今回のテーマは「翡翠(ひすい)」です!
翡翠というと、日本では新潟県糸魚川市で採集できる鉱物という認識が強いかもしれませんな。鉱物というと、地方の観光地などによく売っているイメージがあるかもしれませんが、ところがどっこい、そんな翡翠がたんまりと展示してある博物館が、なんと東京の品川区に存在しているんですね!
個人で作った施設博物館のようで、御殿山(ごてんやま)という高級住宅街にあるんだそうですわ!
一体どんな博物館なのか、何でそんな場所に翡翠に関する個人博物館があるのか??
たんまりと取材してきたので、以下で紹介していきたいと思いまーす。
高級住宅街に佇む個人博物館
今回の目的地である東京都品川区っていくのは結構久々。というか、私は川崎市に住んでいるため、知の冒険で取材する場所は必然と東京や神奈川が多くなりがちなんですが、東京に関しては博物館、街の歴史、知られざるお店、遊郭・赤線跡のどれをとっても結構知られているスポットが多いイメージがありましてですね。。
なので、東京って家から近いし、平日の仕事場が東京でもあるのでメチャクチャ行ってはいるんですが知の冒険ではどうも避けがちでありまして、、なので東京のスポットを記事にするのは結構久々な感覚っす!
で、今回やって来たのは品川にある「翡翠原石館」という博物館っす。品川駅から歩いて20分くらいの場所にあり、頑張って歩いたものの実は最寄り駅は京急線の北品川駅だったという事実は帰る時に知ったわけですが、そんな場所にあるのがこの博物館なんですね!
高級住宅街に佇む個人博物館ということで、館長はタダものではない超ド級の金持ちの方なのではないかと思いながらではありますが、とりあえず中に入ってみますか!
いざ潜入!
お〜〜〜館内はこんな感じで凄く綺麗に維持されていて、巨大な女性の壁画が真っ先に目に飛び込んできますな〜!
早速受付で入館料を払って館内を鑑賞したのですが、ここを切り盛りしているスタッフの方がウルトラ親切な方で、博物館のことや翡翠に関することなど聞きたいことを何でも答えてくれました(*’▽’)
ということで、こっからはこの博物館の背景や館内の展示物、あとは翡翠に関する雑学的な内容まで一気にまとめていこうと思います(°▽°)
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館長はお金持ちの社長さん
館内は一階と二階に分かれていて、かなりの数の翡翠の原石、あとはカット加工されたものや勾玉、指輪などなどが展示されております。展示物には値札がついているものもあり、どれも桁がヤバイっす!!私のような庶民ではちょっと手が出せないっすね(笑)
で、いったいこの博物館はどんな背景があって誕生したのか?
この博物館が誕生したのは2002年とのこと。 元々この建物は1994年に日本人の建築家の手によって作られたイタリアの照明器具のお店だったそうです。
ところがどっこい、その持ち主の方がここを分譲する計画を立てることになり、その際にはこの敷地内にある桜の木を四本伐採する予定だったそうです。この御殿山は桜の名所でもあり、これら四本の木を保護するために分譲予定だったこの場所を館長が買い取ったんですって!
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んで、買い取ったこの建物をどうするかってなったときに「昔から集めている翡翠を展示すりゃ~いいじゃんか~」となって、この翡翠原石館は誕生したんですって!
館内には数百点に及ぶ展示品があるわけですが、それらは館長である鶴見信行(つるみ・のぶゆき)氏が実に60年近い年月をかけて採集したり海外などに買い付けに行ったり、寄贈していただいたなどのもの。館長はもともと家業であるフィルターメーカーに就職していたようですが、今ではトラックとか重機のフィルターやエレメントの会社の社長なんだとか。
ネットでも検索すると出てくるんですが、「ピーコック・エレメント」という会社の社長さんのようです!
今回館内の案内や説明をしてくださったのは博物館のスタッフの方で、館長は一瞬だけ姿を見せたものの、「これからテニスに行く」ということですぐにいなくなってしまいました。まるでレアポケモンの如く、ふっと現れてふっと去ってしまった。。(笑)
この博物館はメディアにも度々登場しており、テレビ番組、さらには読売新聞の夕刊記事にも紹介されたことがあるとのこと。高田純次の散歩番組に出た時は一か月近くバタバタしたそうで、新聞に掲載された後は毎月のように「新聞記事を見てきた」といって訪問される方がいたとか。
テレビの効果は一瞬ですが、新聞記事は結構長い間効果があるんですな〜。
収録に関係なくプライベートで有名人が訪れることもあるこの博物館、お客さんとしては開館当初は館長のファンであるマダムの方が多かったとか。こういう鉱物とかアクセサリー関連となると、叶姉妹とかデヴィ夫人とかのマダムに人気がありそうですよね!
受付に目を向けると翡翠関連のグッズも売られておりました。これ、売り出したのはお客さんから「売ってほしい!」というリクエストがあったからなんですって。
とはいえ、この博物館は赤字なんだそうです。生粋の翡翠好きの方で10年ほど定期的に来られる常連さんもいるそうなのですが、何度も来る方は少ないんですって。
博物館って飲食店とは違ってお客さんはリピーターにはなりづらいですからね。。とはいえ、来たお客さんの中には長時間滞在する方も多く、中にはお昼ご飯を食べてまた戻ってくる強者もいるというww
博物館の背景としてはこんな感じでしょうか。ではでは、ここからは関内に展示されいている展示物を詳しく見てみましょう!
日本で唯一の翡翠原石風呂
館内の一番奥に行くと現れるのが、こちらの風呂場!
床や壁や浴槽がぜ〜〜〜〜んぶ翡翠原石という豪華すぎるこの風呂場は、新潟県糸魚川沿いで獲れた翡翠の原石で出来ていて、浴槽は原石をくりぬいて作ったもの。恐らく日本にここしかないとか。
しかもこれ、今でも実際に使える風呂場らしく、館長とお孫さんが正月に入るなど稀に使うことがあるとのこと。原石自体がかなり冷んやりしているので、70℃ほどの熱湯を湯船に入れるらしいっす。
しかもこれ、いくらかかったのかと思ったら、まさかの譲ってもらったそうでタダだったとか(笑)。
とはいえ、100トン近い原石をダンプに載せて運んだため、橋が落ちるんじゃないかなどの危険性があったりと気を遣う部分も多く、加工と運搬と設置だけで1,000万近くかかったらしいです( ゚д゚)
重さが五トンある巨大な原石と、ひすいを含む10万個以上の輝石を使ったタイル壁画が目を引く。が60年近くもの年月をかけて発掘収集したものばかりだという。
ちなみに、風呂場だけでなく左側の手洗い場も翡翠の原石ww
翡翠でゲシュタルト崩壊が起きそうです。
保護活動のために原石のまま保存
さらには庭にも目を向けると、これまた翡翠の原石がドカドカと置かれております。よくもまぁこんな重いものをこれだけ運んだものだ!
ただこれらの原石がここに置かれているのも訳があるようでして、館長はもともと石ころ収集が好きだったことから翡翠を集めるようになったそうですが、現在は主に翡翠の保護活動をしているんだそうです。というのも、翡翠で有名な新潟県の糸魚川などでは翡翠の乱獲が進んでいるようでして。。
庭にあるのも糸魚川にあったもので、今ではこれらの原石を見つけるとハンマーか何かでぶっ壊して持って帰られる大きさにして持ち去る者が多いんですって。
そのため、館長は翡翠が獲れる糸魚川の場所を私有地化して掘り起すまでして、翡翠の原石を未来に残すためにそのまま持ってきて展示しているんだそうです。そうでもしないと、採り尽くされて翡翠の原石自体がいずれなくなってしまう可能性もあるようでして。。
受付の前にも、結構たんまり置かれておりました。
こういうのって策を取らないと荒らされますよね。私も実は大学の時の専攻が地質学で鉱物の研究をしていたんです。うちの研究室では水晶の研究をしているケースが多く、水晶というと関東近郊でいえば山梨県が有名なんですよね。
その山梨県で一番有名な水晶の鉱山でもある乙女鉱山という場所があるんです。今では廃鉱山になっていて立ち入り禁止で警察もたまに巡回していることがあるという噂まである場所なんですが、ここもスンゲェ乱獲されまくっていたそうで。。
お金に余裕のある方がこうした保護活動をして未来永劫に残すことができるというのはとても大切なことですね!
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五重塔、壺、観音様、土器ww
その他にも、原石や勾玉以外にも翡翠で出来た面白い展示物も色々ありましたよ!
こちらは翡翠で作られた五重塔。良くもまぁ石をここまで精巧に作り上げたもんだ。。
これは何だったかな??壺だったか?笑
あと、「この石が凄いんです!」と言ってスタッフの方がこうやってライトを当てて見せてくれたりします。ライトを当てるとより透き通っている様子が見れるんですよね。
そんな感じでこの博物館にはたくさんの翡翠関連のものが展示されているのですが、、
館内を見渡すと、翡翠と全く関係ないものも展示されていましたww
こうやって突如観音様が出現したり、、
縄文土器が展示されていたりします。。埼玉県で出土したそうですが、結構形が残ったままなんですね、コレ!
という感じで、館長が好きなものをポンポン展示するため、スタッフさんも気付かぬうちに新しいものが展示されているということが結構あるという(笑)
いや〜こういうのも大事ですよ!
個人博物館だったら個性を出していかないとね。いくつか「んっ?」ってポイントがあってこそ個人スポットというか珍スポット要素があって面白いじゃないっっすか〜(°▽°)
館内はほぼ写真撮影可能なんですが、この部屋だけは撮影禁止なのです!
この部屋には美しくカットされた翡翠や、勾玉などなど凄い翡翠コレクションが展示されております。銀座のジュエリーショップみたいな感じで、結構いい値段する翡翠のアクセサリーとかが展示されてるんですね~~!
ちなみに、700円の入館料には紅茶のサービスも付いてきます。いつもコーラとかピルクルばっかり飲んでいる私ですが、土曜日の昼間に紅茶タイムとは何て優雅なひと時なんだ!!
まるで、白金にでも住んでいるマダムのようなひととき!
という感じで、この博物館の背景や館内の様子に関しては簡単にではありますが紹介できたかなと思います。
ではでは、次のページでは翡翠という鉱物の歴史について、そして今でも翡翠採集で一攫千金を狙う方々がいるのか?など、その辺の面白い話を紹介したいと思います!