天女や巨大龍が舞う西伊豆の「長八記念館」へ!

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こんにちわ!

日本中の知られざるスポットを取材して記事にしている『知の冒険』。今回は、前回の記事に引き続き、西伊豆にある知られざるスポットを紹介します!

今回も、相当マイナーな場所ではありますが紹介するのは「長八記念館」というスポット。とはいえ「長八って誰やねん・・」という方が大半だと思います。。西伊豆にいると長八の名はちょくちょく出てくるんですが、西伊豆以外だと名を聞くことはまず無いっすからね。。( ;∀;)

西伊豆というなかなか行きづらい場所ではありますが、建物の造りや作品が他所(よそ)では早々見られるものではないですし、メッチャレベルの高いものですのでこっちの方面に来た際には本当にオススメ!

そんな長八記念館を、今回は以下で紹介しますね~~(*´▽`*)

本記事のポイント

・西伊豆生まれの名工・入江長八の記念館
・本堂は築170年で、数々の本物の作品が残されている
・700年近い歴史がある、お寺の本堂が記念館となっている

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記念館と言う名の、お寺

ということで、今回のターゲットは伊豆半島の西側にある松崎町にある長八記念館。西伊豆のスポットを紹介するときはいつもこの話題からですが、とにかくここはアクセスが悪い。。( ;∀;)

伊豆半島は関東からでも関西からでも、電車が通ってない場所ということもあって、車で頑張って突っ走らないとたどり着かないっす。でも、逆にそれゆえ、人も多くないので、静かな場所でゆっくり過ごせるのはいいんですけどね!

私は神奈川県の川崎市に住んでますが、何時間かかったっけな。。神奈川からだと三島とか箱根辺りが渋滞するので、この辺は鬼門なんですよね、いつも。。

天気悪いだけじゃなく、風が強い日でした

んで、長八記念館はこちらになります。。ちなみに、ここは記念館となっていますが、普通のお寺ですww

でもお寺にはレベルの高い職人さんの作品が建物に取り入れられたりして博物館的な場所も多いので、お寺だったとしても博物館と言ってもおかしく無い場所は多いとは思います!

長八記念館は、”浄感寺”という700年近く続いている浄土真宗のお寺。今も檀家さんがいて、法要などの行事も行われるそうです。んで、それ以外の日は記念館として一般公開しているとのこと。

お寺の空間は本当に癒される

こちらの本堂が記念館として一般公開されているわけですが、入館するとスタッフの方が15分くらいかけて館内の見所や記念館の背景を説明してくれます。

この記念館の背景には、二人の主要人物が登場します。その二人とは、入江長八と石田半兵衛!!

長八とは、西伊豆出身の名工である入江長八(いりえ・ちょうはち)であり、石田半兵衛は、前回の松城家住宅の記事にも登場しましたが、三島大社の社殿をも手掛けた彫刻師です。

前回紹介した松代家住宅の記事も、よかったら見てみて下さいね~(*´▽`*)

本堂は築170年という凄さ!

ではでは、記念館の紹介の前に、まずは入江長八について簡単に紹介したいと思います。

西伊豆の名工・入江長八

1815(文化12)年に貧しい農家に生まれた長八。3〜12歳の9年間の期間、このお寺で学問を教わりながら育てられ、12歳の時に左官に弟子入り。そして20歳のときに江戸へと左官の仕事に出かけることになるわけですが、沼津市の戸田にある廻船業で財を成した松城家の船に乗って江戸の深川へと向かったそうです。

そして江戸で左官の仕事をする合間を使って、10年間かけて狩野派の絵について勉強することになるのです。

そんな中、浄感寺の本堂を建て替える話が来ることになります。

先ほどは「浄感寺は700年ほど前から続くお寺っす!」と、書きましましたが、このお寺の本堂は300年ほど前の松崎の大火で焼けてしまい、火事以降は仮本堂のままでした。そこで、今から170年ほど前に新しく建て替える話があり、長八は江戸から二人の弟子を連れて松崎へとやって来るのです。

その本堂建て替えの際につくられた棟札は今も記念館に残っています。ここに世話人の名が書かれているわけですが、、、

長八の名前も、ちゃんと残ってますね

左下には”入江長八”の名が残ってますね。さらには、石田半兵衛の名前も残っているのもわかります。


ということなので、この記念館( = お寺の本堂)は170年前の建物。170年間ものあいだ、保存状態も良好で残り続けているのは本当に凄いことですよね。今の一戸建てなんて、30年経つと資産価値はゼロになりますし、建物の老朽化も凄いですからね。。

見惚れるほど美しい天女が舞う!

ではでは、ここから記念館に残された作品を見ていくことにしましょ~!

まずは、こちらの上部に描かれた美しい天女を見てみますか!

170年前からほとんど劣化してない

こちらは、漆喰で作られた長八の代表作。笛を吹いている姿が実に美しく、青、赤、緑の色合いも素晴らしいですね。この色彩については、以前、東京芸術大学の教授が訪れた際、この彩色は何を原料としているか調査したそうです。

その結果、以下の素材が使われているとわかったそうです!

色彩に使われていた素材
赤色:赤サンゴ
青色:群青(ぐんじょう)→ 藍銅鉱から作られる伝統的な顔料
緑色:緑青(ろくしょう)→ 孔雀石から作られる顔

顔や腕の辺りを見ると、平面ではなく浮き上がっているんですよね。170年もの間、当時のままの状態で保存されている保存状態の良さに驚かずにはいられない!

黒い額も、全て漆喰なんですぜ
至る所に作品がありますわい

本堂の内部には、こうした唐獅子も彫られています。こちらの作品は石田半兵衛のもので、、

こちらの唐獅子は長八の作品とのこと。二つの獅子で「あ」「うん」を表しているようです。

天井に描かれた巨大な龍が見物!

そして、長八記念館の中でも一番インパクトあるのが、本堂の天井に描かれた巨大な龍っす。12畳ほどの大きさであり、巨大な龍が上から見下ろす姿は実に荘厳、圧巻!!

天井に描かれた龍ということで、日光東照宮の「鳴きの龍」を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、そっちとは特に関係ないっす。

12畳分の大きさの龍

こちらは長八が33歳の時に描かれた作品。龍の表情には遠近法が用いられており、見る場所で顔の表情が変わるとのこと。

そのため、四隅それぞれの場所から見ると「優しそうな、穏やかな龍」「怖い表情をした龍」「やつれた、お年を召した寂しそうな龍」「そっぽを向いたような、無関心な」という喜怒哀楽を表してるんですって!

長八の作品を示す印

天井の龍が見物ではありますが、本堂を見渡すとこんな場所にも龍がいました!

圧倒されるハイレベルな彫刻作品

こちらが正面になります

本堂の内部を鑑賞した後は、外にも見所があるということでこちらも見てみることに!どうやら、本堂の柱に石田半兵衛の作品が残されているようです。

ということで見てみたんですが、いや~こりゃマジで素晴らしいっすわ(*’▽’)

こちらの柱には波が描かれていますが、こちらの波の中には亀が二匹いるんですって。わかりますかね??

んで、反対側には、こちらも波が彫られてるんですが、波の中には亀ではなく鯛がいます。

屋根の方には、松竹梅が見られます。もうね、首が痛くなるのも忘れるくらいずっと上を見上げてましたよ(*´▽`*)

こちらにも松竹梅が掘られてます
孔雀が二匹いるのわかります??

この本堂は、全て欅(ケヤキ)を用いられており、これらの彫刻による作品もケヤキを彫って作られています。この作品を作るのにどのくらい時間かかってるんですかね??

先人が残したこれらの作品、これからもずっと残り続けてほしいものです。

庭には長八の銅像も!

そして庭には、長八の銅像が建てられています。明治22年に75歳で亡くなった彼のお墓は、浅草の正定寺というお寺にあり、遺骨はこちらの浄感寺にも分骨されているそうです。

おわりに

はい、以上になります!!

入江長八というめっちゃ知られざる方を取り上げた記念館ではありますが、こういう場所こそ、知の冒険が取り上げるべき場所かと思っています(*´▽`*)

長八記念館の目の前には伊豆の長八美術館がありますし、すぐ近くには「つげ義春ゆかりの宿」である山光荘、さらには同じ町内にある旧岩科学校などたくさんありまっす!

ということで、西伊豆方面に行った際にはぜひ長八記念館など、彼の作品が残る場所を巡ってみて下さいね~~!

ではでは、また次の記事でお会いしましょ~~

詳細・地図

住所 静岡県沼津市戸田72
営業時間 10:00~15:00
入館料 大人(高校生以上)500円、中学生以下 無料
休館日 水曜日
電話番号 0558-42-0481
駐車場 無料
アクセス とにかく遠いです・・
リンク https://chouhachi-mh.izu-westwind.net/

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