和と洋が謎合体した山口県にある擬洋風建築「四階楼」を調査してみた!

↑更新・取材裏情報はTwitterにて(^ ^)

今回は、山口県上関町にある博物館に関する記事にあります。博物館でもあるし、近代建築でもある建物。名前の通り四階建てっす。

本来、上関町に来たのはこの付近にあった室津遊廓と上関遊廓に関して取材しようと思って訪問したわけですが、何やらそこには『四階楼(しかいろう)』という面白そうな建築物があり、内部を見学できるということで行ってみたわけなんですね!

四階建てという点だけでなく内部も結構珍しい点が多かったので、ちょっくら記事にしてみようかと思った次第です!

いつもの記事に比べるとライトな内容になりますが、以下で紹介していきたいと思います。

本記事のポイント

・四階建ての擬洋風建築という珍しい建物
・和と洋が合体した不思議なつくり
・文献がなく詳しい背景が不明なため、説明がなく簡素な内部

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四階建ての珍しい近代建築

山口県の端っこにあります

四階楼があるのは、上の地図の場所であり住所でいうと「山口県熊毛郡上関町」という場所。地図で示すと上の通りなのですが、山口県の南東の端っこの方ですかね。

原発に関する表記がちらほら・・

山口県の上関町ってかなりマイナーな場所で、聞いたことある人は少ないのではないかと思います。ただ、ここは上関原発という原子力発電所を建てる計画があるので、それで上関を知った方もいるかもしれません。

福島の原発事故もあり新規建設はかなり厳しいと思いますが、計画は2019年5月現在でも中止にはなっていなくて、話が進んでいないままと柳井市の方から伺ったりしました。。

ただ、原発に関しては今回は触れないのでこのくらいにして、本来の目的である四階楼へと向かうことに!

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四階建ての擬洋風建築

はい到着!これが四階楼っす!

この博物館は10:00に開館するとのことで、その時間を狙っての訪問。いや~こりゃ他では見たことがないような珍しい外観っすね~。こう見ると色合いは白と黒のみで簡素な印象ではあるものの、擬洋風建築な風貌だし、あとは四階建てというのがこれまた珍しい。

早速入っていきますが、四階楼の一階の入り口は使われていないようなので、その隣の郷土史学習館から入っていくことに。

ここが入り口のようだ

入り口は、ここっす!

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四階楼ってどんな建物なの?

では、軽くですが四階楼の歴史について触れてみましょう!

四階楼がある室津半島の先端部は、「上関」というように”関”という漢字がつくことから海上交通の要所として栄えた場所でした。そしてこの建物は、幕末に活躍した第二奇兵隊参謀の小方謙九郎(おがた・けんくろう)が1879(明治12)年に建築したものです。

四階楼は、文明開化の和洋折衷様式のデザインが流行った頃に造られた建物のようで、こうした高層建築はここだけでなく広島や大阪などにも建てられた記録は残っているそうですが、現存しているのはこれだけ!

建物自体は店舗兼饗応(きょうおう)として建てられたといわれているそうです。ただし、内部のつくりに関してはこれといった文献が残っていないため、どのような意図を持って作られたのかはわからないのだという。

その後、大正14年には旅館「四階屋」となり、1957(昭和32)年から1991(平成3)年には旅館「四階荘」として利用されました。1991(平成3年)には上関町所有となり、1993(平成5)年5月14日には山口県指定有形文化財に指定され、保存修復工事を経た後は2005(平成17)年12月27日に国の重要文化財に指定されました。

四階楼に関しての簡単な説明はこのくらいで!

擬洋風建築って何?

四階楼の背景を簡単に書いたわけですが、「擬洋風建築って何??」と思う方がいるかもしれないので、擬洋風建築についても簡単に触れようと思います。

文明開化の頃、日本では西洋の文化が入ってきた時期でもあり、四階楼のように擬洋風建築と言われる西洋の雰囲気を匂わす建物が日本中で作られました。

山梨県内にある擬洋風建築

以前、知の冒険でも擬洋風建築というと山梨県にあるものをいくつか記事にしていますが、こんな感じの建物がいっぱい作られたわけです。山梨県には、藤村紫朗という山梨県令(今の県知事)の方がいて、彼がこの建築物を奨励したため擬洋風建築が作られまくりました!

擬洋風建築というように”擬”という漢字が含まれていますが、これは「洋風っぽくまねて作った」から。洋風へのあこがれがあって、見よう見まねで作ったって感じですね!

↓山梨県の擬洋風建築に関しては以前記事にしたので、よければご覧くださいm(__)m

旧横浜ゴム平塚製造所記念館だよ!

私が住む神奈川県にも平塚市に『旧横浜ゴム平塚製造所記念館』という建築物というか博物館があったりします。今でも博物館など全国でたくさんで保存されているので、皆さんが住んでいる近くにも残っているかもしれませんよ!

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和洋ごちゃ混ぜである四階楼の全貌!

ではでは、早速四階楼の中を紹介していこうと思います。四階建てということなので、記事内では各階ごとにサブタイトルを分けで書いていこうと思います~。

一階は詳しい背景は不明・・

畳が敷かれた和な空間

では、まずは一階に。内部の様子としては上の写真の通りで、和のつくりであり展示物は何も見当たらない感じ。。そして、天井が低い。。

展示物がなくて「結構、簡素な博物館だな~」と思ったのですが、スタッフの方に聞くと、この四階楼の建物に関して「店舗や饗応(きょうおう)として使われていた」という背景は伝わっているものの、より詳しい背景や建物の造りにおける意図などまではわかっていないとのこと。

そのため、解説のための展示物がないようです。想像にお任せですな。

障子が結構張り替えられていますな。ちっちゃい子が破ったりしたんだろうか。。一階はそこまで目立った特徴は見られなかったので、上の階へ上ることに。

ちなみに、これが階段。滑って落っこちたら怪我するので気を付けないとですね。ちなみに、上りより下りの方が怖いっす( ;∀;)

二階も詳しい背景は不明・・

4.5帖の和室が三部屋ある二階。この階も、一階と同様に畳のある和の空間となっていますが、窓は洋風っぽい雰囲気。その他の展示物がなかったり、天井が低いなどの点も一階と変わんないですかね!

ものとしては、扇風機と消火器くらいだろうか(笑)

では、続いて三階に上ってみましょう!

三階は茶室だったそうな

和の意匠が垣間見える

三階は料亭のような和の意匠が垣間見えますね。丸窓というか、楕円窓?

この三階では、主に上得意様と商談をするための部屋として使われていた部屋のようです。とはいっても、それ以外の詳しい詳細は不明ww

唐獅子牡丹の鏝絵

壁にはこんな鏝絵(こてえ)が描かれています。鏝絵とは、漆喰を用いて作られる浮き彫りのことで、牡丹と獅子が描かれていますな!

鏝絵ってのは色々な建物を見てきましたがあんま見たことないっすな~~。

それ以外は特に目立ったつくりは見られませんでしたな~。さらには他の階と同様に解説も無ければ物も何も置いてないので、意匠のある造りなどを見て終了。

なんか他にネタがあれば書きたいんですが、何もないので何も書きようがないという。。

まっ、気を取り直して最上階に上ってみることにしましょ~!!

最上階はステンドグラスや!

色付きの日が射す

一番上にやってきました。階段を上ってくるといきなりこんな感じの光景が!

私が訪問したのは10:00と早い時間だったんですが、この時間ではこの方向から日が射してくるんですね。ステンドグラスを通過する日射しが何とも言えない!!

和と洋が合体した謎空間

部屋の全体像はこんな感じです。この階も、他と同様に展示物は全くなしという簡素な空間。なので、宴会として使われていたと語り継がれてはいるそうですが、それ以外の歴史的な背景はやはり不明・・。

そして、ステンドグラスが周辺に見られるのに床が畳という和と洋が奇妙にごちゃ混ぜになっている謎ww

でも、この辺は他の階と同様に文献が残っていないことからはっきりしたことはわからないのだという。

こういう時だよな〜近代史に詳しかったり建築物に関する知識が長けていれば、建物を見て「ああではないか」「こうではないか」と推測したりして知見を広めることができたりすると思うんですが、知識がない私には「珍しいな〜」で正直終わってしまいます。。

天井には鳳凰の鏝絵が

ちなみに、天井には見事な鳳凰の鏝絵(こてえ)が見られます。誰もいないし、寝っ転がって写真撮りました(笑)

この階も見所はそのくらいですかね。そこまで深堀はできず、展示物が少ないため結構あっけなく観覧終了。15分くらいで鑑賞は終わってしまいました( ;∀;)

おわりに

今も謎多き建物・・

今回の四階楼はそこまで文献がなく歴史的背景が不明ということなので、見た目の感想がすごく多い記事になってしまいましたわ。。

でも、建物自体がすごく珍しく一見の価値はあると思うので、上関町の方面にお越しの方はぜひ訪れてみてくださいね~!

といいつつ、ここはアクセスが悪いし、海はきれいだけども他に目立った観光地がないのでさほど訪れる方は多くないかもしれないですけどね~~。

参考文献

↓よければクリックをお願いします

詳細・地図

住所 山口県熊毛郡上関町室津868−1
営業時間 10:00~17:00
定休日 月曜日
入館料 無料
駐車場 近くに道の駅があります
電話番号 0820-62-0316
アクセス JR山陽本線柳井駅からバスで50分
リンク http://bunkazai.pref.yamaguchi.lg.jp/bunkazai/detail.asp?mid=110093&pid=bl

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