こんちわっす!!
今回は、またまたまたまた銭湯の記事になります。もう普段どんだけ銭湯行ってんだってくらい入りに行ってるわけですが、今回紹介したいのは山梨県甲府市にある「喜久乃湯温泉」っす!
山梨県ってもう銭湯は12軒しかないみたいなんですが、ここは大正時代創業のレトロな雰囲気の銭湯なんですよ!
そして喜久乃湯温泉は、なんと言っても太宰治ゆかりの銭湯ということでも知られている歴史ある銭湯なのです。
ということで、今回もいつものようにご主人さんに取材して湯船を堪能してきたので、以下で紹介しますね〜!
見出し
甲府にひっそり佇む老舗銭湯
今回の舞台は甲斐の国である山梨県の甲府市っす!
山梨というと、食い物でいえばほうとうとか信玄餅、あとは桃とかブドウ狩り、あとは富士山とかでしょうか!
周囲が八ヶ岳や秩父山系に囲まれる、とにかく自然豊かな県ですわ!
甲府の駅前って、駅の南側に歓楽街があってそっちがやたらと賑わっており、北口の閑静な場所にこうしてひっそりと営業を続けているのが、今回のターゲットである喜久乃湯温泉です。
正面から見るとこんな感じ!
後ろの建物と入り口の建物は雰囲気が違って、二つの建物が合体したような造りになってますね!
では、早速館内に入ってみることにしましょう!
メッチャレトロな世界
中はこんな感じ!
閉業時間に近い時間ということで、お客さんは私だけ。番台のご主人さんに話しかけると、ご主人さんメチャフレンドリーな方で聞くといろんな昔話を聞かせてくれました。
創業からは100年近いものの、建物は傷んでいるという感じではないですが、館内を見渡してみると時代を感じるものが結構たくさん見当たるんですよ!
ほらほら、ロッカーだってだいぶ昔の物って感じしますでしょ!
ロッカーなので鍵がついてるものの、もうこのロッカーを作った会社は存続してないので、鍵を無くすと替えが無いので、マジで注意して扱うようにww
そしてこちらは、銭湯でおなじみの籐によるかごですね。
昔は服とかはこのかごにぶっこんで風呂に入ってたわけですが、今はセキュリティー的な関係で、鍵付きのロッカーを使いたい時代ですよね。
とはいえ、今の時代でもロッカーが無い銭湯もたまにあるので、そのときは強制的にこのかごを使う形になります!
天井際にはこんな広告もありますよ!
今はもうほとんどが無い店のものなんじゃないっすかね??
はいはい、飲み物には瓶コーラもありまっせ!
いいよな~瓶コーラ。缶と違って何で瓶コーラの方が旨く感じるんだろうな~と思ってますが、ツイッターでその辺つぶやいたら「瓶の厚みの口当たり」ってのが大きなキーポイントというコメントに納得しています!
もうちょっとで創業100年
一通り館内を眺めた後風呂に入り、そのあとご主人さんから喜久乃湯の歴史を色々聞かせていただきました!
そんな中、ご主人さんが所蔵している昔の写真を何枚か見せてくれました。
喜久乃湯温泉が創業したのは、1926(昭和元)年とのこと。
元々銭湯を始めた方は今のご主人さんの直系の方ではないみたいですが、創業してから割とすぐの時期に祖父が運営することになったみたいです。
あとはこんな写真も見せてくれましたが、これは「全国浴場組合會」の大会における写真とのこと。白黒ってだけで時代を感じますが、写ってる方の服装もよりそれを引き立てております!
一番右に写っている方が、ご主人さんの先代なんだそうです!
しかし、全国浴場組合會って集まって何するんだろ??
ということで、95年近く昔からずっとこの場所で営業を続けてきた喜久乃湯。
「昔は一日千人が入って、制限時間を30分にしてたこともありましたよ」とご主人さんが語るように、まだ風呂付きの家庭が少なかったころはそんな状況だったようです。
ここは駅からそんな遠くない場所ではあるものの、結構閑静な住宅街。そのため、周辺に暮らす地元の方が多かったものの、それ以外にも甲府連隊の方々が滞在していた練兵所があったことから、軍関連の方も多かったそうです。
脱衣所であ碁を打つ方がいたり、浴場で子供に桶の片付けを支持する親がいるなど、子どもたちが公共マナーを身に着ける場所でもありました。今の時代ではほっとんど見ることがない、昭和の時代の話ですね。
赤タイルが印象的な浴槽
では、風呂場はどんな感じか見てみることにしますか!
お~~~~
浴槽は結構広めっす。奥にも長く、横幅もほかの銭湯に比べると広めで開放感がありますね!
浴槽も四つもあるし、奥にはサウナもあるんすよ!!
中央にあるこの浴槽は、縁にある赤い豆タイルが何とも印象的っす!
手前が適温で、奥の方は少しぬるめでした。
あとこの床のタイルが好き!
おばあちゃん家のトイレとかもこんなタイルじゃなかったっすか??
ここで湧く温泉は「カルシウム-硫酸塩泉」であり、源泉かけ流しなので結構ヌルめっす!
桶は、ヤッパリケロリンっすね!
ここはお客さんが皆律儀なのか、綺麗にピラミッド状に積まれていました(笑)
太宰治が毎日通った!
そして、喜久乃湯温泉といえば、欠かすことができないのが太宰治の存在っす!
彼は新婚時代の八か月ほど、ココから徒歩五分の場所に住んでいた関係で、毎日のようにここに風呂に入りに来たわけです。
女風呂の方はどうだかわかりませんが、男子の方の脱衣所のロッカーには、こうしてかつての新聞記事や雑誌に載った切り抜きが貼られています。
なので、もしここ行った方いたら、この辺も一緒にじっくり見てみてはいかがでしょうか!
太宰治は、青森県の大地主の家に産まれました。その生家は「太宰治記念館「斜陽館」」という資料館として一般公開されているんですよね。青森ということで、遠すぎてまだ行けてないですけども(早く行きたいww)。。
そんな太宰は10代半ばから執筆活動を始め、東京帝国大学に進学して新進小説家となるも、薬物中毒や心中未遂事件を繰り返します。
ちなみにですが、私は太宰治が書いた小説を一つも呼んだこともなく、この方の生涯というのもほとんど知らないんですよね。。でも、自殺未遂をするとは彼はどんな人間でどんな人生を歩んできたのか?
青森の資料館に行ったときにでも、この辺はじっくり学んでいきたいな~と思っています。
そんでそんな自殺するほどの状況だったことを心配した井伏鱒二の勧めで、1938(昭和13)年に御坂峠の天下茶屋(今も現存していて、二階に小さな資料館があります)に滞在。その翌年に、知人を通して石原美知子さんと見合いして結婚。甲府で新婚生活をスタートすることになります。
太宰にとって甲府での暮らしは、波乱万丈な生涯の中で「・・幽(かす)かにでも休養のゆとりを感じた一時期」だったそうですよ。
太宰が甲府に住んでいたのは、新婚の頃の八か月程度。酒屋、とうふ屋、たばこ屋が近くにあり、よく酒を飲んでは街を歩いたそうです。
奥さんの美知子さんによる回想記によると、毎日午後三時ごろまで机に向かって執筆した後、近くの「喜久乃湯」で風呂に入る。夕方から飲みはじめるような毎日だったとのこと。まだ新婚の時期であり、仮住まいの狭い家だったみたいです。
太宰治とか、そういう昔の偉人が実際に通ったお店とかが残ってると、何かそれだけで時代を超えて自分の人生とつながるような、そんな不思議な感覚を覚えます。
ちなみに、彼が棲んでいた家、あとはよく通っていた酒屋さんはもうないみたいですけども、彼が小説を書くためによく滞在していた、近くの湯村温泉にある『旅館 明治』はまだ営業を続けています!
ここは宿泊だけでなく日帰り温泉も可能ですし、館内のロビーには太宰治関連の小さな資料室もあるので、太宰に関心ある方だとココも良い場所っすよ!
という感じで、山梨県には太宰治関連の場所がちらほらあるんですな。
銭湯は商売にならない・・
という感じで、ざっと喜久乃湯温泉について簡単に紹介させていただきました。
ご主人さんはマジでいい人で、営業時間が終了した後も銭湯のことについて色々教えてくれました。もうちょっとで創業100年。
どこの銭湯でもそうですが、今は家庭に風呂がある時代ですし、スーパー銭湯も相次いでオープンしていることから儲けを出すための商売というわけにはそうそういかない銭湯。
でも、ご主人さんは「リラックスできる場所を守っていきたい!」ということから、まだこれからも喜久乃湯は続いていくと思います。
でも、いろいろ老舗だからの悩みもあるようで、、
さっきも少し書きましたが、ロッカーの鍵はもう会社が無いので替えの鍵がないんですよね。なので、その旨をこうしてアピールする必要があるわけです。
あとは洗い場で使うお湯のレバー。これ、京都の会社が作っていたものなんですが、これを作っていた会社ももうないそうです。
壊れたらご主人さんが自力で修理するんですかね。。
しかしこれ、名称を今まで知りませんでしたが、ネットで検索すると「宝式湯屋カラン」みたいっすね!
40分ほどの滞在だったでしょうか、また一つかけがえのない思い出が出来ましたよ。甲府に来た時にはまた入りに行こうかな!
おわりに
山梨県の銭湯は、わずか12軒ほど。。とはいえ、喜久乃湯温泉のご主人さんが元気な限りは営業を続けていくと思います。
甲府駅からでも歩いて行ける距離ですし、夜も21:30まで営業してるので、甲府に訪れた際にでもぜひ訪問していただければと思います♨
ではでは~~
参考文献
詳細・地図
住所 | 山梨県甲府市朝日5-14-6 |
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営業時間 | 10:00〜21:30 |
定休日 | 水曜日・毎月第三木曜日 |
駐車場 | 無料 |
電話番号 | 055-252-6123 |
アクセス | JR甲府駅から徒歩12分ほど |
リンク | https://yamanashi.k-o-i.jp/koten/kikunoyu/ |