今回の知の冒険は、久々に宗教に関する記事です。知の冒険を始めて色々な宗教施設やお寺に行くようになった私金澤ですが、今回のお寺は他のお寺とは一味違った歴史を持つお寺です。その名も大石寺(たいせきじ)!
あの創価学会と関係を持っていたという歴史背景を持つということもあり、その辺りの歴史から何から何まで色々記事にまとめまくったので以下で紹介していきまっしょい!
ちなみに、最初に話しておくと私は創価学会員でも日蓮正宗の信仰者でもありませんので。。
本記事のポイント
・日蓮正宗は日蓮宗から独立した宗派で、富士宮市の大石寺が総本山
・かつては創価学会員が参拝しに来ていたが、亀裂が生じて破門した!!
・日蓮正宗は厳格な宗派であり、学生の修行僧はテレビも携帯も持たず修行に明け暮れる
見出し
大石寺ってどんな寺?
大石寺はどこにある?
そんな大石寺はどこにあるのか?場所は富士宮やきそばで有名な「静岡県富士宮市」になります。富士山の南西側ですな!富士山は日本三大霊山にも含まれる霊峰であることからか、周辺には多くの宗教施設があるのです。
富士宮市にあるとはいえ、公共交通機関ではなかなか行けない場所になるので行くなら車が必須です。かつて創価学会の方々が押し寄せた際には、臨時列車や多くの送迎バスが走っていたくらいですからね。。。
大石寺について
まずは、大石寺とはどんな寺かについて説明していきましょう!大石寺は日蓮正宗(にちれんしょうしゅう)という宗派の総本山のお寺です。仏教を開いたのはお釈迦様(ブッダ)であり、多くの仏教の宗派では涅槃になること、つまり煩悩を取り払い悟りを開く境地に行くことを目標としています。
しかし、日蓮正宗はお釈迦様は存在するものの、日蓮大聖人の教えを正しく行うということを目標としている宗派になります。現在は日本だけにとどまらず、世界約50カ国に日蓮正宗の信徒の方がいらっしゃるようです。寺院も世界に700箇所近くもあるのです。
そんな大石寺は、日蓮正宗のお寺というだけではなく創価学会員の方が大勢訪れていた寺でもあります。創価学会は、日蓮正宗を信仰している宗教であり、毎年多くの方がこのお寺に登山してきたのです。しかし大石寺の住職は「今の創価学会は、正しい日蓮大聖人の教えを守っていない」ということで、創価学会を破門したのです。その経緯は以下で詳しく述べますが、そんな色々な歴史を持つお寺でもあるのです。
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久遠寺との関係は?
▲日蓮宗の総本山である「久遠寺」
日蓮正宗と聞くと、いわゆる日蓮宗とは関係がないのかと思った私。その辺りを調べるとやはり関係があったことがわかりました。日蓮宗は山梨県の身延山を総本山とする宗派であり、その身延山には久遠寺(くおんじ)がある。
日蓮宗は日蓮大聖人が入滅した後、身延山の地頭である波木井実長(はきりさねなが)が、仏法に違反する行為を行ったということで、日興上人が1289年に本門戒壇の大御本尊などの重宝を持って、この身延を離れたのです。簡単に言うと、身延山を総本山とする日蓮宗は正しく日蓮上人の教えを守っていないということで、富士山の麓で正しい教えを行うべく別の宗派を作ったという感じになるようです。
大石寺を訪問
創価学会と関わりを持っていたというお寺ということで、お寺巡りをしている私てしては調査をしてみたいということで焼きそばを食べに行くわけでもなく、静岡県の富士宮市へと車をかっ飛ばしに行きました!!
観光地感ゼロの簡素なお寺
車で大石寺まで来たわけですが、まず目に飛び込んできたのがこちらの建物。建物というか工事中のため中は見えず。。かなり巨大な山門を改修しているようで、完成はなんと平成33年だという。まだまだ先ですな。
大石寺の中はこんな感じになっています。周囲は駅近でもない場所のため、敷地はかなり広大です。
▲境内に多数存在する「坊」
敷地の中には20近くある「坊」と呼ばれる建物があります。これらの坊には、御住職様がおられる他、信徒も在籍しているよう。ただ、全国の信徒が総本山に登山参拝をする際は、休憩・宿坊として使われているのです。
▲観光要素は全くない、広大な大石寺
お寺の中は、めちゃくちゃ簡素。はっきり言って観光要素は一切ありません。というのも、日蓮正宗では宗教はちゃんと教えに守って信仰するためのようなものであり、一般客を集めるために観光地することは非常に嫌っているようなのです。
以下で高校生に会った話が出てきますが、そこで出会った彼がそんなことを言っておりました。最近では、お寺でアニメのキャラクターを描いた絵馬を売ったり、女性たちに受け入れられるようおしゃれな御朱印帳を売り出したりと、比較的敷居が低くなってきているお寺ではありますが、そういうのもダメなんだそうです。さらには、日蓮正宗が離れた日蓮宗の総本山である身延山久遠寺にあるロープウェーに関しても彼は「そういうのもダメ!」とうことだった(笑)
仏教の中では、かなり厳格な宗派である様っすね。というかそもそも、一般の方に書く御朱印というもの自体がないそうです。そのため、大石寺に訪れる方はお寺巡りに来るというよりかはお経を唱えに来る信徒の方がほとんどのようだった。
周囲には川も流れている。富士山の湧水でしょうか??
▲信者のために用意された大量の傘
駐車場の近くには、莫大な量の傘がおかれていた。多すぎじゃね(笑)
多分大石寺を訪問した方々のために置かれているためだと思いますが、こんだけ多いとなんか怖い。ただ、大石寺に関していうとこの傘の数は少ない方!多くの信徒が入る奉安堂・客殿・大講堂などには入場信徒数に対応した傘置き場があり、その傘を運ぶ専用車両まで存在するのです!
お寺の外には、商店街とまではいかないがカフェなどのお店が軒を連ねていました。
その中には大日蓮出版という本屋まで。ということで、この大石寺には観光地的なものが一切ないのと、それぞれの建物に関しての詳しい詳細があまりわからなかったため中の案内はこのくらいで。。。
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かつて創価学会員が登山していた
大石寺は、主に戦後のあたりからは創価学会員によって支えられたお寺でした。毎年、年間200万人以上もの参拝客が来るお寺ではあったものの、そのほとんどが創価学会の方々。
大人一人の登山料は1,600円。それがお寺に収められる仕組みとなっており、これは大石寺にとってとてもありがたい仕組みとなっていたのは言うまでもないだろう。しかし、このような学会登山は40年もの間続いたものの、大石寺はこの仕組みを捨てたのです。
大石寺が創価学会を破門した後も、学会員の中で登山を続けた方はいなかったわけではないものの、多くの方が登山をやめてしまったという。
その要因としては、正本堂が出来た当初から主導権争いが続いていたという。1972年7月10日に池田大作が発願主となって出来た正本堂。しかし、創価学会のドンである池田大作は日蓮正宗が崇めている日蓮大聖人ではなく、池田大作を一番偉いとする「池田本仏論」に走ってしまったようだ。
本来であれば、仏教には「仏・法・僧」の三宝が必ずあり、この三宝を敬い尊崇することが信徒の立場であるので、「池田本仏論」は日蓮正宗からすれば論外!大石寺側はこの事に関して勧告を何度もしたものの、創価学会側はその勧告に応じなかったことで1991年11月7日に解散勧告、11月28日に破門となったのです。現在でも、創価学会員に対して「目を覚まして大石寺に登山をしに来るように」という姿勢のようです。
▲創価学会員に脱会を勧めるパンフ
大石寺には、日蓮正宗の教えなどを書いた本が売っている本屋があります。その本屋には、創価学会の方に向けたパンフレットが置かれていました。ちなみに、これらのパンフレットは無料ではなく1冊10円です(笑)
このパンフレットを見てもわかる通り、大石寺は創価学会員の方に脱会して正しく日蓮正宗を信仰してほしいという姿勢の様っす!!このようなパンフレットでどのくらいの創価学会の方が脱会したのでしょうか??
と最初は思っていたものの、実際は割と多くの方が脱会をしているとのこと!
▲かつて創価学会員が使っていたバスターミナル
大石寺の端には巨大なバス乗り場が存在しています。ここには創価学会員専用のバス乗り場があり、まさに新宿のバスターミナルにも引けを取らない程の人がここで乗り降りしていたのです。JR富士宮駅から学会員を運んでいたバス会社は年間で12億円も売り上げていたとのこと。
ちなみに、JR富士宮駅からは学会専用の団体列車まで出ており、富士宮駅の1番線は学会員専用ホームでした。JRの売り上げも年間120億円もあったという。
このバス乗り場は現在は使われているのでしょうか。。私が訪れたこの日は土曜日であり、休日であることから人は多い方だとは思うのですが、ここには誰一人といませんでした。何か駅のホームみたいだ。。。
学会員の方が多く訪れていたということもあってか、周囲には旅館が建っています。
現在は、日蓮正宗の信徒の方が泊まっていたりするのでしょうか。
奉安堂
▲日蓮上人の大御本尊が安置されている「奉安堂」
こちらは、大石寺の一番奥にある「奉安堂(ほうあんどう)」というお堂。元々は、池田大作が願主となった「正本堂」があった場所。しかし、その後正本堂は解体されその後2002年にこの奉安堂が建てられました。このお堂に、日蓮上人の大御本尊が安置されているそうです。
奉安堂の前には多くの人がスタンバイしていました。というのも、このお堂の中で御開扉(ごかいひ)を受けるために並んでいるそうです。ちなみに、ここを訪れたのは12:30頃。御開扉が行われるのは13:30ということで、まだ1時間近くもここで待たなければいけないわけです。逆を言うとそんな前からここでスタンバっているということ。かなりガチな信徒さんたちのようです。
奉安堂の前には門があるのですが、この門は現在は開かれていません。この門がいつ開くのかというと、日蓮正宗の教えが日本中に広まった際に開くのだという。一体何年後になるのだろうか。。
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