【超貴重】昭和レトロ満載の元遊廓建築「旧川本家」は、遊び心が詰まった大正建築物だった!!

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今まで知の冒険では、遊郭跡の歴史を発掘する記事を多数書いてきましたが、今回は実際の遊郭だった建物に関する記事になります。
その建物とは、奈良県大和郡山市にある「旧川本家」という建物でありしかも3階建ての木造建築物。今現在は大和郡山市が買い上げて市の所有物になっていますが、これは2018年1月からということでわりかし最近に公開した建物なのです。
ということで、そんな貴重な元遊郭建築物の旧川本家に訪問して、係りの方にめっちゃ解説していただいたので、その辺の情報を以下でぶちまけたいと思います!!!
本記事のポイント

・旧川本家は奈良県にあった洞泉寺遊郭にあった川本楼という遊郭だった
・遊郭廃止後は、下宿先となり今もその痕跡が残っている
・今は大和郡山市が買い取り、無料でかつスタッフの方が歴史を丁寧に解説してくれるぜ!!

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旧川本家に早速訪問!

▲今は亡き、金魚鉢電話ボックス
金魚の養殖として有名な、奈良県の大和郡山市。ここ最近では、もうなくなってしまいましたが金魚鉢の電話ボックスがありこれが日本だけでなく海外からもこれを目当てに訪れるお客さんもいたほど。色々と問題があってこの電話ボックスはなくなってしまいましたけどね。。
旧川本家はそんな大和郡山にあるわけです。私が今回の記事を書くために訪問したのは2018年のゴールデンウィークである2018年5月1日でした。車で来たので近くのコインパーキングに停めての訪問です。
↓↓ちなみに、金魚鉢電話ボックスがあった時代の様子はこちらです
これよこれ( ゚Д゚)
いや、しかし外から見ても建物めっちゃでかい!さすが3階建てだけありますね!よくこんだけの建築物が今でも残っているもんだわ。
▲ネットでも話題になった「猪目窓」
そして、あれですよあれ!この窓はネットとかでも結構話題になったらしいですよ!!あとで詳しくでてきますが、あれはハートではなくて猪目窓(いのめまど)という日本古来の伝統模様なんですけどね!
では、早速中に入っていくことにしましょう!

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まずは旧川本家についてを簡単に!

この建物は遊郭専門の建物。大正13年に建ったということで、築94年が経つという。旧川本家は奈良県にあった公認遊郭街の一つである「洞泉寺遊郭」にあった遊郭になります。ここの遊郭には16人の女郎さんが働いていたようです。
遊郭として栄えていたときは多くのお客さんで賑わっていたんでしょうね~!で、他の遊郭と同様に1946年の公娼制度廃止とその後の売春防止法の施行(1958年に完全施行)によって売春宿は廃業することになります。
廃業した後は下宿先として生きながらえていたとのこと。しかし下宿する人がいなくなり、その後は長い間空き家になっており解体するという話が出たようなのですが、1999年に大和郡山市が買い取ったんですね!というのも、しばらく空き家になっていたものの頑丈のまま残っていたということで買い取る価値があるという流れになったそうです。
当時遊郭を建てた値段は1億5000万円から8000万円だったそうで、大和郡山市が買い上げた値段は8700万円で、さらには耐震工事は7800万円。これを、大和郡山市の税金でまかなったという。
ただし、長い間空き家だったということで、買い取る前は市のボランティアの方が清掃をしてくれて、10年もの年月をかけて建物を綺麗にしたという。そして4年前に登録文化財に登録、平成28年から30年にかけて耐震工事を行い、2018年1月10 日にリニューアルオープンしたそうな。
こんな法被もかかげられていますが、お宅の名前が旧川本家というだけあって、ここの遊郭は「川本楼」という名前でした!!
▲今回、案内してくださったスタッフの方
ここでは、ボランティアのスタッフの方がいてすんごく丁寧に旧川本家に関して解説してくれますよ!!特に、私が訪れたのは平日ということもあってお客さんが少なかったこともあったからか40分以上にわたって解説してくれました(*’▽’)
スタッフの方、本当にありがとうございました~m(__)m

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旧川本家の内部を詳細に紹介(1F)

ということで、スタッフの方に超絶に解説していただいたので、流れに沿って説明していきたいと思います!まずは、受付から2Fに上がるまでっす!!

ハートの窓で、お客さんを確認!

まずは玄関から!扉を開けるとこんな感じになっており、中を進むと早速受付があります!受付では、どの女性にするかと、どのコースにするかを選ぶんですね!
ちなみに、受付はこちら。今現在は西洋文化を受けた影響から足を折り曲げずに座る文化になっていますが、その前は畳に正座して座っていましたからこんな机なんですね!そろばんも置いてあるのがとても風情を感じますな(*’▽’)
一方、受付のこちら入り口方向には襖(ふすま)にハートの形で擦られずに残っている部分がありますな!!何でこんな風になっているか、みなさんわかりますでしょうか??
これは、こうやってどんなお客さんが来たかを確認するためののぞき窓なんですね!!ただこれ、お客さん側からもこちらがのぞいているのが分かってしまうので、マジックミラー的な感じではないんですけどね。。
お客と目が合って、気まずくなっちゃったりしなかったんでしょうか?( ;∀;)
▲遊郭時代の川本楼のメニュー表
そして、こちらがメニュー表になります。飲食代と花代(遊び代)が書かれていますね。このまま値段を見てもイマイチ価値が分かりにくいですが、これは国家公務員の初任給が75圓だった頃のお品書きになります。
一番左に書かれている「つきだし」とは「つまみ」のことです。そして、花代の一番左に書かれている「繼キ花」とは延長料金のことだと思われます!「繼」は「継」の旧漢字なようですが、旧漢字どんだけ画数多いねん( ;∀;)

受付を済ましたら2FへGO!

女性とコースを選んだら、2Fへと上がります。ただし、ここで面白い作りを見ることができるんですね!部屋を挟んで2Fへと上がる階段が2つありますが、これは何ででしょうね??
それはこんな理由です!女郎さんとお客さんで2Fへ上がる階段が分かれているんですね!!今ではここに仕切りはありませんが、当時はここに仕切りがあって左側は(お客さんは)見えない仕組みになっていました!!
▲女郎さんが張見世をしていた部屋
というのも、左側は女性の張見世(はりみせ)のお部屋になっていたんですね。張見世とは、今でいう飛田新地みたいな感じで女性が外の窓に向かって並び、それを見て男性がどの女性にするかを選ぶ仕組みです。
ただ、大正時代になると人権問題ということで張見世は禁止になり、それ以降は今の風俗店のように写真で女性を選ぶ仕組みに変化していきます!
ではでは、2Fへと上がっていきますかね!!

旧川本家の内部を詳細に紹介(2F)

2Fから上は、実際に女郎さんがお客さんを相手にしていた部屋などそれようの空間となります!ではでは、その内部を紹介していきましょ~!

ハート形の窓で女性は身だしなみを整えた!

2Fにあがると、いきなり巨大な丸窓がお出迎え!
丸窓を見ると、本当に風情を感じるというか癒されますな~。窓の形だけでなくて窓内の木がひし形状にクロスされている様がもう何とも言えないっす!!萌えるわ~~
▲髪結場から見れる猪目窓
そしてこれですね!綺麗なハート形にくりぬかれている窓ですが「ハート窓」とかいう名前ではないのです。
ハートの三連型の窓であり、桃尻とも言われていますが、正式名称としては猪目窓(いのめまど)と言うそうで、1400年前から神社仏閣で使われている文様なんだそうですよ!何と言っても、まだ西洋や欧米文化がない時代ですから「ハート」という言葉もマークもまだない時代ですからね!!
そして猪目窓が見れる部屋は何の部屋かというと「髪結場」でした。つまり女性が髪を結い直すなど、身だしなみを整えるというお部屋ですね!!
建物の配置図を見ると、ちゃんと「旧髪結場」と書かれていますね!この配置図は遊郭時代のものではないので、髪結場に「旧」と書かれています。

2Fは庶民レベルのお客さん用だった!

こちらの広い部屋は、お客さんの待合室。先ほどの階段を上がった後はここで女性が来るのを待つ形になります。他のお客さんと一緒になると思うのですが、どんな空気なんですかねww
今みたいに、スマホをいじって待つわけにもいきませんし、新聞とかそんな時間つぶしのものでも置いてあったのかしら??
では、女郎さんがいた部屋へと向かうことにしましょう!
▲女郎さんがお客を相手にしていた部屋
そしてこの部屋がいわゆる女性と男性が嗜む部屋でした。部屋数は、3階には全部で9部屋あり2階には7部屋あったので全部で16部屋、つまりここの遊郭には16人の女郎さんがいたんですね。
ここで働く女郎さんには、これらの部屋が一つ与えられており、お客さんとここで過ごすだけでなく、その部屋は女性自身が暮らしている部屋でもあったわけです。そのため、お客さんからしたら相手の女性の家にそのまま忍び込んでいる感覚と変わらないわけですね!!
そしてここの項目に書いてあるように、この遊郭のお客さんでは3階のお客さんは金持ちのお客さんが多く、2階のお客さんは庶民のお客さんが多かったとのこと。そのため、後で出てきますが3階にはお金持ちの方達のための宴会場もあるんですよ!
続きはこちら!最上階の3階はお金持ち向けだった!?
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