たくさんの向島芸者が訪れた「喫茶カド」の歴史とは!?

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こんにちわ!

いつもはマニアックな博物館をメインに、いろんな場所を取材しては記事にしている『知の冒険』。今回は、博物館ではなく東京にある素敵な空間の喫茶店の記事になります!

純喫茶のような懐かしい、そしてレトロなお店を取材することも多いわけですが、今回のお店はメルヘンチックな本当に素晴らしい喫茶店でした!

東京の向島という花街に位置し、その賑やかな歓楽街に佇み続けたお店のご主人からいろんな話を伺いましたので、以下で紹介していこうと思います(*´▽`*)

本記事のポイント

・花街関係者が多く訪れるジューススタンドとして開店
・志賀直哉の弟が内装を手がけ、館内はメルヘンの世界!
・ご主人さんは大変きさくで、いろんな話を聞かせてくれるヨ!

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店内に入れば中は別世界!

パッと見は喫茶店に見えないっすね

東京スカイツリーからすぐの場所にある向島。その交差点の角に位置する、こちらのお店が今回のターゲット!

この店は、最寄駅から10分以上歩くということで、アクセスが良いとは言えない場所かもしれません。私は博物館取材の後に時間が出来たということで、日曜日の夕方に来るまで訪問!

近くのコインパーキングに停めての来店です。

こちらが入り口。なにはともあれ、この看板がとても素晴らしくレトロな雰囲気漂うデザインですね!

看板に書かれているように、このお店は「季節の生ジュース」「くるみパン」が名物。店名は「カド」と、いたってシンプルで、交差点の角に建ってるからなのかな??

ではでは、早速店内に入ってみましょ~~

う~~~わ、これは凄い!

店内は、テーブル席が二つにカウンタ席が五つくらいと結構狭め。10人くらいで満席になる感じでしょうかね。私が訪問したときには先客の方が三名いらっしゃいましたが、この後に頼んだサンドウィッチを食ってる間に帰られて、最終的には私一人になりました(*´▽`*)

ご主人さんは結構フランクな方で、おしゃべり好き。写真撮影も快く了解してくれました。撮影は聞けばOKしてくれると思いますが、撮るときはご主人さんに、ひと声かけていただければ!!

どれにするか迷っちまうぜ!!

メニューは結構豊富。

入店して初めての来店と告げると、ご主人さんがメニューについて一通り説明してくれます。サンドウィッチは結構ボリュームがあり、「なすとモッツァレラサンド」が一番人気と教えてくれました。

メンチカツが好きなのでメンチカツサンドを頼みたい気持ちはあったものの、ここは初来店ということで一番人気の「なすとモッツァレラサンド」をチョイス!!

お世辞なしで、マジで旨かったっす!

そのサンドウィッチがこちら!

サンドウィッチと言っても、軽食レベルではなくガッツリレベルの量です!

パンが焼きたてでサックサク。そして、中身もその場で手作りしてくれるので並の喫茶店レベルを遥かに凌駕する味となってます( ̄▽ ̄)

激ウマだった、アボカドジュース

ジュースも結構迷ったものの、私は無類のアボカド好きということで、アボカドジュースをチョイス!

んで、飯を食ってたら他のお客さんは退店。ご主人さんと二人きりになったということで、いろんな話を伺うことができました〜( ̄▽ ̄)

内容を手掛けたのは志賀直哉の弟!?

写真の撮影を許可していただいたので、まずは一通り気になる絵をひたすらカメラに収める。店内のあらゆる場所を撮りたくなってしまうんですが、天井に吊るされているこちらのシャンデリアがとにかく目立つ!

天井もバラが満開で絵になるため、もう何枚でも撮りたくなってしまいます!

上ばっか見てると、首が痛くなってくる・・

こちらは、「そこの席に座って天井を撮るのも良いですよ!」と教えていただいて撮った一枚!

首が痛くなっても、撮り続けるww

先ほども書いたように館内は狭いんですけどね。それでも天井や壁、あとはカウンターに置かれているアンティークなどどれも絵になるものばかりで、いろんな角度から撮りまくっちゃいます。

ちなみに、ここの内装は志賀直哉の弟である志賀直三さんが携わったんですって。先代の方と親交があったようで、志賀直哉の弟さんは建築家だったみたいですね!

いろんな置物もありますね

しかし、ここは喫茶店ではあるもののもはや美術館ですね。東京の下町でもある向島ではあるものの、一気に別世界にタイムスリップしたような、何か不思議な感覚も覚えますよ!

壁にはたくさんの絵画が展示されていますが、これらは定期的に入れ替えるんだそうです(年に一回とかおっしゃってたような。。)。しかし装飾やランプなど、本当にどこを切り取っても素晴らしい!!

ここは喫茶店関連の雑誌などにもよく取り上げられるようで、私も何かの雑誌を見てこの店の存在を知ったんですよね。でも、レトロな純喫茶とか好きな方であればここは絶対行きたくなるだろうし、私も絶対そういう方がいたらお勧めすると思います!

時計はどれもちゃんと動いてるみたい

こうした古時計も、レトロな喫茶店には似合います♫

以前には、小田原にあるレトロな純喫茶『途上園』を取り上げましたが、ここは数が凄すぎて驚愕しましたけどね( ̄▽ ̄)

カーテンなど窓際も見応えあり

窓の装飾も良いですよね!

ということで、館内の様子はこんな感じですかね。ちょうどお客さんが他にいなかったために、一通り撮れてヨカッタ〜

花街関係者のために昭和33年に開店

ご主人さんには、館内の装飾などについてだけでなく、お店の昔話などを聞かせていただきました。ご主人さん、本当に気さくなので聞けば何でも教えてくれる方でしたヨ(*´▽`*)

真っ先に目に入った温度計

そうそう、お店の中に入って真っ先に気になったのが、こちらの温度計。ご主人さんは「大正の頃のじゃないですかね~」とおっしゃってましたが、「東隅田藝妓屋組合」と書かれているように、検番から送られたもの。

もう一個ありました

こちらは向島藝妓組合からのもの。

というように、二つの検番から送られた温度計が見られるわけですが、向島と言えば昔から多くの料亭があり、芸者遊びでも有名な花街でした。向島に限らず、料亭などのお座敷遊びは消えつつはあるものの、向島では現在でも九軒の料亭が営業を続けているそうです。

んで、このお店が営業を開始したのは1958(昭和33)年のこととのこと。今のご主人さんのお父さんが開いたそうなのですが、このお店は向島へとやって来る花街関係者、あとは料亭へとやって来るお客さんを目的に開店したお店だったんですって!!

もともとはジュースがメインのお店として開店

当初はジュース専門店であり、芸者さんや料亭で働く方々だけでなく料亭へとやって来るお客さんも多く利用されていたそうです。

そして、ここはジュースを飲むだけでなく待機所、あとは待ち合わせ場所にもなっていたそうです。待機所というのは、料亭が満席だった時は、ここで時間をつぶして席が空くのを待っていたってわけ。

かつては向島にたくさんの検番があり、料亭も200~300軒くらいあったとご主人さん話してくれました。とはいえ、お座敷遊びは戦後からどんどん衰退していき、カラオケの普及、あとはコンパニオンの登場などで遊び方が変わっていったことで、そうした時代の変化とともに、どこの町でも料亭は姿を消していきます。

その先代の方の後を継ぎ、今のご主人さんは二代目。

リーズナブルで味も素晴らしいパンっす

今はジュースのみならず、クルミパンやサンドウィッチもメニューにあるんですが、これは二代目の現店主が作り始めたもの!

店内で食べるのはもちろんですが、テイクアウトでパンを買いに来るお客さんもいるとのことです。値段は安いし、ひとつひとつがマジでデカいのでお得ですぞ( ´ ▽ ` )

喫茶店の近くにある料亭

という感じで、30分ちょいくらいでしょうか。ご主人さんからいろんな話を伺い退店することになりました。いや〜しかし素晴らしい空間ですし、味も美味しくて本当に良い喫茶店でした♫

おわりに

以上になります!

いや〜マジで行ってよかったです。こういうお店が家の近くにあったら絶対通い詰めてると思うくらい良かったですよ!

私的には純喫茶が好きということと、昔からいろいろ調べている花街の歴史にも絡んでいるというのが楽しくもありました。ということで、絶対また行くと思います。

ではでは、また次の記事でお会いしましょ〜

参考文献

詳細・地図

住所 東京都墨田区向島2丁目9−9
営業時間 11:00~20:30
定休日 月曜日
電話番号 03-3622-8247
駐車場 なし
アクセス とうきょうスカイツリー駅から徒歩12分ほど
リンク https://www.instagram.com/fresh_juice_kado/

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