今回は、横浜市の山下公園の近くにあるシルク博物館に関する記事です!
横浜は港が開港してから生糸の輸出が盛んだったということでこの博物館が誕生したということもあり、横浜と生糸は切って見切れない関係にあったんですね!
私は今まで二回この博物館を訪れましたが、神奈川県における生糸の歴史など非常に勉強になる場所でもあるのでその辺も踏まえてこの博物館を紹介したいと思います~(*’▽’)
イギリス商館跡に建つ歴史ある博物館
横浜のみなとみらいというと、赤レンガ倉庫やカップヌードルミュージアムや山下公園などなど、デートスポットでおなじみっすよね。街もきれいだし、夜景もきれいなので私もたまに夕方くらいから散歩して、リア充な人たちをよそに風景をカメラに抑えたりしていますが、横浜はそれだけでなく歴史がたくさん詰まっている場所でもあるんですよね!!
そんな中、今回紹介するのは山下公園の近くにある「シルク博物館」です。
横浜とシルクって私は最初は「何か関係があるんか?」と思っていたんですが、実はバリバリあったんすね!
前回の記事にその辺の背景は詳しく書きましたが、開港した1859年以降は外貨獲得のために横浜港から生糸を大量に輸出していた背景があったんですね!
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そんな背景があり、イギリス商館である英一番館が建っていた場所に、横浜開港100周年を記念して建てられたのがシルク博物館だったのです。誕生したのは1959年なので、60年近い歴史がある博物館なんですね~!
こちらは明治時代の地図ですが、この一番という番地に英一番館が建っていて、その後にシルク博物館が建ったって感じっす!
ざっと背景を紹介したところで、さっそく博物館の中に入ってみることにしましょう~!
館内は一階と二階に分かれており、一階には蚕の一生に関してや養蚕業に関して等の説明が展示されており、その他には養蚕で使われていた昔の機具なども展示されておりますよ!
ではでは、ちょっと一つずつ見ていきますかね(*’▽’)
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本物の蚕が飼われているぞ!
まずはリアルな蚕(かいこ)を見ていきましょう。私はあんまり生きた蚕を見る機会ってそんななかったんですが、この博物館では蚕の幼虫が飼われております。
上の写真に「3齢」「5齢」と書いてますが、蚕は産まれると1齢になり、その後は脱皮を繰り返すと+1齢していき、5齢がMAXになります。5齢のあとは繭を作って蛹(さなぎ)になり、その後に成虫になるって流れですね!
そしてこの黒い点々が卵っす。こんな小さい卵から幼虫が最大になった時には体重が一万倍にまで増加するんだからこれぞ生命の神秘って所ですかね!
卵から孵化(ふか)した後は、4回の脱皮を経て繭を作ってその中でさなぎになると、その中で成虫となります。繭から飛び出して成虫として生き延びる期間はわずか三日ほどだとか。。なので、成虫になったら速攻で交尾しなくてはいけません。寿命短すぎないかい??
しかもこの蚕、今では自然界で生き延びることができず人間の手で育てないと生息できないんだそうですよ。
今では飼育法も確立されていますが、蚕は温度変化などに非常に敏感な生き物であり、江戸時代は安定的に繭をゲッツすることができないということで「運の虫」とまで言われたこともあったとか。。
それだけ飼育方法に苦戦していたため、群馬県にある田島弥平旧宅で生まれた「清涼育」や高山社で生まれた「清温育」という飼育法は画期的だったんですかね。この二箇所は富岡製糸場と一緒に世界遺産にもなりましたし!
シルク博物館の一階には、蚕の一生や養蚕の流れなどが書かれています。シルク博物館では、時期によっては先ほどの蚕が繭を作る様子も見ることが出来るんですけどね~。
織り機や繰糸機などの機具もたくさん
博物館にはいろんな養蚕における器具が置かれております。とはいえ、普段見慣れないものが並んでいるので何が何だか分かんなくなりますわ。。
上の写真の機械はケンネル式繰糸機という名称で、何をする機械かと言うと「繭から一本の糸を巻き取る」って流れ。これ、実際に機械動いていて、ひたすら巻き取ってました!!
昔は座繰り器(ざぐりき)という四つの歯車を組み合わせたものを取っ手を回すことで繰糸(くりいと)作業を行っていました。いわゆる人力でですね。しかし、次第に機械化が進み海外から機械が日本に入ってくると、座繰り器は役割を終えていくことになるのですね。
繭から糸を巻き取るため、まずは煮繭(しゃけん)といって繭を煮ることで糸を巻き取りやすくすることから始まり、繭から数本の繭糸を引き出してそれを一本の糸にするって流れですね。
シルク博物館に置いてあるこの繰糸機、群馬県にある富岡製糸場に行くと、フランス式の繰糸器が300個も並ぶ壮大な光景を見ることができます。富岡製糸場は模範工場という役割を持っており、ここから全国に機械化した技術が伝えられていったんですな!
こちらは織(お)り機という機具ですね。この機具によって、糸から織り物が作られていきます。
博物館には、実際に手織機(ておりき)を体験することもできるそうです。スタッフに頼めばできるそうなので、やってみてはいかが??
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着物に使われる繭は9,000粒!?
これちょっと面白かったです。繭から作られる生糸によっていろんな衣類などが作られるわけですが、一つ一つの商品にはどのくらいの繭が使われているかって話っす!
社会人の必需品であるネクタイ一本には、繭が140粒も使われているそうです。私の感想では、思ったよりも多いイメージ。
ちなみに日本で一番ネクタイが作られているのは山梨県なんですね。国産の49%が山梨県東部や富士五湖周辺で作られており、山梨でも養蚕や絹織物の生産が盛んで「甲斐絹(かいき)」というブランドがあるほど。
そして着物一式には9,000粒もの繭が使われているとのこと。こりゃえらい数ですわ。9,000匹の蚕によってようやく着物一式ですか。。まぁ確かに着物となると相当な数が使われているとは思いますがここまでたくさんの繭が使われているとは。。
こうやって原料とかを考えると、我々が普段何気なく使っているものにもそのありがたみや凄さがわかるってものや!