文久二年創業の料亭「清風楼」に残る小田原花柳界の繁栄!

↑更新・取材裏情報はTwitterにて(^ ^)

こんちわ!

今回は、小田原にある超老舗料亭の『清風楼(せいふうろう)』に関する記事になります。

今年は小田原に行く機会が大変多く、今までも赤線だった抹香町やら宮小路の花街やら小田原関連の記事を割と多めに輩出してきているわけですが、今回もまたまたまたまた小田原っす!

ずっと行きたかった老舗料亭だったんですが、今回はお食事をしただけでなく女将さんにお店の歴史を説明していただいただけでなく、粋な造りをした建物の内部も案内していただいたので、その辺をたんまりと紹介していきたいと思います!

本記事のポイント

・文久二年創業であり、創業から150年以上も経つ老舗料亭
・二階には丸窓や船底天井、網代編みなど様々な意匠が残る
・大広間ではブリ漁師が毎晩のようにドンチャン騒ぎしていた

スポンサーリンク

花街として栄えた小田原宮小路

宮小路にいた芸者さん

以前の記事でも紹介しましたが、JR小田原駅から南にある宮小路という場所は、かつて小田原の芸者さんたちがたくさんいて、料亭や置屋がある花街として栄えていた街でした。

著名人も多く、ブリ漁も賑わっていた頃はまぁ賑やかな花街だったそうですよ!

宮小路の花柳界に関しては、結構詳細に調べたので詳しくは以下の記事を参照していただきたいと思いますm(__)m

賑やかだった当時は置屋や料亭も多かったですが、記事を書いている2020年には残っている料亭は、今回紹介する清風楼を含めて三つほどっすね~。

まずは、こちらの『料理店 だるま』。明治の創業で、かなり存在感のある外観。この建物は1923(大正12)年に発生した関東大震災で倒壊するも、網元だったこともありブリ漁で儲けた金で建て直しているんですな~。

二階は多くの意匠が見れる素晴らしい造りになっていて、休日のご飯土器は今でも多くの人で賑わっている人気店っす。

あとは、抹香町の小説で有名な川崎長太郎が毎日のようにチラシ寿司を食いに来ていたことでも有名っすね!

明治初期創業の『柏又』

そしてこちらも抑えてきたい、うなぎで有名の『柏又(かしまた)』。明治初期ごろの創業で、うなぎを主軸にしているが元々は鶏料理が一押しのお店!

私が訪問した際には、仲居さんが建物の内部を案内してくれて味も接客も申し分ない店!

こちらも、以前に記事を書いたのでよければ見てみてくださいね~。

スポンサーリンク

文久二年創業の清風楼

そして今回紹介するのがこちらの清風楼。

先ほど紹介しただるまや柏又と同様に、こちらも花街の時代を思わせるとても風情ある外観っすね(*’▽’)

この清風楼は1862(文久2)年創業ということで、江戸末期からのお店なんですね。創業160年くらいになるわけですが、小田原でもこれだけ歴史があるお店はそうそうないんじゃないっすかね??

かつての表玄関

んで、清風楼は現在昼営業と夜営業形式となっていて、私は昼飯を食べに来たついでに、女将さんに懇願して館内を案内していただいたって感じ!

たまたまお客さんが他にいなかったこともあり、結構ラッキーが重なったというね!

ちなみに、こちらは昔は表玄関でしたが今は二階の宴会用!

スポンサーリンク

現在の表玄関

んで、反対側の青物商店街に面するこちらが現在の表玄関なので要注意!

では中に入っていくことにしましょう!

この入り口の看板、めっちゃ自体が風情あって、縁(ふち)に彫られているのはウナギですかね~。いろんなところに見所があって、本当に見ていて飽きないわ~。

料理店の鑑札

こちらの入り口の上部には料理店の鑑札もありました。この記事を書いている2020年3月時点では、小田原には料理店鑑札を四つ確認しています。バーの鑑札は見かけませんでしたが・・。

素晴らしい意匠の数々

玄関から飛び込む光景

中に入ると、いや〜これはこれはとても風情を感じられる作りが色々と目に飛び込んでくるではないですか!

内部はとてもきれいに維持管理されており、特に壁はきれいに塗り直してるんですかね。すごくきれいではあるものの、建物に使われている素材はすごく時代を感じることができますね。

二階に上がると、こんな感じで素晴らしい意匠の数々を見ることが出来るんですわ!

丸窓や欄間などなど、目のやりどころに困っちゃいますわこれは!!

熊手がはめられた丸窓

今までいろんな円窓は見てきましたが、こうして熊手が嵌め込まれたものは初めて見たかもしれません。この辺は職人の思いつきでこうしたんですかね、個性が出ていて昔の建物はやっぱり面白い!!

上の逆S字なんかはなにをイメージして作られたのかな~。福岡県の門司にある元料亭『三宜楼』にも似たような意匠があった気がしますが、、雲をイメージしているとか??

廊下の時点でめっちゃ興奮している私ですが、まずはこちらの奥にある個室から女将さんに説明していただくことに!

と、思ったのですが、この個室の入り口も、これまたいい感じのつくりになってやいませんかね??

女将さんが「この造りを見てほしかったの!」とおっしゃっていたこちらの門構え。

「悪い人が入って来ないように」という重いからこうしたつくりになっているという。この木はサルスベリ。いろんな大工さんに聞いてもこの造りをできる人はいないとのこと。

駅のホームにある看板とかって、鳩が止まらないようにこうしたトゲトゲありますよね!

手裏剣にも見える・・

そして通された個室がこちら!

いや〜このお部屋も見るとこ多くて困っちゃいますわ。会社の接待などで使われるお部屋であり、8畳くらいの部屋の真ん中にテーブルが置かれ、床の間も健在!

天井が船底形であることに注目

天井を見上げてみると、形が”船底”になっているんですね。「船に乗ってお酒を飲んでいる」というコンセプトからこのような造りになっているんですって!

常連さんにも愛される個室

昔は座布団だったものの、皆さん足が悪いの腰が悪いのということもありこういったテーブルになっているのは時代の流れですね。とはいえ、「座布団にしていただけると・・」という要望もあるようで、そのときは座布団に切り替えるんですって!

常連さんにもこの部屋が気に入っている方がいて、清風楼でお酒を飲むときはこの部屋で飲みたいって方もいるんだそうです。

この部屋、部屋自体はこじんまりとしているものの、壁や床の間にいろんな造りが見られましてですね、、、

こちらの左の意匠にはトンボが飛んでるのが分かりますでしょうか??

さらに、こちらはカモメですかね!

いや~~海辺を飛んでる姿をうま~く描いていますわ。粋だな~。

天井は見事な網代編み
床の間は珍しい作り

床の間の足元は、欅(けやき)の一枚板が使われているケースをよく見ますが、ここは非常に珍しい造りをしていました。

何の木を使っているのかわかりませんが、木の幹を立てに突っ込んで並べております。こういうのって大工の発想で自由に作っていたんだろうか。。

って感じで個室を一通り見た後は、大広間へと移動!

スポンサーリンク

ブリ漁師が騒ぎまくった大広間

最大50人が入れる大広間

こちらが大広間っす!

ちなみに、この大広間には今日の夜にも予約が入っていて、これからその準備をするんですって!

花街だった頃は30~40人がここで宴会を楽しみつつ、宮小路見番から芸者さんを呼んでドンチャン騒ぎをしていたそうな。特に小田原漁港がこの近くにあった時代はブリも大変豊漁だったこともあり、宵越しの金を持たない漁師たちが遊び狂っていたんですって!

令和の現代では、このような大宴会でどんちゃん騒ぎ出来るほど懐が潤っている人は少ないですからね。。賑やかな時代が羨ましいっすな~。

この大広間にも幾らか造りに工夫が見られましてですね、こうして障子を開けると布に書かれた見事な竹が現れたりとかね!

水車の柱が嵌め込まれている

先ほどの個室同様に大広間の床の間も大変風情を感じる景色。掛け軸が掛かり、日本人形や陶器などが置かれていますね。

後、真ん中から少し左側に一本の柱が嵌め込まれていますが、これは水車の柱。この近くにある元料亭『柏又(かしまた)』でも似たような作りがあったんですが、水車の柱を使うってのはよくあることなんか??

芸者さんが使っていた太鼓

あとはこれですよ!

さりげなく床の間の端っこに置かれているこちらの堤太鼓ですが、これは芸者さんがいなくなった時に頂いたものなんだそうです。実際に芸者さんが使っていたんですね~。

いや〜外観から趣がありそうな建物だとは思ってましたが、結構想像以上に見所が多くて本当に見させてもらってよかった!

女将さんが「宣伝しておいてくださいね!」と言っていたので、バッチリブログで宣伝させていただきます(笑)

食堂に戻って昼食を!

という感じで、女将さんに一通り二階を見せていただいた後、食堂に戻って昼食を食べることに。

清風楼の小田原丼

こちらはお昼にいただいた小田原丼セット(1,450円+税)。

小田原丼って以下のような定義があるそうで、清風楼ではイワシのつみれを揚げたものや有機野菜が載っている他、小田原で取れた梅干しを調味料感覚で載せて食べる特徴があるとのこと!

味はとても美味しく、イワシのつみれ揚げは特に絶品でしたわ!

小田原丼の定義
1. 小田原の海と大地で育まれた新鮮な食材を一つ以上用いること
2. 伝統工芸品・小田原漆器の器に持って饗すること
3. お客様に満足して頂き小田原をさらに好きになっていただけるよう、おもてなしをすること

こちらの食堂は30年ほど前から内部をこのように改装して使いだしたそうです。開店間もない時間だったこともあり、お客さんは私だけ!

結局二回を見せていただいたりで一時間ちょっと滞在させていただいたでしょうか。ここのお店はネットにも情報が少なく、思いのままに突撃した感じでしたが、本当に訪問してよかったっす!

小田原花柳界の名残りを感じられる本当に数少ないお店ですからね。ということで、私は女将さんに別れを告げて次の取材先へと向かったのでした。

おわりに

また、食いに行こ!

今回はたまたまお客さんが誰もいなかったこともあって、女将さんに色々話を聞いたり二階の広間を見せていただけてとても満足!

神奈川県はこういった老舗料亭はどんどん姿を消しており、私が主に取材している横浜や川崎辺りもかなり少ないですからね。。清風楼は小田原にあるお店の中でも歴史が長く気になっていたので、今回取材できてよかったっす!

こういったお店は少し敷居が高く感じるかもしれませんが、昼時なんかは私みたいに一人でも気軽には入れるお店なので、気になった方はぜひ食べに行ってみてはいかがでしょうか!!

参考文献

↓よければクリックをお願いします

詳細・地図

住所 神奈川県小田原市本町2丁目12−6
営業時間 昼の部 11:30~14:00 夜の部 16:30~21:00
定休日 毎週月曜日・年末年始
駐車場 無料(2台)
電話番号 0465-23-3711
アクセス ・JR小田原駅から徒歩15分弱
リンク http://seifuurou.com/shop.html

知の冒険TOPへ

↓↓twitterもよろしくです
※ほぼ毎日つぶやき中
こちらの記事もどうぞ!
この記事も読まれてます!
関連コンテンツ
関連コンテンツ



  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です