門司の労働者を癒した「魚住酒店」はレトロ満載の角打ちだ!

↑更新・取材裏情報はTwitterにて(^ ^)

今回の記事では、福岡県北九州市の門司港にある結構歴史がある飲み屋「魚住酒店」に関する記事になります!

ここは戦後からやっている立ち飲み屋で、角打ちが出来るお店。門司港の街にあるお店の中でもかなりの老舗で、昔ながらの昭和レトロな雰囲気が味わえると地元の方から聞いて行ってみましたよん!

ではでは、その魚住酒店がどんなお店なのか、以下で紹介したと思います~!!

本記事のポイント

・満州からの引き揚げ者が開店した立ち飲み屋
・昔は門司で働く労働者や芸者が訪れた
・角打ちができ、朝から夜まで営業しているリーズナブルなお店

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交通の要所だった門司港

レトロな街並の門司

本州と九州とをつなぐ玄関であり、 昔から政治、軍事、交通などの各面で重要な拠点だった福岡県北九州市にある門司という街。

そもそも、門司という名称は入り口を管理、ないし取り締まる場所の意味をあらわす様で、地名すらそういう背景があるこの街は、現在は”門司港レトロ”という昔の街並みをいかした街づくりをしていたりします!

あとは、焼きカレーを売りにしたりね(笑)

福岡には多くの炭鉱があった

1889(明治22)年に特別貿易港に指定され、日本が日露戦争に勝利した後は戦勝ムードで街はかなりの活気炭坑景気で賑やかに!

福岡には炭坑節発祥の田川や飯塚、さらには三池炭鉱がある大牟田など大変炭鉱も多くその輸出港として大変栄えた港なわけですが、鉄道が惹かれるようになると九州鉄道の本社ができたりと多くの労働者で賑わった街!

現在も飲み屋が多い栄町

そういう方々が多ければもちろん飲み屋もたくさんあるわけであり、現在でも栄町という場所に昔からのスナックやバーなどの飲み屋が多い感じですかね!

なわけですが、そんな中でも門司には最古参レベルで角打ちが出来る飲み屋が、ちょっと細い道を入ったところにあるんですな~。

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角打ちが出来るレトロ立ち飲み屋!

今回紹介する魚住酒店は、戦後の頃から営業しているレトロな立ち飲み屋でしてね~!

門司駅から歩いて7分ほどの場所にある上の写真の細い道。この道沿いに、魚住酒店は存在します。

いい感じのレトロっぷり

それがここね!!

街の人達には、”昔の雰囲気を味わえるお店”ということで結構知られているようですが、門司について事前調査した限りでは全然見つけることができなかったというね。。なので、このお店を知ったのは門司で色々取材をしているときに街の人からたまたま教えてもらったんです~~。

ちなみに、”角打ち(かくうち)”って言葉、聞きなれない方が多いかもしれませんが、これは「お店の一画を仕切って立ち飲みをする」という意味のこと。なので、せんべろ的な安く飲める立ち飲みの店を角打ちと言ってもいいんじゃないですかね。

んで、この角打ちという文化は北九州が発祥という説があります。というのも、北九州市には日本初の本格的な鉄鋼一貫製鉄所だった八幡製鉄所があり、そこで働く労働者たちによって誕生したという背景ですね!

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勝手に自分で酒を飲むルール

ではさっそく店内には行ってみることにしましょう~。

店内はこんな感じ(*’▽’)

いいね、いいね、もうお店入った瞬間にこの雰囲気に癒されてしまいましたよ!

カウンターがあり雑然とした光景が昔からの飲み屋って雰囲気を醸し出しておりますが、冷蔵庫が三台横並びで置かれていたりと、なかなか珍百景的な景色が広がっていますな!

先客は一名(写真撮った時は奥に行っていて写ってませんが)。混んでいるとお店の方と話しづらかったりするし、空(す)いててよかったぜ~(*’▽’)

なかなか雑然とした店内

で、こういう飲み屋であれば普通だったらお店のママに飲み物を注文するわけですが、ここは違います。他の飲食店もビックリの完全セルフサービスシステムなんですわ!

この辺にある酒を勝手に飲んで、最後に会計をするだけというルール。これでお店のお母さんも会計と片付けするだけでいいのでだいぶ手も空くし、人件費だってかからないわけですな!

これぞ究極のコストカットシステムやわ。

なかなか斬新な光景

早速、飲み物を漁るために早速冷蔵庫を開けてみる!

お~~う、すんげぇ数の酒が突っ込まれてますな~~。ここにあるのはビールと酎ハイかな。ただここで問題がありましてね。。

実は私はこのお店で飲んだ後は小倉方面に車で移動しなくてはいけませんでして、、、なので、ここで酒をかっ食らってしまうと数時間の間運転できなくなっちゃうんですよね。。

だったら立ち飲み屋に来るなよって話なんですが、時間の都合上今日来るしかなくてですね、、お茶とかその辺で済まそうとお店のお母さんに聞いたら、「お茶とかはうちにないよ。。あっ、でもね、ノンアルコールがあるよ!」とのこと。

瓶ビールがたくさん

で、別の冷蔵庫を開けたらありましたよ!

こちらはすげぇ数の瓶ビールに、なぜか卵10パック(笑)

んで、扉側にある瓶ビールが実はノンアルコールビールということで、こちらをいただくことに!

いや~しかし冷蔵庫から飲み物取り出すとか、本当に家みたいやわ。

はい、乾杯!

お菓子も勝手に取って食べる方式

さらにはお菓子だってセルフ方式なのさ。ちなみにこのお店、値段表が一切ないためビールの値段もお菓子の値段も全くの不明。。

でも安心してください、ここは昔からある老舗ですし常連客も多くボッタクるようなお店ではありません!!

私の時は、ノンアルコールビール一本にかっぱえびせんとせんべい3枚くらいで400円くらいでしたので。むしろ、超リーズナブルな店っす!

凄くレトロな雰囲気の店内

ノンアルコールビールを飲み、お菓子をボリボリ食べながら周辺を見渡してみる。にしても店内の雰囲気はかなりいい感じで、まさに昭和レトロという感じ。昔のポスターやらが展示されていてちょっとタイムスリップした感覚(*’▽’)

上の写真左側に写ってる浴衣姿の女性のポスターなんかは、絵もいいし、色あせている感じがたまらんですわ!

こちらもなかなか味がある
昔の酒類販売の許可証

呑んでいるとお店のお母さんがやってきたのでちょっとお店の背景も聞いてみました!!写真は撮り忘れちゃいましたけども( ;∀;)

んで、お母さんに聞いたところ、このお店の先代の方は満州から引き揚げてきた方らしい。つまり、戦争で満州に行っていたが、終戦後に帰国してこの場所で酒屋をやっていたとのこと。

そのため、このお店は戦後からこの場所で酒屋を営業しているそうなので70年近い歴史があるってことですかね~。

住まいとお店が合体している

ちなみに、お店の奥は住まいになってます。キッチン兼テーブルっすね。おうちとお店が合体しているというのもなかなかの最強スタイル。通勤時間0秒ですからね。奥ではお母さんとその息子さんが、何やら大きな魚を裁いてご飯を作っているようでした。

こんな感じなので、カウンターでお客さんがお酒を飲んでいても、おうちの会話が丸聞こえというプライバシーゼロの店(笑)

昔はこんな感じでなんでもおおらかな時代だったのさ!プライバシーやら、個人情報がどうのこうのと、世知辛い世の中になったものだ!!

なんてね(笑)

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芸者や労働者が押し寄せた過去

お店の歴史について、昔はどんなお客さんが来たのかについてもお母さんに聞いてみました。その答えとしては、門司は船の往来が激しかったころは荷下ろしやトラック運転手が押し寄せ労働者が多かったわけですが、この辺は昔は検番や料亭がある花街だったこともあり、芸者さんの来店も多かったとか!

三階建の料亭「三宜楼」

そうそう、魚住酒店の近くには、「む津美」という料亭だった建物が旅館になった「むつみ関門荘」や三階建の料亭「三宜楼(さんぎろう)」もあるように、周辺は花街だったわけです。

三宜楼は地元の方の尽力によって億単位の寄付金が集まって復活し、現在では春帆楼が運営する料亭を兼ねているだけでなく無料で内部も鑑賞できるというなかなかのスポットになっていますヨ(*´▽`*)

元料亭「むつみ関門荘」

さらには、「む津美」という元料亭だった建物は、むつみ関門荘という旅館になっていて現在も宿泊が出来るというね。ちなみに、私もここに一泊しました!

その他に、この花街にあった券番(双葉券番)が現在は錦町公民館になっていたりと、かろうじて花街の名残を今でも感じられますが、昔はたいそう賑やかだったそうですよ!

三宜楼にいた芸者さん
引用元:『門司港 発展と栄光の軌跡』

そんなこともあり、お母さんからはこの辺の花街だった話も話題に上がりました!

お母さん:「あたしがここに来た時はね、夜ご飯の時間になると太鼓やら三味線の音やらが聞こえてきてさ、ここはなんだ?って思ったわよ!」

私:「ここは昔は花街だったんですよね!」

お母さん:「昔は料亭もたくさんあったの。このお店のお隣も太鼓の先生が住んでいてね。だからお店にも芸者さんはよく来ていたよ。」

それから時代は変わり、今では仕事終わりのサラリーマンだけでなく、ヒールを履いた女性だって来店したりするそうですよ!

国鉄九州総局指定店という歴史

そして、このお店の一番の見所というのがこの話題(*’▽’)

門司港には1949~1987年までは国鉄九州総局門司鉄道管理局があったというれきしがあり、このお店は「国鉄九州総局指定店」だったという。

その名残が今でも外の看板にあるということなので早速外に出てみる。

あ~この白い看板ですね!確かに看板の下には「国鉄九州総局指定店」と書いてありますな。すげぇ、こんな表記は初めて見ましたよ!!

「国鉄九州総局指定店」の文字

総局指定ということで、鹿児島からも青森からも必要であれば国鉄の方が来店されたなんて話もあり、さらには門司駅の駅長が変わる度に、この店に挨拶には来てたらしいです。

なので、当時は国鉄関連のお酒はここで裁かれたし、国鉄の方も多くこのおお店に来客されたらしい。

この辺の指定店に関する話、多分いろいろあるような気がするんですが、お母さんは料理に忙しそうでちょっと話したら奥に行ってしまいました( ;∀;)

ん~私の取材力もまだまだやな( ;∀;)

お客さんともしみじみ談笑を

お客さんとも楽しくお話を

お店にもう一人いたお客さんともいろんな話をさせていただきました。一人でしみじみ飲んでいたお客さんは、このお店の常連さんのようでお母さんともとっても仲良しみたいでした。

このお店は平日も休日も関係なく、いつが多いというわけでなく日によって客数が異なるという。私が話したお客さんは大人数の中で飲むのが嫌で、混雑する時間を避けて来店するんだそうです。

私が神奈川県から門司にやってきた背景やブログをやっている胸などを伝えるなど様々な話をしましたが、取材関係なくいろんな話をするのもたまにはいいものですね(*’▽’)

ちなみに、訪れた日はということで、元号が平成から令和に変わるということもあり今日から世の中は十連休。でも、このお客さんは病院勤務ということで連休は関係ないんだとか。

たわいもない話をしていたものの、結局門司の歴史に関する話になり、お客さんが知っている様々な歴史についていろいろ教えていただきました。

しかし、こんな店が家の近所にあるのはとってもうらやましい。まぁ、私の近所にも探せば穴場的な飲み屋とかはあるかもしれないですけどね!

一か月間九州・山口県を取材し続けるというなかなか体力的にしんどい中、ちょっとした束(つか)の間のひと時だったな。

一時間ほどお店に居座り、次の目的地に向かうためにお店を後にすることに。

おわりに

いや~素晴らしい空間でしたよ(*´▽`*)

今回話したお客さんと同じく、どっちかというと私も少人数でまったりと呑むのが好きですので、混んでなくてよかったです!!

まったりと呑むって言っても、今回呑んでたのはノンアルコールですけどね・・(笑)

朝から夜までと長時間営業してますので、こういう雰囲気が好きな方はぜひ行ってみてくださいね。と言いつつ、門司はなかなか行くのも大変ですけどね~!

参考文献

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詳細・地図

住所 福岡県北九州市門司区清滝4丁目2−35
営業時間 09:00~21:00
定休日 無休
駐車場 なし
電話番号 093-332-1122
アクセス 門司港駅から徒歩7分
リンク https://tabelog.com/fukuoka/A4004/A400501/40019766/

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