16年に及ぶ難工事!東海道を繋ぐ「丹那トンネル」に秘められた数々の物語

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丹那トンネルで何が変わったか

これほどの大工事だった丹那トンネル。ただ掘削しただけでなく、このトンネルの開通は周囲にもいくらかの影響を及ぼしています!

御殿場線が誕生

東海道線は、1934年以前は現在のルートとは違い、上記のルートを通っていました。しかし、このルートは天候によって運行が厳しくなることと、勾配が厳しいため良いルートではなかったのです。
そこで、現在のように熱海を通るルートが考えられました。このルートを通るためには丹那断層をぶち抜く必要があるため、丹那トンネルの工事が始まったのです。
そして、1934年の丹那トンネル完成と共に、国府津−沼津間は東海道本線から支線となり、新たに御殿場線と命名されたんだそうですよ!

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周囲が酪農地帯に変身

丹那トンネルを掘削していた際に悩まされたのが、出水事故。あまりにも大量の出水がおこったため、水抜きのための副トンネルも作られたほど。という感じで、とんでもない量の水が出てしまったことにより、なんと丹那盆地の地下水が枯渇してしまい、丹那盆地は渇水となってしまったのです。
元々、丹那盆地では豊富な水を使ったワサビや稲作を行っていたものの、渇水によってこれらが栽培できなくなってしまい、鉄道省からの補償をもらって酪農地帯に変身したのです。
上図のように、丹那盆地には牧場等がいくつか存在します。
▲酪農地帯になったことで誕生した「オラッチェ」
ここは丹那盆地にある中で一番大きい酪農スポットである「酪農王国オラッチェ」です!
「オラッチェ」って何だ?って感じですが、まあそれはいいとして(笑)
ここでは、乳しぼり体験が出来たり、ヤギにも触れあえたりできるスポットなのです。
また、ここではブランド牛乳でもある丹那牛乳もあります!この丹那牛乳は明治14年創業で130年もの歴史があるんだそうです(#^.^#)
せっかく現地に行ったのだから、牛乳飲んでおけばよかった・・。

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近くを通る丹那断層について

丹那断層は、上図のように東海道線や東海道新幹線を南北に垂直にぶった切っている断層です。1930年に丹那断層によっておきた北伊豆地震は、丹那盆地の地下160mで掘り進められた丹那トンネルの工事現場も直撃しました。
そんな丹那断層に関しても、学んでまいりましたので以下で詳しく解説しようと思います!!

丹那断層がおこした北伊豆地震

丹那断層は今から85年近く前に、伊豆で大きな地震を起こしています。それが、1930年11月26日4時2分に発生した「北伊豆地震」です。
▲丹那盆地を貫く「丹那断層」
この北伊豆地震では、断層に沿って場所には2mを超える横ずれが生じたようです。この地震の後、断層の発掘調査が行われ、過去8,000年間の間に9回の地震があったことが分かり、700~1,000年に1回程度の間隔で大地震を発生させてきたことが分かりました。

丹那盆地に位置する丹那断層公園

丹那盆地には、丹那断層のずれを確認することができる丹那断層公園があります。
丹那盆地を現した模型が野外にむき出しの状態で展示してあります(笑)
で、丹那断層はこの公園内を見事にぶった切っているわけであります。その断層の線がこちらだ!公園内に点々と矢印が置かれているが、この線に沿って断層が通っているのです。
で、ずれが確認できるのがここ!
どのようにずれているかおわかりだろうか??
このようにずれているのである!!おわかりいただけただろうか。石の位置が見事にずれていますな!
で、この写真でもずれが確認できるのだ!どのようにずれているかおわかりだろうか??
このようにずれているのである!!おわかりいただけただろうか。こちらも石の位置が見事にずれていますな!
また、この断層地下観察室では、むき出しの断層を確認することができるのです!!
中央部分に溝があるが、これが丹那断層です!このように、この公園では西伊豆地震による多くの痕跡が確認できるのです!

火雷神社で見る断層のずれ跡

▲丹那断層のずれを確認できる「火雷神社」
丹那盆地の北側に位置する田代盆地には、「火雷神社」という神社が建っています。この神社でも、丹那断層公園と同様に断層のずれを確認することができるのです。
周囲が木々に囲まれたこの神社は、西伊豆地震の痕跡が見れる場所ではあるものの誰もいませんでした!ここに人が来るのか?と思ってしまうような場所にひっそりと建ってましたぜ!
で、問題のずれはこちらだ!階段の下部が不自然にずれていますが、これが地震によるずれなんだそうです!
とまあ、こんな感じで丹那トンネル上部に位置する丹那盆地には多くの地震の痕跡が確認できるのでした!

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おわりに

丹那トンネルという1つのトンネルに焦点を当てましたが、その1つのトンネルにも多くの物語が隠されていました。
このトンネル工事によって多くの方が犠牲になっていますが、東海道線や東海道新幹線で容易に東西の移動ができるのも、彼らのおかげだということをこれから先の時代にも伝えていければと思います。
我々の日常にある様々なものは、よくよく掘り下げてみると多くの方の努力によって存在しているものは非常に多いです!そこに気づけるか気づけないかで、普段の物の見方も変わってくると私は思っています。これからも、そんなことを思いつつ、まだまだ知の冒険は続いていきそうですぜ!!

参考文献

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詳細・地図

住所 静岡県田方郡函南町畑
リンク https://ja.wikipedia.org/wiki/丹那トンネル
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