こんちわっす!
日本中の知られざる場所を発掘して記事にしているブログ『知の冒険』。今回は、茨城県桜川市という場所にある『旅館 伊勢屋』を紹介いたします!
老舗旅館が大好きな私が紹介するということで、ここもかなり歴史がある旅館の様でして、今回は久々に茨城県に遠征したことをキッカケに泊まってみたというわけです!
ここ、とにかく女将さんがスーパー親切な方ということもあり、昭和レトロ好きとかそういうの関係なくてもこの辺に来たら泊まりがいある旅館だと思うんですよね。しかも安いし!
ではでは、そんな『旅館 伊勢屋』とはどんな旅館なのか?
以下で紹介しますね~~
明治中期から残る貴重な建物
茨城県の真壁町という地名を聞いたことがある方はどのくらいいらっしゃいますでしょうか?
ちなみに、私は今回伊勢屋に訪問するまで一回も聞いたことはなかったと思います・・(;・∀・)
場所も地図で示すとココなんですけど、鉄道が通ってないので公共交通機関はバスのみ。でも、バスは北のJR岩瀬駅から南のつくばの方まで一律料金200円という格安運賃で移動できるというメリットもあったりします!
しかし、今回私は石岡市にあった看板建築の歴史とかを昼前から調査していて、その後に真壁へと移動したわけですが、それなりな峠道を通ったりと「なかなかアクセス的には厳しい場所だな〜」という印象!!
そんな真壁の町並みは、戦国時代に真壁城の城下町としてつくられました。江戸時代には、真壁陣屋を中心に、木綿取引や醸造業を中心に発展。
今でも古い建物が多く残っていて、昔ながらの町並みを垣間見ることができます。
特に、次に記事にしますがこちらの旧真壁郵便局は戦前・戦後の頃に地元の方に愛されたシンボル的な建物だったりします。こちらは現役を引退していて地元の郵便局は少し離れた場所にあるんですが、今でも館内に入ることができるんですよ!
見れると言っても、そんなに展示物が多くて博物館みたいな感じになってるってわけじゃないんですけどね。。
そんな重要文化財ありまくりの町に、堂々とした佇まいをしているのが、今回私が宿泊した 『旅館 伊勢屋』です!
私のような老舗旅館好きからすると、見ただけでご飯何倍でもいけますわ!
伊勢屋は、すでに幕末からこの地にあり、真壁では最も名の知れた「勢州楼」という料亭だったそうです。料亭自体は幕末から開業していたみたいですが、現存している建物は明治中期頃に建設されたと伝えられています。でも、正確な時期は不明とのこと。
中のロビーはこんな感じ!
広い帳場があって、当時の様子を偲ぶ光景が広がっていますよね。でもでも、そんな光景が広がって入るものの、真っ赤なサンタクロースのインパクトが強すぎてちょっとビックリ(笑)
ここ真壁は雛祭りが名物のようで、伊勢屋でもその時期になるとそれは豪華なお雛さまが展示されるんですって。今回は時期が違って残念。。( ;∀;)
私が訪問したのは11月20日だったんですけど、サンタクロースが早くも出迎えてくれましたよ!
私が館内に入ると、五代目の女将さんがさっそく出迎えてくれたんですが、この女将さんが超ウルトラスーパー気さくな方でして。
GooglMapの口コミにも「女将が気さくな方で 」「とても明るい気さくな若女将が出迎えてくれました!」みたいな書き込みがあるんですが、これはマジでした(*´▽`*)
宴を上げると一人前と言われた料亭
先ほども書いたように、ここはかつて「勢州楼」という屋号の料亭でした。館内にもその名残りがありまして、それがこちらの提灯。
さらに、女将さんが「こっちにも当時の名残りがありますよ!」といって見せていただきました。右から「樓州勢」と書かれているので、戦前のものであることが分かりますね。
この真壁には勢州楼の様な料亭が何軒あって、芸者さんもいたそうですが、どの程度いたのか、その辺は調査できてないのが悔やまれます。。時間なかったんすよね。。
ちなみに、ちょっと見えづらいですがこの暖簾に書かれた絵柄が、伊勢屋の家紋とのこと。
あと「伊勢屋」と聞くと、「ルーツは三重県の伊勢なのか?」と気になるところではありますが、女将さんに聞くとそうではないみたいです。なぜ、旅館へと転業した際に屋号を「勢州楼→伊勢屋」としたかは不明とのこと。。
料亭は戦後の頃まで続いてたようですが 、今から70年ほど前に旅館へと転業して今に至るようです。正面の玄関を入り、帳場、その奥の居間までは明治中期頃の建物で、その奥は昭和40年頃に旧住居を改築した宿泊棟があります。
今回私が宿泊したのは、その旧住居だった建物を改修したほうです。まぁ廊下とかは普通っすね。
そして今回、私が宿泊したのはこちらのお部屋!
老舗旅館に泊まりまくってるということもあり、いつも泊まる部屋はテレビがブラウン管だったり、部屋にベープマット形式の蚊取り線香が置いてあるなど昭和感満載の光景があることが多かったりします。
そう考えると、普段泊まる部屋にしてはこのような雰囲気だと近代的に感じますわ。そもそも、伊勢屋にはFree Wi-Fiが備えられていて、旅館にwifiあるだけで凄くテンション上がります(;・∀・)
ゲストハウスだったり、それなりの旅館だったら当たり前なんですけどね。。
ちなみに、部屋の鍵はコレ!
時には襖で仕切られてるだけで旅館の部屋に鍵がないパターンもあったりするため、これがあるだけありがたいという感じ。こういう旅館に泊まった時、最初は「これがカギなの!?」とちょっとビックリしましたが、今では「あ~やっぱこれか!」という感じになりました(笑)
まぁ今日でいえば、お客さんは私だけなので鍵かける必要もないっすけどね!
部屋に入ってしばらくすると、廊下から「お客さ~~ん、お風呂湧きましたよ~~」と女将さん。
この旅館は、廊下の外から直接所連絡が飛んでくるスタイルの様です。
この親近感湧く感じが良いですわ。かしこまった旅館だとホスピタリティはあるかもしれないですが、なんか客として親切にされすぎると距離感じて逆に接しずらいとか、そういうのありません?私だけ?
あとは、こんな電話機も置いてありました。
でも、よく見ると電話をかけるためのボタンやダイヤルが無い・・。ちょっと調べてみると、どうやら着信専用の電話見たいっす。一階の受付から内線がかかって来るだけってことっすね。
今まで電話関連の博物館に何度か足を運んでましたが、このタイプは初めて見ましたな~。でも、今は使ってんのかな?
リーズナブルでアットホーム
そして夕飯!
女将さんに「古い建物が好きで、老舗旅館とか色々泊まってまして。それで今日もここに泊まりに来たんです〜」みたいな話をしたら、「じゃあ夕飯は古い建物の方で食べますか?」と言っていただき、こちらの部屋で食べることに!
本日の宿泊客は、私一人!
朝と夜のご飯は、四代目の女将さんが調理場で黙々と料理を作ってくださっていました。四代目女将さんは料理を担当し、五代目の女将さんは接客を担当してるって感じなんですかね。
ご飯は、刺身、トンカツ、餃子、茶碗蒸し、漬物という盛り沢山のメニューで、たらふく食わせていただきましたよ(*´▽`*)
ちなみに、伊勢屋は1泊2食付きで7,500円。これだけの夕飯がついてこの値段なので、旅館にしてはかなりリーズナブルっすよ!
飯を食った後、ちょっと隣の部屋を覗いてみると、大きな広間がありました。
そんな大広間と言えるほどの広さではないですが、勢州楼だった時代はこの広間に芸者さんをあげて、さぞ賑やかな宴が繰り広げられていたことでしょうな。
そして、昔はテーブルに座布団が当たり前でしたが、今はやっぱり椅子なんですね。
夕飯を食った後は、テレビを聞き流しながらいつものようにブログ更新活動に勤しんだのでした。普段平日はシステムエンジニアとしてアクセク働きまくっている私ですが、この土曜日の夜に旅館で過ごす時間が一週間の中では一番の至福のときでですね( ̄▽ ̄)
というか、今考えたら、本当におばあちゃん家というか親戚の家に泊まりに行ったような感覚でしたわ!
あーあと旅館の奥には土蔵があるんですが、こちらは「家屋台帳」により明治35年には現存していたことが確認されています。
昔は何に使われてたんでしょうね~~
とう感じで、五代目の女将さんはそこまで伊勢屋の歴史に関して先代から聞いているわけでもないようでして、根掘り葉掘りという所まではいきませんでしたが、知っていることはいろいろ教えてくれました。
もしかしたら、名の馳せた料亭だったということで、図書館に行けば何かしらの地域資料に記載があるかもしれないですね!
おわりに
朝ご飯を食べ終えて旅館をチェックアウトしようとしたとき、正面にとあるキッチンカーが停車してきました!
『liberty hamburger』というお店で、茨城県石岡市出身のご主人さんが茨城県周辺を中心に、時には神奈川の方まで出向いてハンバーガーのキッチンカーをしているそうです。
ハンバーガーはメチャクチャ肉厚で、かかっているソースとの相性も抜群!
そんな激ウマバーガーを食いながら、少しご主人さんとお話を。ご主人さんは、長く工場に勤めていたそうです。が、ある時急に仕事に行きたくなくなってしまい、急遽仕事を辞めることに。。そもそも、本人がやりたい仕事ではなく、職場の人間関係を見ていてもしんどい点があったそうです。
その後、キッチンカーの道に進むも、いろんなお客さんと出会いながらハンバーガーを売るという商売が自分には合っていたようで、生きていくだけのお金が確保できればということでこの仕事を続けているんだそうです。
高い給料がもらえる仕事に就けるのは良いことですが、精神病んでまで続けてても、マジでそれが幸せかというと何とも言えないっすよ。。本当に。。
人生いろいろ。
そんな話をしていたら、伊勢屋の女将さんがコーヒーを差し入れしてくれました。こういう近所のつながりは本当に心温まるものがあります。
この辺では当たり前の光景なのかもですが、私が住んでる川崎ではこんな光景に出会うことはまずないです。隣に誰が住んでるかも知らないですし。。
34歳というなかなか人生の方向性を迷う私にとって、つかの間のひとときとなった、旅館 伊勢屋での宿泊でした(*´▽`*)
参考文献
詳細・地図
住所 | 茨城県桜川市真壁町真壁193 |
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駐車場 | 無料 |
電話番号 | 0296-55-0176 |
アクセス | JR水戸線の新治駅から車で15分ほど |