こんちわっす!
今回は、またまた神奈川県の銭湯を紹介する記事になります。今まで、神奈川県の銭湯に関しては結構記事にしてはきたものの、まだまだ紹介したい場所はたくさんあるんですな!
そんで、今回取り上げたいのは横浜市の子安にある「井川湯(いかわゆ)」という銭湯。住宅地の中にあり、よその人間であればネットがないとまず気づかない、というか地元の人間でも井川湯の存在を知らない方もいるほどの知られざる銭湯!
でもですよ、明治後期創業の老舗銭湯であり、中は本当にレトロな雰囲気の場所なので、多くの人に訪れていただきたく、以下で紹介しようと思います!
今回のターゲットは、横浜の子安にある銭湯なんですけど、子安って神奈川県民でも精通してない地名かもしれないっすかね。
地図を見てもわかる通り、井川湯があるのは細い路地が入り組む住宅地。すぐ近くには第一京浜(国道15号)があるものの、そこから奥に入っているため、案内もないし、ネットが無ければまず気づかない場所ではないかと!
そんな住宅地にひっそりとたたずむのが、こちらの井川湯。まさに、知る人ぞ知るという雰囲気。令和の時代でも、こうして営業してくれていることに本当にありがたく思う所存っす!
では、入りますか!
そして、中はこんな感じっす!
私が訪れたのは、閉業時間の40分前。お客さんは他にいなく、番台のお母さんが超フレンドリーで、快く写真撮影を許可してくれました。
ロッカーはこんな感じ。ロッカーだけでなく籐の籠(かご)も置かれてますね。そして左側には常連客のお風呂セットが置かれていて、その棚にが置かれているというちょっとファンキーな感じっす!
風呂場はこんな感じ。
写真を見てどのくらい伝わるかですが、先ほどの脱衣所にしろこの風呂場にしろ、他の銭湯に比べて幅は狭めっすね!建物がひしめく住宅街ということもあって、あんまりスペースを確保できなかったってことでしょうか。。
洗い場は、両側の壁側、あとはセンターにも備えられてるケースが多々ありますが、ここは両壁のみっすね!
そして壁には素晴らしい富士山のペンキ絵ですわ!
左下にもクレジットがあるように、こちらは日本では数少ない銭湯絵師である中島盛夫さんの作品。日付を見ると、つい半年前に書かれたものみたいっすね!
ちなみに、他に誰もお客さんがいないため女湯の方も見せていただけました。
こちらは富士山は描かれてませんが、場所は西伊豆の堂ヶ島とかでしょうかね?今回は男湯に富士山が描かれていますが、これは交互ということで、前回は女湯に描かれていたとのこと。
ペンキ絵って本当に毎回見るたびに感動します。西日本ではほぼ見られない東日本に見られる文化であるこの絵は、わずか数時間で仕上げてしまうとのこと。
実際に描いてる様子を見てみたいものだわ。
浴槽も時代を感じます。
ちなみに、この辺だと黒湯が湧いてもおかしくない場所だとは思うんですが、ここは黒湯ではないみたいっす。
あと、男湯と女湯の仕切りにもこうして絵が描かれておりました。
ココにもバックに富士山が描かれていますね。松が生える川沿いを船が航行しているようですが、果たしてどこの風景を用いたのか?
あるいは、空想の場所なのか?
そして、風呂桶はもちろんケロリン・・・かと思いきや、「永楽」というパチンコ屋のものですね。似過ぎて、気づかんかった・・。
とはいっても、全部がパチンコ屋のものではなく、やっぱりケロリンもありました。めっちゃ似てんな(笑)
あと、椅子に関しては、銭湯で定番の永久腰掛椅子もあるんですが、こうした木製の椅子もあるんですよね。
しかもこれ、購入してものではなくご主人さんが作成したものみたいっす。ご主人さんはとっても器用で、廃材を使っていろんなのを作っちゃうみたいっすよ!
ちなみに、私は銭湯に行った時はほぼ必ず飲み物を購入します!
理由が二つあって、一つは単純に銭湯にお金を落としたいから。あとは、初めて行った銭湯の場合は、飲み物のお金をやり取りすることをキッカケに銭湯の歴史だとか話を聞くんですよね。
いきなり番台に行って話し出すのもな〜というのもあり、この流れだと話をするのも自然だと思っていつもこうして番台の方と話すようにしています。
そして風呂上りにお母さんと雑談をしていると、こんなものを持ち出してくれました!
お〜〜、これは1919(大正8)年の入浴料が書かれた料金一覧っすね!
大人が五銭、中人が四銭、小人が三銭とあるが、ココでは年齢でどう分けてたんでしょうね?
中人って、何歳から何歳までなんでしょうか??
ディズニーランドのチケットは、中学生と高校生が中人扱いとのことで、まぁその辺か・・。
現在、神奈川県では「神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合」が銭湯の推進などをしていますが、この時代は上に「・・川警・・」という文字が見えるように、銭湯は警察が管理していたみたいですね。
現在は厚生労働省の管轄になっており、厚労省のHPを見ると、「銭湯の営業や入浴料に関しては県知事の許可が必要」と書いてるように、時代によってルールは色々変わってるみたいっすね。
この辺の歴史はあんまり詳しくないので、どこかで勉強したいな。。
ちなみに、令和三年現在の入浴料はこちらっす!
神奈川県は、数十円のさではあるものの日本で一番入浴料が高い都道府県です。。いいよ、銭湯も運営が大変でしょうから、490円くらい屁でもねえぜ!!
そんな井川湯が開業したのは明治後期の頃。子安は漁師町だったことから、昔は漁師の人の来客が多かったとのこと。漁が終わるのは深夜一時、二時頃で、井川湯に限らずいろんな人に魚を配っていたとのこと。
まだ冷蔵庫が無い時代だったことから、いただいた魚は、その日のうちに夜中に実家があった長津田まで運んでいたという話も。。歩いて運んだっていうんだから、これは大変な労力だったでしょうね。。
ちなみに、この辺はやたらと野良猫が多いんですが、この猫ちゃんたちも昔は漁師さんからお魚のおこぼれをいただいてたみたいですよ!
この写真のネコ、野良猫にしてはやたらと人に慣れておる。。
ちなみに、現在の番台は風呂場の方を向いていますが、昔は逆向き。漁師さんは下駄箱を使わないかったため、入り口側を見ていて、随時靴を揃えるのも仕事だったようです。
そんな漁師さんが漁を終えて帰ってくるのは夜中の一時、二時だっため、その日はその時間まで開けていたんですって。そうすると、その時間まで開けてくれたお礼として漁師さんは桶を洗って帰って行ったというのが、日々の恒例行事だったそうです。
とはいえ、今はもう漁師さんは子安にはいない。
ココは近所の人でも全然知らなかったという人も結構いるくらい知る人ぞ知る銭湯であり、漁師さんがいなくなった今では、家庭にお風呂も出来ているし、お年寄りはデイサービスに行く方も多いことから、昔に比べるとお客さんは5分の1ほど。
それでも、今も営業を続けられているのは薪で沸かしているから。都市ガスだとガス代に圧迫されるし、そもそも都市ガスの場合は一日にお客さんが最低でも50人がやってこないと採算が合わないそうです。
でも、現在では50人来る日はないそうです。
薪は、家を建てる際に不要となった廃材を店の入り口まで業者さんが持ってきてくれるんですって。とはいえ、都市ガスよりは安く済むとはいえ、薪の場合は裏でずっと人が火の管理をしないといけないっすからね。。
それはそれで大変なんですね。。
今では地元の常連さんが多いわけではあるものの、仕事終わりのサラリーマンが、背広を預けてランニングに行き、帰ってきた後にひとっ風呂浴びて帰るなんて方もいるんですって!
いろんなお客さんがいるんすね〜〜。
あとはオマケですが、こちらは女湯の方に設置されてる、赤ん坊を置いておくためのベッド。昔は赤ん坊を抱いたお母さんがやってくると、ココに赤ちゃんを置いて風呂に入り、その間に番台のお母さんが面倒を見るという、みんなで赤ちゃんを育てていた文化があったわけですね。
そういう話を聞くと、近所付き合いが減り、何でも両親で育てなきゃいけない現代はご近所の人間関係が希薄な時代になったな〜と思ってしまいます。。
あとこのドライヤーっすね。
女湯でよく見られるものですが、銭湯に行くと今でも結構見られます。一回も使ったことないから、どんなものかやってみたいと密かに思ってます。。
おわりに
以上っすかね!
とにかくココはレトロだし、番台のお母さんも親切なので昔ながらの雰囲気が残っている本当に貴重な銭湯だと思います。令和の時代になっても、こうした場所が残っているのは、銭湯好きな私としては本当にありがたいっす。
気になった方は、ぜひ行ってみてくださいね〜〜!
ちなみに、井川湯は横浜市で二番目に古い銭湯のようで、横浜で一番古いのは石川町の方にある小山湯とのこと。創業は明治19年みたいっすよ!
参考文献
詳細・地図
住所 | 神奈川県横浜市神奈川区子安通1-165 |
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営業時間 | 16:00〜22:00 |
定休日 | 土曜日(とはいえ不定休) |
駐車場 | なし |
電話番号 | 045-461-5750 |
アクセス | 京急子安駅より徒歩4分 |
リンク | https://k-o-i.jp/koten/ikawayu/ |