笹子トンネル工事がキッカケ
温泉に浸かった後、再びご主人さんから旅館の歴史などを伺うことになったのですが、話のネタは「廣友館はどのような背景があって誕生したのか?」という点に。
その背景がちょっとおもしろかったんですが、それは東京と山梨を結ぶ中央本線が大きく関係していたのです!!
中央本線というと、東京駅から長野県まで開通している路線で路線カラーはオレンジ。甲州街道最大の難所と言われ 中央本線の笹子トンネルは1903年に開通したわけですが、その工事関係者を泊めたのが始まりとのこと。

ただし、トンネルと言っても山梨県は周囲が山々に囲まれていることから塩山から東京方面には笹子トンネル以外にもたくさんのトンネルがありますし、静岡方面には御坂トンネルがあったりもするため、そうした工事関係者の方々を泊めてもいたそうです。

甲州街道最大の難所といわれたこの場所には、1903年に初めて全長4,656mのトンネルが開通しました。その後は旧甲州街道や国道20号線にもトンネルが誕生しましたが、それにより東京と山梨のアクセスが格段に良くなったわけなんですね!
笹子トンネルに関しては、以前記事にもまとめてますので良ければこちらもご覧になってくださいね(*´▽`*)
そんな背景があって誕生した廣友館ですが、工事関係者を泊めたほか、周辺の大月や富士吉田などで機織りが盛んだった時代には、その方々が湯治にも来ていたとそうです。
そうそう、別の記事でも書いておりますが江戸時代後期から昭和中期頃まで日本は生糸が最大の輸出品目であり、甲信越地方など多くの場所でお蚕さんが飼われて機織り(はたおり)が盛んだったわけです。山梨も「甲斐絹」という高級絹織物産地でもあったんですね。
今でも、富士吉田市なんかではその名残でネクタイが大量に作られていますし。
ただ、戦後あたりから機織りも衰退していき、湯治客も減ってくることになります。勝沼のブドウ狩りの客も、以前は泊ってくれたものの便利な現代では勝沼だと日帰りで行けてしまうため、そう言ったお客さんの宿泊はほとんどないという。

では今ではどんなお客さんが宿泊するのかというと、日本百名山でもある大菩薩嶺の登山客や西沢渓谷への観光客の方々が多いとのこと。
確かに塩山から近い観光地というとその辺だもんな〜。多分私みたいに、旅館の建物だったり歴史が聞きたくて来るって人はまずいないんだろうな(笑)
スポンサーリンク
レトロな雰囲気が漂う館内

という感じで、ご主人さんから旅館の背景に関して色々教えていただいたわけですが、続いては館内をも案内してくれる運びとなりました。こんなポンコツ人間のために色々案内していただき申し訳ないですが、これもブログで多くの方に廣友館のことを知っていただくためということで・・(*´▽`*)

まず案内してくれたのがこちら。二階にはこんな大広間があるんですな~。
昔は企業の団体旅行とかで賑わっていたんでしょうかね。。この大広間に関してはそんなに質問できませんでしたが、こういうところで宴会するって今の時代はとても少なくなりましたもんね。。
まだ無尽(むじん)の文化が残る山梨県ということで、無尽会にでも使われたりするんでしょうか?
あっ、ちなみにですが皆さん、無尽ってご存知です??
とは言っても、ここで説明すると話が逸れてしまうので気になった方はググってみてくださいね( ̄▽ ̄)

部屋の脇にはこんな時代を感じる機械もありましたよ!
カセットテープを再生する機械のようですが、これはカラオケ機なのかな??
スポンサーリンク

再び一階に下りてきて、こちらは中広間ですね。
ここも先ほどの大広間ほどの広さはないものの宴会が行わる部屋だと思われます。この部屋には昔から使われている柱が見られたり、床の間にある柱がスゲークネクネしていて気になったり、見所がたくさんある部屋でした!

そしてこの部屋にあるこちらのぶっ太い柱。欅(ケヤキ)らしいのですがこちらが二階までそのままつながっているようで、旧館の大黒柱なんだそうです。

その他にも、部屋の中をよく見てみると所々に古い柱が見られたりするんですよね。上の写真でも、濃い茶色の横柱が見えるのわかりますかね??
これも館内の中ではかなり古い柱っす!

そしてこの廣友館の建物。ご主人さんがおっしゃるには、柱に「明治八年」と書かれたものが発見されていることから、明治八年か、もしくはそれ以前の建物とのこと。
とはいえ、今までに結構改修を加えてはいますけどね。

あとはよく見るとこんなタイルが残っていたり、、、

山梨県の旅館ということで、武田信玄を意識してか甲冑も展示してありました!

さらにもうちょっと館内をうろつく。

二階の廊下を歩いていると、、、

こんな庭もありました。
今は緑満載の景色ですが、ツツジが咲く4月〜5月の時期は満開の景色が広がっているようですよ!
館内について簡単に紹介するとこんな感じですかね。あとは私が宿泊した部屋の周辺を紹介することにしますね!
スポンサーリンク
あえて旧館に泊まった

最後に私が宿泊したお部屋を紹介しますか!
電話で宿泊の予約をした際、「できれば旧館の方に泊まりたいのですが・・」と伝えたところ女将さんは快く休館の部屋に泊まらせてくれました。上の写真で言うと、右側の建物の二階ね!

旧館の廊下はとても風情ある造りになっておりましてですね、、、

部屋の入り口の扉はこんな感じですよ。竹の素材をふんだんに生かした粋な造りとなっている外扉。料亭とか元遊廓旅館とかそういう建物だったらおういうのみたことありますが、この旅館にもありましたか!
奥に見える丸窓もいい味出してますな~~


今回私が宿泊したのはこちらのお部屋。
老舗旅館ならでわの雰囲気で、Wi-Fiもないし布団も敷布団であり、夕飯食っている間に敷いてくれるという昔ながらのシステム。

ちょっと部屋の内部を見回してみると、こうしたちょっと粋なつくりも見られたりね!

そしてちょっとビックリしたのがこちらのテレビ。
令和二年の時代にブラウン管テレビが置いてある旅館というのもけっこー珍しいんじゃないですかね。今まで古〜い旅館には度々宿泊してはきましたが、それでもテレビは薄型であることがほとんどだったのでこれは大変珍しい。
テレビを見ていても両側の画面が見切れてしまっているというのはちょっと時代を感じますが、そんなハンデがありながらテレビを鑑賞しておりました(笑)
ちなみに、新館の方の部屋のテレビは薄型だったので、ブラウン管なのは旧館だけなのかな?

そして夕飯は別の部屋でいただくことになりました!
それが一階のこちらの部屋なのですが、テレビもない静か〜な部屋でいただくひとり飯は、なかなかない経験でしたよ( ;∀;)

その夕飯がこちらなのですが、一人にはちょっと多めでしたが、どれも大変おいしくて大満足の夕飯となりました(*´▽`*)
食事中も、宿泊客が私だけということもあり女将さんといろんな話をしながら頂くような形になりました。ご主人さんも女将さんもとても親切ですし、温泉も素晴らしいですし、宿泊に関しても大満足でした!!
とはいえ、ココは按摩知られてない旅館だと思うのでかなりの穴場だと思いますよ。気になった方は、ぜひ、お越しになってみて下さいね~!
おわりに

以上っすかね!
塩山温泉もそうですし、廣友館自体も有名な旅館というわけではないようなのでネットにもそんなに情報がない場所でしたが、笹子トンネルの工事関係者を泊めたのがキッカケというのが私的にはとてもツボでした!
ご主人さんもおかみさんもすごく親切にしてくださりとても居心地がいい旅館でしたので、これからも末長く続けて欲しいところでございますわ。
では、今回の記事はこのくらいで!
参考文献
詳細・地図
住所 | 山梨県甲州市塩山上於曽1961 |
---|---|
駐車場 | 無料 |
電話番号 | 055-333-3123 |
アクセス | JR塩山から徒歩15分ほど |