まずは、博物館が誕生する背景から!
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1987年に誕生した深海生物博物館
駿河湾深海生物館が誕生したのは1987(昭和62)年のこと。戸田村立造船郷土資料館という博物館に併設されている形で今も営業を続けているって感じです。
この戸田村立造船郷土資料館ってのがまた面白い博物館でしてね。1969(昭和44)年7月1日に開館した博物館なんですが、日本との通商関係樹立のために命を受けたロシア人のエフィミー・ヴァシリエヴィッチ・プチャーチンが入港してきたことに関係する博物館でしてね。
詳しくは今後プチャーチンの話だけを切り出して記事を書こうと思います。
が、簡単にいうと、彼が乗った船が下田へ向かう途中に安政の大地震などのせいで方向転換をせざるを得なくなり、負傷した状態で戸田港へと目的地を変更。ところが、強風などによりあわよくば沈没という所で、戸田村の住民が船員たちを救助するという物語をテーマにしたって感じです。
2015年に上映された『海難1890』という映画にもなった和歌山県串本町で発生したエルトゥールル号の救助物語みたいな感じですね!
この物語は、『海の翼』という小説にもなっていますね~
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駿河湾深海生物館は、そんな博物館に併設して誕生した日本でも珍しい深海生物博物館。
2年ほど前までは、もっとリアルに漁師さんが獲ってきた深海生物をホルマリンにぶっ込んだものが、ただずらららっと並んでいたという、ちょっと不気味な感じの博物館だったそうです。。( ;∀;)
ところが、2年前に魚の専門家などを招いて監修をしていただき、2017年7月に今のような形で「駿河湾深海生物館『ミュゼ ヘダビス』」としてリニューアルオープンしたんだそうですよ!
とはいえ、知名度はと言うとなかなか厳しい感じで、予算的にも厳しくあんまり宣伝ができていないそうなんです。アクセス面もいいとは言えない場所ですし。。
しかも、今は同じ戸田にある「松城家住宅」という明治時代に建てられた歴史的に価値がある建物を6年かけての復元工事している関係で、そこに予算が突っ込まれているそうなんですね。なので、この工事が終わったらこの博物館にも予算が投入されるのでは?という淡い期待をもっているという。
んで、この博物館の重要なポイントは「深海の生物を扱っている」って点なんですよね~!!
すぐそばの駿河湾は日本一深い湾なわけですが、次はその深海に関するお話を
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ココリコの田中さんが名誉館長
そしてさっき、突然パネルが出てきてビックリした田中さんに関して!
何で彼がここにいるのか結構はてなマークだったんですが、実はこの駿河湾深海生物館名誉館長が田中さんなんだそうです。とあるテレビの番組がキッカケで関わりをもつようになり、この博物館が2017年にリニューアルオープンすると決まったときには、東大の海洋学の教授やサイエンスライターの方々と共に館内デザインの監修にも携わっていたんですって!
そしてこの深海魚というジャンル。スタッフさんの感覚だと、今から10年近く前まではあまり世の中でも注目されなかったそうなんですね。魚という観点でいえば、さかなクンの影響は大きかったと思うんですが、それが深海魚というところまで影響は及ぼさずという感じで。。
ところが、テレビで中川翔子ことしょこたんや田中さんが深海魚に関して語ったりしたところから認知度が高まっていったそうです。
しょこたんは、以前俳優と破局した際に「深海魚になりたい」ともブログで書いてたみたいで。。
そんな影響もあってか、沼津港にある沼津深海水族館は、今となっては土日だとめっちゃ人混み状態ですからね。
大正時代から続く佐政水産という、駿河湾の鮮魚を全国各地に出荷して伸びてきた会社が親元であるこの水族館は、深海生物をテーマにした世界初の水族館なんですね!
開館は2011年12月10日であり、駿河湾深海生物館よりも新しいわけですが、沼津深海水族館は生きた深海生物を扱う水族館ってのが一番の特徴。アクセスが沼津港という良い場所であるだけでなく、生きた深海生物を扱っているのが人気のようで、とにかくいつも人が多い水族館なんすわ!
なので、駿河湾深海生物館も頑張ってほしいな〜と!
ここがリニューアルオープンをした時には、田中さんもお越しになって多くのお客さんを迎えして、館内を案内したんだとか。ここのスタッフの方に聞いたんですが、田中さんはカメラが回っていない時でも写真撮影など親切に対応してくれるとても丁寧な方なんですって(*’▽’)
そのリニューアルオープンの様子などはyoutubeにも動画が上がっていますので見てみてくださいね~!
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なぜ駿河湾は日本一深いのか
日本一高い山と言えば、日本が誇る富士山なわけですが、駿河湾は逆に日本一深い湾なわけです。ということで、静岡県のこの辺りは日本一高いと深いがすぐ近くにあるという特別な場所なんですね!
では、駿河湾は何で日本一深いのか??
駿河湾は一般的な海の深まり方とは異なっている特別な場所であり、西の御前崎側も東の伊豆半島側も海岸のすぐ近くから急傾斜で深くなる特別な地形になっているんですね。そんで、駿河湾は日本一深い湾でもあるわけです。
な〜んでそんな地形になっているのかというと、それは駿河湾が海溝の一部であるためなんですね。
日本の周囲にはユーラシアプレート、フィリピン海プレート、太平洋プレート、オホーツクプレートの四つのプレートがあるわけですが、駿河湾はユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界に位置しているわけです。
んで、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んで海底が引き下げられていることで、湾口の最深部で水深2,500mほどに達するんですね!
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戸田村名物のタカアシガニ
いろんな深海生物を展示しているわけですが、その中でも戸田で一番有名であり地元で愛されているのが”タカアシガニ”っす。駿河湾での水揚げ量が日本一であり、大きさも世界最大。
高級食材として知られているこのカニは駿河湾の名産でもあり、この博物館がある戸田(へだ)は水揚げ量世界一を誇っているそうです。さらには、このカニを最初に食材として利用し始めたのも戸田なんですな!
というのも、今では高級食材として知られていますが、実はこのカニ、他の種類のカニと同様に生きたまま茹でると関節が外れて水が入り肉がドロドロになって食べられなかったそうな。。そのため以前は”ミズガニ”と言われていて、獲ってもゴミとして捨てられていたんだそうです。
しかし、戸田村にある旅館のおじいさんが「これを何かにいかせないか?」ということで、捨てられていたカニをどうしたら食べるのかを研究した結果、50年ほど前から現在のように食用になったとか。
戸田の場合は9月の解禁から5月までの期間のみ漁が可能で、産卵期は捕獲禁止に。そして、お店に出るのはほぼオスであり、獲ったメスに関してはタグを付けて再び海に戻す。メスは産卵があるという点があるだけでなく、漁協の管理のもとでタグをつけたカニがどのくらいの期間をかけてどこに行っているのかを調査するという生態調査という意味もあるんだそうです。
一ヶ月経って駿河湾にいるカニもいれば、千葉県沖や御前崎の方まで行くかにもいるんですって!
そんなタカアシガニ、戸田では獲って食うだけではなく、このような甲羅(こうら)を使ったお面作りも行われているようです。「タカアシガニ お面作り体験」という教室が開かれていて、この博物館だけでなく、戸田にある食堂でも見かけたりも!
それだけ、タカアシガニは地元に密着してるんですな~。
地元密着型の博物館なのだ
そんな駿河湾深海生物館。ここは地元の漁師さんとのつながりも強く、博物館の方が「あれとかが欲しい!!」と言うと、仕事関係なく善意で深海生物を揃えてくれるのだという。
博物館を一通り鑑賞した後、受付で係りの方とそんな話をしていたら、奥からあるものを持ってきてくれました。
それがこちら。
漁師さんは、生き物を獲ってくれるだけでなく、こうして標本樹脂を作って生涯学習課の活動の一環で、子供たちを集めて生物関して色々教えてくれるのだという。
また、展示してあるものの中には、見るだけでなく実際に深海生物に触ることもできるんですね。受付の方に声を書ければ触ることが出来るようで、これは子供たちにとってはうれしいんじゃないですかね!
こうやってただ見て終わりではなく、博物館の方がとてもフレンドリーというのがここの良い所!!
お客さんはさほど奥ないので、結構じっくりゆっくり鑑賞することもできるので、気になった方はぜひぜひ行ってみてくださいね~(*’▽’)
おわりに
かなり行きづらい所にあるということもあり、多くの方に存在を知られていないこの博物館。スタッフの方が親切に色々教えてくれるし、人も少ないのでじっくり観察できるということで私はこう言ったスポットが本当に好きでしてね。
とはいえ、全く人が来ないわけではなくポツポツお客さんはやってくるみたいですけどね。私が帰ろうとした時も、子連れ客が訪問してましたし!
近いうちには行けないかもしれないですが、また行ったときはスタッフさんにいろいろ話を聞こうかな。深海魚ってまだまだ謎な部分が多いらしく、その辺をもっと調べてみたい( ´ ▽ ` )ノ
参考文献
詳細・地図
住所 | 静岡県沼津市戸田2710−1 |
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営業時間 | 09:00~16:30 |
入館料 | 大人 200円 小・中学生 100円 |
休館日 | 水曜日・祝日の翌日・年末年始 |
駐車場 | 無料 |
電話番号 | 0558-94-2384 |
アクセス | 沼津I.Cから車で80分くらい |
リンク | https://www.city.numazu.shizuoka.jp/kurashi/shisetsu/zosen/shinkai/index.htm |