟:小ぶね。人力で漕ぐレベルの船。
船:大型の汽船など。

おわりに

京都の北側に位置する伊根の舟屋。今回は、訪れてそして歴史などを軽く紹介してみましたが、やっぱり現地の人と色々な事を話す機会があればよかったと痛感・・。
今後もこの舟屋を守り続けてほしいものです。また行ってみますか!

参考文献

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詳細・地図

住所 京都府与謝郡伊根町伊根湾周辺
駐車場 無料(遊覧船の場所などいくつかあります)
アクセス 京都丹後鉄道「天橋立駅」または「宮津駅」で下車し、路線バス(丹後海陸交通)に乗り換えて約1時間。車の場合は京都縦貫自動車道、R176、R178を通る。
リンク http://www.ine-kankou.jp/
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