こんちわっす!
日本中の知られざるスポットを取材してブログにしている『知の冒険』。今回紹介するのは、神奈川県川崎市にある哀愁漂うビジネス旅館「さかゐ旅館」です!
今ではアパホテルや東横インなどのビジネスホテルがたくさん建つようになってはいるものの、昔ながらのアットホームなビジネス旅館も、探すとちょくちょく残ってるものでして。。
んで、川崎市というと、東京湾沿いには京浜工業地帯が広がっており、多くの工場労働者の方がたくさん働いていて、かろうじて懐かしい旅館も残ってるんですよね!
今回は、川崎市に住んでるにもかかわらず、あえて同じ川崎市にある旅館に泊まってきました(*´▽`*)
でもでも、今では本当に貴重な旅館で、凄く良い思い出になった旅館でもあるので、その「さかゐ旅館」の宿泊記を以下で紹介したいと思います~
同じ川崎市とは思えない異世界感
川崎市って、南東から北西へと細長い形をしてるんですが、多くの方が思い浮かべる川崎市は、東京湾側のあたり、つまりは川崎駅とか工業地帯辺りを思い浮かべる方が多いかもしれません!!
川崎というと、今でも角打ち出来る店も多いですし、堀之内や南町の歓楽街は今も残っていて、労働者の町というかガヤガヤした雰囲気を感じれる場所は多いです。昔はドヤ街もあったりで、そういう時代に比べれば綺麗にはなったようですが。。
さらには、川崎市内にある「吉の湯」あとは、お隣の横浜市鶴見区にはなりますが、「安善湯」という時代錯誤してしまうほどの雰囲気が広がる銭湯も残ってますからね。
と言いたい所ですが、安善湯さんは閉業してしまいました。。無念。。
んで、今回の旅館はJR扇町駅が最寄駅なんですが、ここがケッコーな異世界観を放っている場所です。私も、今回の旅館がある同じ川崎市に住んではいるものの、私が住んでる住宅地とは違い、扇町駅周辺は完全なる工場地帯!!
扇町駅があるのはココなんですが、東京湾側の埋め立て地になってまして周囲は工場だらけ。。コンビニもこの島?にはないので、最寄りのコンビニには車で5分ほど走って橋を渡らないとたどり着けないんですわ。
ということもあって、扇町駅を降りたら周囲の景色はほぼこんな感じ。
同じ川崎市に住んでるにもかかわらず、本当に遠く離れた場所にやって来たかのような錯覚を覚えるほど。。遠い場所に行けば別の世界に来た感を味わうことはできるかもしれないですが、近くても町の雰囲気が変わるだけで異様に旅気分を味わえるものなんですね(*’▽’)
そんな工場地帯に佇んでいるのが、こちらの「さかゐ旅館」。1階に食堂があり、2階が旅館というバイブリッド営業!!
あと、記事を書いてて今さら気付いたんですが、”さかい”ではなく”さかゐ”なのはなぜなんでしょうね??
女将さんに聞いておけばヨカッタ。。( ;∀;)
すし詰め状態だったバブル期
館内に入り、チェックインを済ませ女将さんに部屋を案内していただきました!
部屋は二階なんですが、二階の雰囲気は旅館というか家みたいっすね(笑)
私が泊まったのは、この6畳の部屋。
そしてひと通り宿泊のあれこれについて教えていただいたあと、このタイミングで、いつものように女将さんから旅館の歴史とかを少し聞かせていただくことが出来ました!
さかゐ旅館が創業したのは、戦後間もなくの頃。なので、創業してから75年ほど経っているとのこと。とはいえ、当初は食堂&飲み屋だったそうで、旅館業は40年ほど前から始めたみたいです。
女将さんは35年ほど前にここに嫁いできたとのことですが、昔は周辺に商店街、飲み屋、お蕎麦屋さん、床屋、食堂などがあり、昔はさかゐ旅館の館内に宴会場もあったように、今に比べて人も多くて賑やかだったそうです。
でも、今はそのほとんどの店が辞めてしまい、扇町駅周辺で営業してる店は、さかゐ食堂以外にほとんどないとのこと。。
旅館のある場所からさらに海側に行った三井埠頭には、JR東日本の火力発電所、あとは川崎天然ガス発電株式会社がありますが。昔は大きなプロパンガスのタンクが三つもあって、それを所有していた三菱石油の製油所の従業員がたくさんいたっておっしゃってました。
簡単に言えば、昔は労働者も多くて賑やかだったものの、工場の移転や閉鎖とかで人は減っていったってことっすかね。
私が宿泊したときは私を含めても5人くらいだったと思いますが、バブルの頃は工場地帯で働く人が多く、6畳に三人が相部屋で寝ていたとか。
そして一番多い時は、ひと晩で107人も宿泊したことがあったそうです。密度ハンパないっすね!!
お客さんはこの周辺の工場で働く長期滞在者の方がほとんどで、長期滞在者の方の中では、何年もさかゐ旅館に滞在し続けている方もいるそうですよ!
そして私のように工場関係者以外が泊まりにくるのは、1年に1人か2人くらいとのこと。確かに、工場地帯にわざわざ泊まりに来る方はそうそういないっすよね。
そうした用途で泊まる方が多いので、部屋の中も旅館やホテルではあまり見かけないものも多いです。部屋の冷蔵庫が巨大だったり、こうした洗濯バサミも生活感あっていいですね(笑)
鍵はこのタイプ。ちょくちょく見かけはしますが、旅館の部屋の鍵としては初めて見たかも( ̄▽ ̄)
巨大冷蔵庫が立ち並ぶ通路
部屋を案内していただいたあとは風呂場とかも案内していただきましたが、旅館は奥にめっちゃ長くて、奥に風呂場があるとのこと。
通路の突き当たりが風呂場になるんですが、その間には別館の建物もあるようです。
巨大な業務用冷蔵庫と、タマネギの段ボールが積まれてます。そうそう、北見市はたまねぎの生産が日本一ですからね。
廊下を歩いてる途中に、ワンちゃん現る!!
オリの外から手を出しだすと、慣れた感じで触らせてくれました。
反対側には、もう一匹!!
長期滞在者の方々と夕食を!
食事は17:00から20:00の間に食えるとのことで、17:00を過ぎた時間の早めの夜飯に。この食堂が、また労働者の食堂って感じなんですよね!
さっきも書きましたが、本当に同じ川崎市とは思えない、遠くへ旅した錯覚を覚える光景でしたよ。土日に気分転換したいとか思ってる方であれば、変に遠くの場所とかやたら自然を求めるよりも、こういう場所もいいリフレッシュになりますよ!
マジで!
宿泊客の夕食は決まってるので券売機は使いませんが、メニューが気になって、ちょっと観察。定食、そば、うどん、カレーという労働者の定番メニューのオンパレード!!
あと、こういう力仕事関係が多いということもあって、酒も充実してますな。
席についたとたん、他のお客さんたちも食堂にやってきました。17時に食事って早いっすよね。いつも、朝早いんかな??
普段の食生活が荒れてる人間からすると、野菜が多いのはありがたい!
食堂には献立表もありました。
長期で宿泊する方であれば、旅館で日々献立を考えてくれるのはありがたいっすよね。特に体を動かく事の多い仕事であればコンビニとかだと栄養も偏るし。
夜ご飯を食べた後は風呂へ!
お風呂から出ると、目の前には自販機があったんですが、売っているのは全部お酒で、ほとんどビール!
ってか、全部ビール!
労働の後のビールは最高ですもんね。私はビール苦手なので、風呂上りはコーラとかサイダーに頼っていますが( ;∀;)( ;∀;)
夜ご飯を食べて風呂に入ったあとは、いつものようにテレビを見ながらブログを書き続けてました!
もう何年もこうした空き時間にブログを書く生活を続けていますが、こういう時間が結構幸せな時間なんすよね。でも、テレビ見ながらブログ書くと全然進まないんですけどね(;・∀・)
という感じで夜を過ごし、夜が明けて朝ごはんの時間となりました!
朝ごはんも、夕飯と同じく食堂で頂きます。
今日は日曜の朝ということで朝ご飯を食べるのは宿泊客だけではありますが、平日は朝の6:00から営業ということで、一日の英気をここで養う労働者の方が食べに来るんでしょうね!
翌朝は、メッチャ晴れたのでもう一回パシャリ!
しかし、家から遠くないどころか家と同じ市内にある旅館なのに、町の雰囲気が独特だったからか、大変気分転換になったというか遠くの旅館に泊まりに来た気分でした。
私みたいに長期滞在者でもない方は年に一人くらいしか来ないとのことですが、今では大変貴重な旅館だと思いますので、気分転換や珍しい旅館に泊まってみたいという方にも本当におすすめの旅館です!
おわりに
以上になります!
こうした高齢の方がひっそりと営業しているアットホームな旅館は、横浜では一石旅館や追浜園があったり、都内には三田の春日旅館があるなど、まだポツポツ残ってはいます!
でも、コロナが蔓延していた頃にも多くの旅館が営業してしまいましたし、本当にいつまで営業されているかはわからないので、気になった方はぜひ宿泊しに行ってみて下さいね~!!
自分も博物館めぐりをするかたわら、こうした場所に足を運んで宿の方の話や歴史を残していきたいと思います!
ではでは、また次の記事でお会いしましょ~~
参考文献
詳細・地図
住所 | 神奈川県川崎市川崎区扇町10-2 |
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電話番号 | 044-366-0877 |
駐車場 | 3台くらい(1日700円くらい) |
アクセス | JR扇町駅から徒歩1分ほど |
リンク | https://sakaishokudou.com/ |
コメント
すばらしいレポートです。
こういう視点での、ルポというのは、読んでいて気持ちいいですね。だれにも媚びず、自分の好きなものの魅力を、ただひたすらに伝えていく、すばらしいです。
あと、安善湯はじめ、川崎方面でも銭湯は減りつつあるのですね、さびしい限りです。
引き続きの健筆、期待しています。