鉱山の繫栄から誕生した芝居小屋「康楽館」を堪能!

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こんちわっす!

日本中の知られざるスポットを取材してブログにしている『知の冒険』。今回紹介するのは、秋田県小坂町にある「康楽館」という芝居小屋っす!

この康楽館は、”現役最古の木造芝居小屋”であり、明治43年に創業してから実に100年以上もの歴史を刻んでいるんですね。

建物が大変素晴らしいだけでなく、今も現役の芝居小屋として歴史ある建物で芝居を見学できる本当に貴重な場所なんすよ。んで、私も芝居を見学しただけでなく館内ツアーも堪能してきたので、康楽館はなぜ秋田の田舎町に建てられ今まで歴史を刻んできたのか??

以下で紹介していきますね~~(*´▽`*)

本記事のポイント

・小坂鉱山を経営していた藤田組のポケットマネーで誕生
・外観は洋風、館内は和風と和洋折衷な素晴らしい建物
・現在も芝居が日々行われており、館内ツアーも大好評だ!

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閑静な田舎町に豪華な芝居小屋が!

ということで、今回紹介するのは秋田県小坂町にある康楽館。秋田県の小坂町って、世の中的にも全然メジャーな町ではないと思いますので、まずは地図から見てみることにしましょう!

はい、ここっすね!

秋田県の北東部に位置してるんですが、青森県にも隣接しており十和田湖をも含む田舎町なんですが、こんな場所に、明治43年に町のシンボルとして康楽館は建てられたわけです!!

その建物がこちらなんですが、マジで外観素晴らしくないっすか!?

素晴らしい洋風の外観だけに、館内もどんな造りになってるのかとにかく気になりますわ!!

旗があると活気がありますね

今回、私が訪問した際には藤田弓子さんの劇団が芝居をしていたときでした。といっても、藤田弓子さんって私は世代じゃないということもあってか、初めて名前聞きました。。(;・∀・)

こうした場所で芝居を見るのは初めてということもあり、これはこれは貴重な経験で楽しみでありますわ!

入り口はこんな感じっす

今回、私は小坂鉱山事務所と康楽館のセットでチケットを購入しました。小坂鉱山事務所で受け付けは済ませているので、早速中に入ってみることに!!

ずっと見ていられますわ

おお~、、中に入って早速、館内を見渡せる二階に上がってみたんですが、これは素晴らしいですわ(*´▽`*)

座布団は少し間隔が空いてますが、まだコロナの時期ということもありソーシャルディスタンスですかね(笑)

んで、これから康楽館についていろいろ紹介していくんですが、まずは「なぜ、小坂町に康楽館が建てられたのか?」という話から紹介したいと思いまっす!!

鉱山会社のポケットマネーで爆誕!

なぜ、田舎町だった小坂町に康楽館が建てられたのか?

それは、この町に”小坂鉱山”という巨大な鉱山があったことが大きな理由だったんですね!

その名は「小坂鉱山」!!

藤田組の社長・藤田伝三郎

小坂鉱山は1861(文久元)年、小林与作という人物が銀鉱石を発見したことに始まるとされています。官営として運営されていた小坂鉱山ですが、赤字操業になったことで民間に払い下げられることとなったんですが、そこでこの鉱山の運営を引き受けたのが大阪の藤田組でした。

藤田組のもと、「小坂鉱山は佐渡金山を抜いて日本一の銀生産を記録」→「銀が枯渇」→「黒鉱に活路を見出し、銅鉱山として復活」という流れを辿っていくことになります。

小坂鉱山事務所に展示されている黒鉱

黒鉱とは、金、など15ほどの金属を含む鉱石。これによって、小坂鉱山は日本三大銅山の一つに含まれるほどの、世界有数の鉱山となってわけです!

小坂鉱山の背景に関しては、次の小坂鉱山事務所の記事で詳しく説明しますね。

東北で二番目に大きかった小坂の病院

小坂鉱山の繁栄はとにかく凄かったみたいで、秋田県の小さな町だった小坂町には、明治の時代に藤田組の財力によって電気、そして水道が通り、しかも町民はこれらのインフラがタダで利用できたという。さらには、東北で二番目に大きな病院が建てられ、警察、さらには鉄道まで藤田組の資金で作っちゃったんですね!

もはや藤田組によって小坂町は支えられたわけですが、当時はテレビやラジオなど娯楽がない時代。。

そこで、すさまじい財力を持っていた藤田組は、小坂鉱山の社員、さらには小坂に暮らす町民の方々の娯楽施設として、藤田組のポケットマネー15万円で建てられました。

ちなみに、15万円はあくまで当時の額であり、今に換算すると7億円ほどとのことです。

ギュウギュウ詰め過ぎでしょww

ちなみに、小坂鉱山事務所にはこんな写真が展示されてるんですが、最盛期にはこんだけの多くの人が詰めかけたそうですよ!

しかしとんでもない密度ですな(;・∀・)

外観は洋風、館内は和風

康楽館が建てられたのは、小坂鉱山が開業した5年後に建てられました。擬洋風建築として、外観は白く華麗な造りとなっているものの、館内は劇場ということで和な造りになっている和洋折衷の建物。

外観は大きな切妻屋根に、窓は上げ下げ式。

屋根の先端には擬宝珠が付いている

ちなみに、建物の裏を見ると、あらビックリ!!

木造部分がモロ見えになっていますが、なんかこのギャップが微妙に萌え萌えになってしまいますわww

康楽館は、一階と二階、各階300名ずつの600名を定員としています。開業当時はここしか娯楽施設が無かったことから、大変多くのお客さんが足を運んでいたそうです。

と、は、い、え、、

時代が進むとともに康楽館の建物は老朽化していき、さらには大正時代にはラジオ、そして戦後にはテレビなど娯楽が普及・多様化していったことで、1970(昭和45)年から10年以上もの間、この建物は使われなくなってしまうこととなります。。

ところが、そこから2億2千万円もの費用をかけて改修が行われ、昭和63年に復活。そこから毎年芝居や大衆演劇が開かれ、年に一回か歌舞伎も行われるなどして、今に至っているという歴史ですね。

芝居が毎日行われる唯一の劇場!

小坂鉱山の歴史を紹介したところで、続いては、今でも日々行われている芝居について紹介したいと思います!!

藤田弓子さんの演劇を鑑賞

さっきもチラっと紹介しましたが、私が訪問した2022年のGWでは、藤田弓子さんの劇団がお芝居をしていました(*´▽`*)

詳しくは康楽館のHPを見ていただければと思いますが、康楽館では4月~11月の間は毎日芝居が行われています。毎日ってすごいですよね!!

大人であれば2,200円で芝居を鑑賞できるだけでなく、芝居の前後には康楽館の館内すあーも開かれているので、スタッフの方の解説付きで奈落や楽屋裏なども見ることが出来るんですよ(*´▽`*)

芝居の最中であっても、ビデオ撮影はNGですが写真撮影はOK!

いや~こうした芝居って鑑賞するの初めてだったんですが、やっぱりこういう雰囲気延ばしで之芝居は良いっすね。

芝居の最中は、こうして花道にやってきたりと、プロレスの場外乱闘のごとくいろんな仕掛けで楽しませてくれます!!

芝居が終わり舞台に幕が・・

芝居も何章かありまして、芝居、裏、チャンバラなどなど、いろんなものを織り交ぜながらで、だいたい1時間30分くらいですかね。神奈川ではこうした芝居小屋は近くに無いですし、本当に貴重な経験をさせていただいたな~と思います。

藤田弓子さんを含む五名の方の気合の入ったお芝居、大変お見事でした!!

素晴らしい康楽館の造りを堪能!!

ではでは、最後に康楽館の館内を紹介して本記事を終えようかと思います。

1時間30分ほどの芝居を見た後は、スタッフの方が解説しながら館内を案内してくれる館内ツアーがあるとのことなので、もちろん参加してきました(*´▽`*)

館内ツアーは、二階からスタート!

では、以下でスタッフの方に案内していただいた順で、記事でも紹介していきますね。

マナーの悪いお客さんの痕跡が・・

二階のこちらの段々になっている席は「向こう桟敷(さじき)」といい、一番奥の桟敷を「大向う(おおむこう)」と呼んでいるそうです。

一番奥で舞台から遠く料金が安いことから、芝居好きの常連の席となっており、掛け声をかけたり、ここから「大向うを唸らせる」という言葉が生まれたみたいっす!

そして二階の席の一番前にはこうした溝がありましてですね。昔は煙草盆や脱いだ履物を置いていたり、あと寒いときはここに火鉢を置いたりして暖をとっていたそうです。

なるほどね~~

ただ、ここには昔のお客さんの名残りがありましてですね。ちょっと穴が開いてる部分と、黒い塊みたいなのがいくつか見られるのわかりますでしょうか??

これ、何かというと、穴が開いてる部分はキセルの火消しに使われていたようで、そして黒い塊は客が吐き出したガムとのこと。。キセルの火消しって、よく火事にならなかったな。。

天井だけは洋風感を・・

階段を下りてきて一階に!

一階の席は桟敷(さじき)という名称がついてるようです。桟敷は、奥に行くにつれて微妙に坂になっており、これは後ろの席でも見やすいための工夫。あと、一階の両側には花道があるんですが、ちょっとこの角度からはわかりずらいっすね。。

ということで、上から見下ろしてみます。舞台に向かって左側(写真左)に見える太い道が大花道、そして右側にも道がありますが、こちらは仮花道。

仮花道は仮設であることがおおく、康楽館のように常設なのは結構珍しいみたいっす。

天井だけ洋風なんすわ

そんな館内の目線を挙げると、天井がこうした洋風チックな造りとなっています!

何で館内の中で、ここだけ洋風にしたんでしょうね~??

建物の隅には、大量の座布団が積まれとりましたww

続いては奈落の底を・・

一階を見たところで、続いては奈落(ならく)へとやって来ました。「奈落の底」って言葉がありますが、この「奈落」とはこの舞台の造りが語源となってるみたいっすね。

写真だけだと館内のどこを歩いてるのかわかりずらいですが、先ほどの大花道の下を歩いてる感じです。

奈落の壁には、今まで康楽館で行ってきた歌舞伎のポスターが展示されていました。康楽館では、昭和61年から年一回、歌舞伎を行ってきたんですが、その歴史がココに残っているんですね!

歌舞伎に詳しくはないが、水戸黄門は知ってます
これを人力で回すとは・・

そして、奈落の奥にあるのがこちら。そう、康楽館の舞台は「回り舞台」になってまして、その仕組みはこんな感じになっているというわけです。昔の建物ということもあって、舞台を回すのは電気などではなく人力。。(;・∀・)

そしてこれ、元々は四人で回していたそうなんですが、現在は人材不足ということで二人で回しているそうです。。まじか、私だったか確実に筋肉イカレてしまいますわww

さらにいうと、怪力な人間であれば一人でも回せるらしいっす。とはいえ、実際に肉離れをおこした方もいるらしく、やっぱりかなりな重労働であるのは変わりなさそうですわ。

この棒で回すみたいっす

んで、どうやってこの回し舞台を回すのかというと、この棒をつかんで回すみたいっす。

下には車輪が付いているので、これで滑らかに回しているって仕組みみたいっす。なんか、実際に回している様子を見てみたくなりますわ。。(;・∀・)

役者たちが残した落書きが名物

扇風機がちょっとレトロっすね

奈落を上がると、舞台のそでに出ます。こちらは、先ほどの部隊で使われていた衣装ですかね。凄く煌びやかな衣装ですが、舞台裏にこうして置かれていると何か哀愁を感じるのは私だけ??

こちらも舞台で使っていた道具ですね。

スタッフとツアー参加者たち

先ほどは、奈落にて回り舞台の下の部分を見たと思いますが、康楽館の舞台は回り舞台となっていまして、まさにこの辺りの場所がグルっと回るようになっており、芝居の時にもこれを使った演出が登場したりします!

舞台が回る演出は結構迫力あるので、これは見る価値ありっすよ(*´▽`*)

舞台からはこんな景色なんすね

この辺は、幕を下ろすためのロープでしょうかね??

そして、舞台の奥にあるのがこちらの楽屋裏。昔ながらの楽屋という雰囲気であり、なんかすごく歴史を感じる空間です。

今は文化財なので書くことはできないっす

そしてこの部屋の大きな特徴がこれなんですが、こちらは出演者の方が書き残していった落書き。とはいっても、便所の落書きとは違って、まさにこの落書きが康楽館の歴史を感じさせてくれるんですね!

落書きを見ては、どんな方がどんなメッセージを書き残していったのか、思わず見入っちゃいますわい。

き、金八先生!!

そんな落書きを見ていて私が気になったのが、武田鉄矢さんの落書き。彼のバンド「海援隊」も、ここでライブをやったんでしょうね。私は金八先生のドラマのファンということもあり、なんだか武田鉄矢さんには親近感が湧くんすよね~~

お馴染みの小遊三さん、木久扇さんの名も

こちらは落書きではなく色紙ですが、あの人気ご長寿番組『笑点』のメンバーによるもの。

という感じで、館内ツアーは20分ほどで終了。最後は入り口にて解散となりました!!

入り口にはお土産が売ってもいますし、、

そば食いたかった・・

あとは、立ち食いそばまであるんですよ(*´▽`*)

小坂鉱山事務所を鑑賞してきて、さらには芝居も観たということで小腹が空いていたんですが、、平日は開いてないということで無念の断念。。

開店してたら、天ぷらそばを食ってたかな・・(;・∀・)

マジで来てよかったわ

ということで、これで紹介したいことは一通り書きましたかね!!

いや~改めてですが、本当に貴重な経験をさせていただきましたわ。私は神奈川県に住んでるということもあってそうそう来れる場所ではないことから、GWの休みを使って念願の訪問となりましたよ(*´▽`*)

康楽館だけでなく、次の記事で紹介する小坂鉱山事務所、さらには廃線となった小坂鉄道を利用した小坂鉄道レールパークなど、見所たくさんあるので、ちょとでも気になった方がいらっしゃいましたら、ぜひ小坂町に行ってみて下さいね~

おわりに

はい、以上になります!

今の時代、芝居小屋は全国を見てもかなり少なくなっているだけに、康楽館の建物は本当に貴重だと思います。それに、冬の時代以外は毎日芝居が行われているので、こちらも足を運んだ異才には是非鑑賞してみて下さい(*´▽`*)

んで、この記事には続きがありまして、次の記事では康楽館のすぐ近くにある小坂鉱山事務所を紹介したいと思います!

小坂の町を繁栄させた小坂鉱山とはどのような鉱山だったのか?

次の記事まで、しばしお待ちいただければと思います<m(__)m>

参考文献

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詳細・地図

住所 秋田県鹿角郡小坂町 小坂鉱山字松ノ下2番地
入館料 【常打芝居公演(施設見学付)】
大人(高校生以上)2,200円
小人(小中学生)1,100円
【施設見学のみ】
大人(高校生以上)660円
小人(小中学生)330円
開館時間 10:00~17:00(最終入場16:30)
休館日 年末年始
駐車場 無料
電話番号 0186-29-3732
アクセス 東北自動車道の小坂ICから、車で5分ほど
リンク http://kosaka-mco.com/

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