ういっす!
今回は奈良県にある、メッチャユニークな博物館の紹介になります。今まで、ブログの記事にすべての場所をというか全然記事に落とし込めてはいないものの、現時点で800か所近くの博物館を訪問している私。
その中でも、やっぱり個人の方が情熱ありすぎて博物館作っちゃいました系の場所は本当に面白いわけですが、今回も本当にそんな場所でした(*´▽`*)
訪問したのは、奈良県奈良市にある「ならまち糞虫館」という糞虫に特化した博物館なんですよね!
「なんで奈良県に糞虫の博物館があんの?」と思うかもしれないですが、それもちゃんとした背景がありましてですね!
ではでは、そんな糞虫館を以下で紹介したいと思います~~!!
美術館のような昆虫博物館
はい、ということで今回やって来たのは奈良県奈良市。奈良といえば、歴史や風情がある観光地として人気の場所ですが、この場所には、まさかまさかの「糞虫」にまつわる博物館があるんですね!!
糞じゃなくて、糞虫っすよww
でも、それにはちゃんとしたストーリーがあるんですよ(*´▽`*)
写真を見てもわかる通り、民家の路地裏にある感じなのでGoogeMapがないとなかなかたどり着きにくい場所にあります。とはいっても、通りに看板が出ているのでそんなに迷わなかったっすけどね!
その「ならまち糞虫館」はこちらの建物!
パット見は民家のようにも見えますが、この中にたくさんの糞虫が展示してあるんですよ(*´▽`*)
では、中に入ってみましょ~~!!
おお~~~!
館内に入ると、まずはこんな世界が広がっております!
昆虫に関する博物館ということで、壁とかに標本がひたすら展示されていると思っていたんですが、そのイメージをいい意味で裏切ってくれております(*´▽`*)
見た目は美術館並みの美しさで、昆虫が展示してあるとは思えませんよね~~。
一階の展示室は二つあり、もうひとつはこんな感じ!
たぶん多くの方は「昆虫が展示してある博物館」となると、こんな光景を思い浮かべたかもしれません。とはいえ、ここでも壁も床もメッチャ綺麗なので、こうして標本が展示されていても見栄え良いっすね!!
部屋としては二つだけなのでざっと紹介すると以上になるわけですが、カラフルな玉に展示されている昆虫たちをよ~く見てみると、、、
どうです、メッチャ綺麗でしょ!
昆虫は苦手な方も多いと思うんですよ。たぶん外で見つけたりすると「うわっ・・」ってなって逃げだす方もいるかもしれませんが、これだけカラフルで工夫された展示であれば、虫が苦手という方でも凝視できるんじゃないっすかね!
そうそう。以前は岐阜県にある名和昆虫博物館にも訪問したことがあるんですけど、そこでも「昆虫が苦手な方でも見てもらえる」ことを意識してたし。
昆虫関連の博物館って、そうした展示方法が肝なんですかね!!
ちなみに、糞虫に明確な定義はないようですが、一般には「糞を食べるコガネムシの仲間」を指すそうです。
上の写真のように、拡大するとこんな感じの虫。見た目はカナブンですね。
私はクワガタ採集をする人間でもあるので、こんな感じの昆虫であれば全然生きてる状態でも触れると思いますが、いかんせんウンコにいるとなると素手は厳しいっすね(笑)
こちらの標本には、理路整然とひたすら糞虫が展示されています。大きいものとなるとカブトムシのようにも見えますが、ココに展示してある昆虫は全て糞虫なんですよ!!
展示してある標本はほぼ館長さんが採集したもので、一階に展示してある糞虫は種類だけで400ほど。なので、個体数でいえば1,000を超えるとのこと。
ただ、一階に展示してあるもの以外にも二階にも標本棚があり、随時入れ替えを行っているそうです。でも、誰も気づかないそうではありますが。。
という感じで、まずは超簡単にではありますがさらっと糞虫館について触れてみましたが、ココからはより深堀していきますか!!
まずは、「なんで奈良県に糞虫の博物館があるの?」という点から(^^)
奈良は糞虫の聖地!
そう、奈良は糞虫の聖地なんです!
それは何でかというと、、、
こいつらです!
そう、奈良公園名物のシカさんたち。明るくなると、東大寺とか興福寺あたりに鹿せんべいを求めてやってくる彼ら。
奈良公園のシカといえば、鹿せんべいをあげて触れ合うってのが見物になってますよね。野生のシカであれば人間を見ると逃げ出すのが普通ですが、こいつらはもう人間なんて余裕で慣れてますからねww
彼らはこうして売り場に人間が来るとせんべいを与えてくれるとわかっているため、こうしてスタンバイ状態に入るわけです(笑)
これら奈良公園のシカは、その昔、神様がシカに乗って現れたことから「神鹿」として大切に扱われていました。戦後の一時期は数十頭にまで減少したものの、その後は順調に回復し、平成になってからは1,300頭前後で安定しているそうです。
確かに結構たくさんいはするものの、1,300頭もいるんですね!
そしてですよ、これだけたくさんのシカがいて鹿せんべいを食いまくっているわけですから、当然奈良公園には彼らのウンコも落っこちてるわけです。そしてその量は、なんと一日一トン以上!!
それだけウンコをするにも関わらず、別に奈良公園がウンコだらけで汚いとか、あるいはハエがひどいとかそういう話は聞かないっすよね!!
それが何でかというと、、、
そうそれは、糞虫たちがウンコを食べるなどの分解というか一次加工をしてくれるからなんですね。糞虫たちが糞をバラバラにして粉砕し、土に返す働きを手助けしているからなのです。
そしてハエが少ないのは、ウジ虫が成長する前に糞虫が糞を分解するから。
まさに「シカ糞の掃除屋」!!
彼らがいることで、奈良公園はウンコまみれにならずに済んでいるわけです。奈良公園のシカはたぶん全国的に有名だとは思いますが、それは糞虫の存在があるからウンコ問題が浮上せずにいられるというにはあんまり知られてないんじゃないっすかね!
いや~~おもしろい(*´▽`*)
ということで、奈良公園にはシカのウンコが大量にあることで糞虫もたくさんいることから、奈良は”糞虫の聖地”なんですって!
ちなみに、日本では奈良公園の他に金華山(宮城県)、宮島(広島県)の三つが糞虫の三大聖地なんですって!!
あと、400種類もの糞虫が展示してあるということで本当にいろんな種類がいるわけですが、その中でも一つ紹介したいのが「マメダルマコガネ」っす。
これは日本にいる糞虫の中で一番小さい種類であり、しかも日本にいる糞虫の中で唯一糞を転がすんだそうです。そう、いわゆるフンコロガシっすね!
ファーブル昆虫記の影響からか、フンコロガシって単語を聞いたことがある方は多いかもしれませんが、「糞虫 = フンコロガシ」というわけではなく、日本ではマメダルマコガネしか糞を転がす動きをしないんですって!
というかそのマメダルマコガネ、日本最小というだけあってめっちゃちっちゃいっす(笑)
こうして標本を見るだけでもウルトラ小さいだけに、自然界で見つけるのは至難の業ですな!!
さらには、小さめの種類だと顕微鏡を見ないと違いが判らないこともあるんですね。そんなことからか、肉眼で直接見るだけでなく、顕微鏡で観察することも出来ます!
逆に、デカいサイズだとこんなものもありました!
もはやカブトムシっすねww
同じ糞虫とはいえ、サイズでいえばこれだけ幅広い種類がいるってわけですな!
脱サラして念願の糞虫館を開館
そんな「ならまち糞虫館」がオープンしたのは、2018(平成30)年7月。館長の中村圭一さんは、幼い頃から生き物が好きだったが、中学二年生の時、級友に糞虫の標本を見せられてその美しさに虜になって以来、奈良公園に通い詰めては、ルリセンチコガネ(オオセンチコガネ)をはじめとする奈良公園に住む糞虫探しに没頭することになったそうです。
京都大学農学部に入り、大学の休暇時には世界各地に行って糞虫探しに没頭。卒業後は農林中央金庫に就職するも、50歳で将来の自分を見据え、その2年後に26年務めた金庫を早期退職。その後、2018年に「ならまち糞虫館」をオープンするに至ったそうです。
先ほども書いたように、館内に展示してある糞虫はほぼすべて中村館長が採集した物。その全てに、こうして採集場所と採集日が記録されているのです。
館長さんのマメな性格がココに現れてますね(*´▽`*)
私みたいなずぼらな性格だったら、雑に扱ってますよww
そして館長さんは中学生のころから糞虫を採集していたため、採集日を見ると「1977」とか40年以上も昔の標本が展示してあるわけです。1977年って、私が生まれる前だわww
ちなみに、ここは中村館長が一人で運営されています。マジで超ウルトラ親切な方なので、聞くと糞虫にまつわるいろんなことを教えてくれます。個人の博物館って、熱量ハンパないっすからね!
こうやって解説していただけたりという交流が出来るのが、こういう個人のこじんまりした博物館の魅力ですよ(*´▽`*)
糞虫館を開館するまでは、ひとりの糞虫マニアに過ぎなかったものの、開館してからは雑誌のインタビューだったり、小学校に招かれたりという機会に恵まれたそうです。あとは、街歩き企画として奈良公園で糞虫探しをするツアーをやったりとか、色んな企画に精力的に取り組んでいるようです。
確かに、こうした博物館を運営しているとなると単なるマニアというよりかは専門家として見ますし、説得力ありますよね!
Tシャツも売っているんですが、今思えば買っておけばよかったと後悔。。
糞虫への探求心は尽きない!
中学生のころからひたすら糞虫を探し続けてきた館長さんですが、それでもまだ探したい糞虫はいるのだという。
例えば、奈良公園では、20年くらい前に見られた糞虫が今では見られなくなっており、そういった種類のものが今でも生息しているのかを確かめたいとか。
なんで今では見られないのかというと、それは衛生面の向上があるというんですね。
昔は公衆トイレが整備されていなかった関係で、奈良公園近くの若草山に登る前には、一発その辺で野糞をするひとたちがそれなりにいたんですって。さらには、散歩中の犬の糞だって、今ではちゃんと飼い主が片付けるようになったものの、昔はペットの犬がウンコしてもそのまま放置が当たり前だったわけです。
そういう環境下では、鹿の糞ではなく人間や犬の糞を好む糞虫がいたものの、衛生面が向上して人間や犬の糞が外で見られない現代では、そういう糞虫はいなくなったのではというのが一つの説なのだという。
人間からしたらウンコはない方がいいわけですが、そういったことで昆虫の生態にもこうして影響を及ぼしているというわけです。
うんこがあった方が嬉しい生き物がいるとは、、、世の中何が正しいのか分からなくなってきますな…笑
しかし館長さんにいろいろ教えていただきましたが、昆虫ってのは各々にいろんな特徴があって面白いっすな!
糞虫はカナブンみたいには見えるものの爪ががっちりしているわけではないので、穴は掘れるものの木に登ることはできないとは、あとは場所によって色も異なったり、日なたを好むものがいれば日陰を好むものもいるんですって!
といういろんな特徴があるわけですが、それ以前にウンコを食うってのがそもそもすごいよな、、。
糞虫は飼っている人もいるようですが、なんせエサがウンコですからね。。草食動物のであればそれほど匂いはきつくないため、ウサギとかを飼ってれば一石二鳥ですが、犬の糞とかだと匂いがキツイですし、、そういう背景から、飼っている方はそんなに多くないみたいです。
私が訪問したときは家族連れのお客さんがいたように、子供連れの方はお客さんとしては多そうですね。
館長さんに聞くと、地元に糞虫館があると知った小学生がやって来たり、あとは近畿大学の農学部の方々が研究目的でやって来たりするみたいですよ!
地元にもこういう場所あったらいいよな〜。私も子供、特に男の子ができたらこういう場所に連れていきたいものですよ!!
おわりに
はい、以上になります!
糞虫という昆虫に特化した日本で唯一のユニークな博物館。こういう場所を個人で運営していくのは大変だと思いますが、こういう場所があるってのは特に子供たちに撮っては本当にありがたい存在だと思うんですよね!
私としては、改めてですがこういう一つのことにのめり込む熱量半端ない方と花足たりするのが本当に楽しくて、中村館長さんにも本当にいろいろ対応していただきました( ̄▽ ̄)
奈良に訪問した時には、またよりに行こうかな!!
参考文献
詳細・地図
住所 | 奈良県奈良市南城戸町28-13 |
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入館料 | 大人:300円、子供(小学生以下):100円 |
開館時間 | 13:00~18:00 |
開館日 | 土曜日、日曜日 |
駐車場 | なし |
電話番号 | 070-1798-6464(緊急時のみ) |
アクセス | JR奈良駅から三条通りを東へ10分、カフェ・ド・クリエを南へ5分、水本生長堂の横の路地を東入ル15m |
リンク | https://www.hunchukan.jp/ |